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2019.05.28
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「マー君、汚いでしょ。そんな所に手を浸けちゃ。」

マー君は顔を曇らせると指先の木の葉の船を見送った。

「そんなドブ川で遊ばないで、さあ家に帰って手を洗って。マー君の好きなシュークリーム買ってきたわよ。」

お母さんは買い物帰りの玄関先からマー君に声をかけ家の中に入って行った。マー君もシュークリームと聞けば木の葉の船などもうどうでもいい。ニコッと笑うと元気にお家へと走り出した。

 

その頃そのドブ川ではゾウリムシ君が、今日もおいしいランチに舌鼓を打っていた。

「うまい。実にうまい。このバクテリアはいつ喰っても実にうまい。正に珍味中の珍味。グルメの俺でさえつい唸ってしまうくらいだ。」

 

ゾウリムシ君はたくさんのせん毛をせわしなく動かしながら、久し振りに見つけた超レアなバクテリアを取り囲み、取り込んで行った。

 

「あー喰った喰った。この川は栄養付加が高く、バクテリア類も多く、こんな特急グルメにもありつけるって訳だ。幸せな気分だぜ。」

 

ゾウリムシ君、ゾウリムシに出来る範囲でせん毛を伸ばして背伸びをした。

 

その時、何やら毒々しい液体が流れて来た。妙な匂いもする。気分が悪くなりそうだ。暫くその液体はゾウリムシ君の周りを淀み、ようやく去って行った。しかしゾウリムシ君の繊細なお肌はまだピリピリしており、あの状態が続けば、命にかかわったかも知れない。

 

「マー君ダメでしょ。水道出しっ放しよ。」

「あっ、いけない。」

マー君は慌てて洗面所に戻り、今石鹸でゴシゴシ洗った綺麗な手で蛇口を閉めると、食卓テーブルにすっ飛んで行った。

「ワー、おいしそうなシュークリーム。いたたきまーす。」






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最終更新日  2019.05.28 14:00:11
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