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カテゴリ:太っちょポッポのトットさん2
モハメドアリとトットさんはアリギリス救出のために広大なセンターの中を、アリスの位置探知能力を中継して進んだ。 角を右に、階段を上り、更に右に折れ、ドアを開け、直進する。 何区画か過ぎるとようやくアリギリスたちと思われる人影が遥か彼方の廊下の先を左に曲がるのが見えた。 「アリス、ようやく追いついて来たようだ。彼らがセキュリティルームに到着するまでにどのくらいあるんだ?」 アリスからテレパシーが届いた。 「あと5分もあれば着いちゃうわ。」 モハメドアリはうなづくとアリギリスたちの所へ急いだ。 廊下を突き当りまで疾走し左に曲がると、更にその先の突き当りを左に曲がるところが見えた。 彼は猛然と進み左に曲がると、一団はすぐ前のドアの横にあるセキュリティボックスにIDカードを読ませているところだった。 5人のセキュリティの内、3人までがIDカードを読ませる必要があり、少々時間を要したのが幸いだった。 セキュリティルームに入られたら、いくら屈強なモハメドアリと言えどもとても勝ち目はない。 まずはトットさんがセキュリティの隊長と思われるアリに声を掛けた。 「あのー、そのー、すみませーん。」 隊長は手を止めトットさんに振り向いた。 「なんだ君は?やけにデブなアリだが。」 それを聞いてトットさんは怒鳴った。 「デブだと?おれは太っちょだ!」 隊長は首を傾け訊いた。 「どこが違うんだ?」 ウッ!と唸ったままトットさんは黙ってしまった。 連行されているアリギリスがチラッと隊長の背後に目をやった。 モハメドアリは静かに彼の後ろから近づき、素早い手刀で一瞬のうちに気絶させてしまった。 しかし、訓練された残りのセキュリティの動きも早く、モハメドアリを拘束するために彼を取り囲み、見事な連携で床にくみ伏そうとした。 モハメドアリは、当然次の事態は予測していたから巧みに交わし、更に二人のセキュリティを倒した。 残りは二人。 しかし一人に立ち向かおうとした途端、背後からもう一方のセキュリティに襲われ、一瞬の攻撃で床に倒され、素早く押さえつけられてしまった。 セキュリティの一人が手錠を出して、後ろに回したモハメドアリの両手首に掛けようとした。
が、その時・・・・・
なぜか二人はその場に倒れてしまった。 アリギリスもモハメドアリも一瞬わけが分からず見つめ合った。 その時、廊下の陰からアリランが顔をのぞかせた。
「間に合ってよかった。アリスから連絡があって駆け付けたの。」 彼女はそう言いながら、手にしていたカード型の装置をポケットにしまった。 彼女は厨房で食材の中に特殊な薬物を混入させる工作を行ったのだ。 この薬物は特殊な3種類の周波数の電波を同時に受けると体内で睡眠効果をもたらし、昏睡させるのだ。 モハメドアリは素早く立ち上がると、セキュリティから抜き取った解錠装置でアリギリスの手錠を外し、二人で傍にあった空き部屋に5人のセキュリティを閉じ込めた。
先程のアリランの装置のおかげで、彼らはこの部屋でスヤスヤと夜中まで眠り、夜が明ければ記憶を消された上で、一介の働きアリにされてしまう事だろう。
「二人とも済まない。長居は無用だ、倉庫へ急ごう。」 アリギリスは言い、3人は倉庫へと向かった。
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こんばんは ^^
セキュリティとの対決、皆の連係で勝利できほっとしました。 次の展開が予想できませんが、トットさん&アリさん達、頑張ってくださいね!! (2019.11.04 23:46:41)
倉庫で何するのかな~( ´∀` )
(2019.11.07 17:37:57)
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