|
カテゴリ:我が良き虫の世かな
寿限無と言って思い出すのは、落語でよく知られている小噺の「寿限無」だろう。 「寿限無、寿限無、五劫の擦り切きれ、海砂利水魚の、水行末・雲来末・風来末・・・長久命の長助」 元気で長生きするように縁起の良い名前を紹介されて、どれがいいか迷った挙句、結局全部繋いでしまったこの長~い名前をすべて書くとそれだけでこの記事が終わってしまうので途中を端折るが、なんとひらがなにして136文字と、とにかく長~いのである。 落語では元々、彼(長いので彼とする)が川に落ちて、それを親に知らせに来た子供たちが名前を言っているうちに溺れ死ぬという内容だったが、子供が死ぬのは残酷だと彼に殴られてこぶが出来た子が親に言いつけに来て名前を言っているうちにこぶが引っ込んでしまったなどという話に替えられたバージョンもある。 さて本題の世界一長~い虫の名前は、「カノウモビックリミトキハニドビックリササキリモドキ」という虫で、標準和名は「スオウササキリモドキ」という。 冗談半分に付けたのがきっかけで呼ばれるようになったらしいのだが漢字で書いてみると、「加納もびっくり、元木は二度びっくりササキリモドキ」となるのだが、写真で実物を見てみると合わせてで三度もびっくりするような特異な風貌でもない気がする。 「カノウモビックリミトキハニドビックリササキリモドキ」 他に長~い虫の名前で、 「トゲアリトゲナシトゲトゲ」 というのがいる。 最初は「トゲトゲ」という虫がいて、 「トゲトゲ」 棘のない「トゲナシトゲトゲ」が見つかり、 「トゲナシトゲトゲ」 更に棘のある「トゲアリトゲナシトゲトゲ」 が見つかったというのだ。 「トゲアリトゲナシトゲトゲ」 他にもいる。 クロホシテントウゴミムシダマシに似ているが少し違うぞということで、 「ニセクロホシテントウゴミムシダマシ」 こうなると「お前はテントウムシなのかゴミムシなのかはっきりしろ!」と膝と膝を突き合わせて問いただしたくなる。 「ニセクロホシテントウゴミムシダマシ」 まあ虫さん本虫は、人間から勝手に名前を付けられているなんてこれっぽっちも自覚はしていないだろうが。 まずはこんな長~い名前の虫界の寿限無(幸福が限り無いの意味)たちにびっくり。 感想文みたいに長久命(長く久しい命(名))な名前を付けてしまうことに二度びっくり。 そんな名前を付けてしまう昆虫学者の水行末・雲来末・風来末(水、雲、風のように果てがない)なセンスに三度びっくりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[我が良き虫の世かな] カテゴリの最新記事
|