189081 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

マスP文庫

マスP文庫

PR

プロフィール

Master P

Master P

お気に入りブログ

ナガバノイシモチソ… New! himekyonさん

不調 8月12日 New! ララキャットさん

娘と息子の帰省 New! 空夢zoneさん

外来種? New! パパゴリラ!さん

次節(J25)のFC東京… simo2007さん

猛暑襲来 幸達爺さん

久しぶりのブログ おり2002さん

ほっぺちゃんの マ… ほっぺ001号さん
ソフト部あきちゃん… ソフト部あきちゃんさん
Musashino SnapShot gekokuroさん

カテゴリ

2020.12.27
XML

めっきり強くなった日差しの中で蝶のキタテハは舞う。

何十年、何百年と受け継いで来たし、これからも受け継いで行く春の風景。

花は香りに我が身を託し、目にもまばゆい極彩色で虫達を誘う。

これもまた、幾百年も繰り返して来た春の習わしである。

春は己を待ちわびる数多の命に優しく囁く、「冬は去った。代わりに温かな風を運んで来た。だからさあ出ておいで。」と。

躍動、飛翔、徘徊、

虫達はそれぞれの形でそれに応える。

春はたゆたう磯の波に似て、ある時は逆巻く波に洗われ、凍える風雨に阻まれながらも、今この場所に安住の場所を求めようとしている。

 

キタテハは目覚め、花の差し出す蜜の香りに誘われて、巻き取った舌をそこに伸ばす。

 

「うっ!冷たい!」

 

キタテハはあまりもの冷たさに今度は本当に目覚めた。

 

辺りは暗く、相変わらず凍り付くような寒さだ。どうやら寝惚けたらしい。

キタテハは落胆のため息を漏らしながら、再び忍耐の冬眠に戻った。







最終更新日  2020.12.27 00:00:18
コメント(6) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.