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カテゴリ:ファンタスティック・パロダイス
(1)北斗の拳 眼光鋭く、はち切れんばかりの肉体をみなぎらせケンシロウはひとり荒野を行く。そこに突如巨大なクマが現れた。北斗真拳伝承者と言われるケンシロウの一撃のもとクマは果てるかと思いきや、ケンシロウは静かに横たわりクマの鼻息を顔に感じた途端ぎゅっと目をつむり慌ててつぶやいた。「俺はすでに死んでいる。」
(2)遠山の金さん 寺社奉行遠山景元は先程からの悪人どもの白々しい嘘に業を煮やしすっくと身を起こし、身を乗り出し啖呵を切った。 「やいやいさっきから黙って聞いてりゃ勝手な事ばかりぬかしやがって、お天道様は見逃しても遠山桜はちゃーんとお見通しでい。」 景元はもろ肌脱ぎながら、「この桜吹雪を忘れたとは言わせねーぜ。」と言って半身を出そうとした時、昨日寝違えて大きな絆創膏をべったり貼付けていたのを思いだし急に、「あはっ、忘れてください。はい続けて下さいどうぞ。」と言いながら、元いた場所の座布団にちょこんと正座した。
(3)巨人の星 思えば父一徹のスパルタ訓練、それをかばう姉明子。伴宙太との出会い、左門豊作との対決、幾多の試練を乗り越えて来ただろう。 飛雄馬は今、大リーグボール2号の完成を成し遂げようとしていた。ボールを握り、マウンドで踏ん張り、花形はバットを構える。 そこで彼はふと監督の手元に気付いた。両指先をくっつけ引き延ばすサイン。そう間を引き延ばせのサインだ。またもや仕切直しだ。もう三度目になる。 やがて彼は目の中に火を燃やしながら意を決して足を大きく振り上げて、今日の放送は終了した。 こうしてたった一球を投げる所までに30分を要す、巨人の星伝説が出来たのである。
(4)仮面ライダー 「出たなショッカー。今日こそはその息の根を止めてやる。」 本郷猛は両手を横に揃え、大きく円を描く様に体の周りをグルッと一周回しながら言った。 「ヘーンジン!」 こうしてショッカーの前で彼は単なる変人になってしまった。
(5)ポバイ ♪ポバーイ・ザ・セーラーマーン、ポバイ・ザ・セーラーマーン♪ ポバイは自分のテーマソングを声高らかに歌いながら意気揚々とやって来た。今日もオリーブを掠おうとするプルートをほうれん草パワーで南の無人島までぶっ飛ばして来た所だ。これを見て船長は言った。 「お前また喧嘩して来たのか?仕事もせずに。そんな乱暴者はクビだ!」 ポバイはションボリ肩を落し、新しい自分のテーマソングをつぶやきながら去って行った。 ♪ポバーイ・ザ・セールスマーン、ポバーイ・ザ・セールスマーン♪
(6)眠れる森の美女 イバラを掻き分け一人の王子が眠りに落ちた城を抜け、美女が眠る寝室までやって来て、彼女にそっとキスをした。 彼女は目覚め、大きく目を見開き言った。 「何よまたブサイクな男。王子様はスラッと背が高く、スマートでハンサムなはずなのに!」 彼女はそう言うなり今やそばに備え付けてある糸車の針で自らを刺し、再び大いびきで爆睡を始めた。一旦動き始めた城の人々は、またもや姫の婚活失敗を歎きながら四度目の眠りについた。
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パパゴリラ!さんへ
そうか次週の放送まで1週間。 その間にようやくベースに届くとすると、これは宙に留まったように見えるほどのスローボールということになりますね。 考えたこともなかった。 鋭い! もしこれを打ち返してホームランになったら、スタンドまで届くのに1か月かかるのでしょうか? (2021.02.11 03:10:20)
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