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2021.03.04
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人気のない夕方近くの寺の境内の雑木林。悪人どもが一人の小娘を囲んでニヤついていた。
「親分、こいつはすごい上玉ですぜ。」
「おい!手を出すんじゃねえぞ。こんな上玉めったにいねえ。生娘のまま南蛮に送れば一生おまんまには不自由しねえ大金が手にへえるんだからな。」
「そうですかい。でも勿体ねえな。ちょっとだけ味見させておくんなせえよ。」
少女は恐怖に目を見開き、猿轡に封じられた喉の奥から悲鳴を絞り上げたがその時。
「ギャー!」
その手下の叫び声が境内にこだまし、その男は眼から血を流してうずくまった。
仲間は驚いてその男に駆け寄ったが、何かが飛んできたのだと分かると慌てて周りをキョロキョロ見渡し始めた。
すると手下たちは何かに襲われ、次々にうずくまって行った。
「誰だ?俺たちの邪魔をする奴は?」
悪人の親玉が怒鳴ると木陰から一人の岡っ引きが姿を現した。銭形平次である。
それからいつものように平次と悪人どもの立ち回りが続き、またいつものように町奉行の捕り方たちが一斉になだれ込んで来て終止符を打つのであった。
「おおハチ、ご苦労だったな。」
平次の子分の八五郎は得意そうに鼻の頭を掻きながら言った。
「親分こそ今度もお手柄でやしたね。またお奉行様からたんまりご褒美が頂けますよね。ねぇ親分、たまにはどこかに飲みに連れてって下せえよ。」
「ああいつかな。だが今日はちと用事があるからお前はもう帰れ。」
「えええ、そんなあ。」
「いいから今日は帰れ。」
「ちぇっ、つまんねえ。最近親分は全然おごってくんねえんだから。」
八五郎は不満たらたら言いながらも、暗くなり始めた雑木林を去って行った。
しかししばらく行くと大事な十手を置き忘れていたのに気付き、現場に戻り十手を手に再び帰ろうとすると、藪の中から出てくる銭形平次とばったり出くわした。
「親分、どうしたんでやすか?」
平次はばつの悪そうな顔をして渋々打ち明けた。
「いやうちも家計が苦しくってな、お静の奴がもう銭は渡せねえって言いやがるんで....」
平次が泥だらけの手を開くと、先程悪人どもを懲らしめた寛永通宝が握られていた。






最終更新日  2021.03.04 00:00:21
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