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マスP文庫

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ファンタスティック・パロダイス

2021.03.07
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「桃田隊長、犬山という者が志願して参りました。追跡任務を得意とするそうであります。」
傭兵徴用担当士官が敬礼しながら隊長の桃田に報告した。
桃田はコーヒーを啜っていたが、振り向くとうなずいた。
「追跡任務はオニガアイランド上陸後にオニモンスター団追撃の要となる。月に50万キビーで雇うと伝えろ。」
「はい、かしこまりました。」
そう言うと士官は戻って行った。
桃田隊は現在、盗賊集団オニモンスター団の基地があるオニガアイランドに進軍中だった。後10日ほどで到着しかなりの激戦が予想されたが、傭兵の数はまだかなり不足していた。それから数日して再び徴用担当士官が桃田を訪れ報告した。
「隊長。偵察任務の傭兵を募集しておりましたところ、猿渡という者が志願して参りました。偵察および極秘潜入を得意としているとの事であります。」
桃田はこれを聞くとニヤリとして、「そうかオニガアイランドに着いた後、直ぐに任務を与え、内部情報の収集と内から我が隊を招き入れる工作をさせるとするか。」とつぶやき、「よし分かった。そいつにも月50万キビーで雇うと伝えろ。」
桃田隊は進軍を続けオニガアイランドまで後2日と迫ったが、桃田には一抹の不安がよぎった。
「戦いが膠着した時に何かこれという決め手はないものだろうか?」
彼はそう思いながら野営しているキャンプから後30キロほど先に見えるオニガアイランドを眺めていると一機の戦闘機がフラフラと揺れながらも、見事な操縦でどうにか近くの空き地に着陸するのを見た。
彼はさっそくそこへ駆けつけると中から一人のパイロットが降りて来た。
「お前どうしたんだ?」桃田が聞くとそのパイロットは悔しげに言った。
「俺はオニモンスター団に一人で対決して来たんだが、散々痛めつけてやったのに遂に燃料切れを起こして御覧の通りさ。俺の名は雉田。」
桃田はこれだと閃きこう持ちかけた。
「俺たちは明後日、オニモンスター団掃討作戦を遂行する。燃料は隊の物資から供給するから月50万キビーで隊に参加しないか?戦闘が膠着したら君に是非上空から敵を切り崩して欲しい。」
雉田は目を輝かせ手を差し出すと桃田とがっちり握手をした。
「これでこのオニモンスター団掃討作戦は我が方の勝利間違いなしだ。」
桃田隊長はそう確信を抱いた。






最終更新日  2021.03.07 00:00:20
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2021.03.04
人気のない夕方近くの寺の境内の雑木林。悪人どもが一人の小娘を囲んでニヤついていた。
「親分、こいつはすごい上玉ですぜ。」
「おい!手を出すんじゃねえぞ。こんな上玉めったにいねえ。生娘のまま南蛮に送れば一生おまんまには不自由しねえ大金が手にへえるんだからな。」
「そうですかい。でも勿体ねえな。ちょっとだけ味見させておくんなせえよ。」
少女は恐怖に目を見開き、猿轡に封じられた喉の奥から悲鳴を絞り上げたがその時。
「ギャー!」
その手下の叫び声が境内にこだまし、その男は眼から血を流してうずくまった。
仲間は驚いてその男に駆け寄ったが、何かが飛んできたのだと分かると慌てて周りをキョロキョロ見渡し始めた。
すると手下たちは何かに襲われ、次々にうずくまって行った。
「誰だ?俺たちの邪魔をする奴は?」
悪人の親玉が怒鳴ると木陰から一人の岡っ引きが姿を現した。銭形平次である。
それからいつものように平次と悪人どもの立ち回りが続き、またいつものように町奉行の捕り方たちが一斉になだれ込んで来て終止符を打つのであった。
「おおハチ、ご苦労だったな。」
平次の子分の八五郎は得意そうに鼻の頭を掻きながら言った。
「親分こそ今度もお手柄でやしたね。またお奉行様からたんまりご褒美が頂けますよね。ねぇ親分、たまにはどこかに飲みに連れてって下せえよ。」
「ああいつかな。だが今日はちと用事があるからお前はもう帰れ。」
「えええ、そんなあ。」
「いいから今日は帰れ。」
「ちぇっ、つまんねえ。最近親分は全然おごってくんねえんだから。」
八五郎は不満たらたら言いながらも、暗くなり始めた雑木林を去って行った。
しかししばらく行くと大事な十手を置き忘れていたのに気付き、現場に戻り十手を手に再び帰ろうとすると、藪の中から出てくる銭形平次とばったり出くわした。
「親分、どうしたんでやすか?」
平次はばつの悪そうな顔をして渋々打ち明けた。
「いやうちも家計が苦しくってな、お静の奴がもう銭は渡せねえって言いやがるんで....」
平次が泥だらけの手を開くと、先程悪人どもを懲らしめた寛永通宝が握られていた。






最終更新日  2021.03.04 00:00:21
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2021.02.28
1)石川五右衛門
豊臣秀吉を憎み、大坂城天守閣の金の鯱鉾を盗もうとした事で有名な大泥棒、ご存知石川五右衛門のこの話、他の盗賊の話と混同されたという説があるので早速本人に突撃インタビューを敢行。
「五右衛門さん、あなたが大坂城の金の鯱鉾を盗もうとしたことは本当ですか?」
「ああ本当だとも。簡単なものだったぜ。」
「簡単?あの大きく重い鯱鉾をどうやって持ち去ったのですか?」
「簡単な事よ。鯱鉾を天守閣から引っぺがし、それにまたがり屋根をスライド、お濠の中にザブンとスプラッーシュと来たもんで~。」
世に石川五右衛門がスプラッシュ・マウンテンの考案者である事は知られていない。
2)聖徳太子
10人の請願者が聖徳太子のもとに押し寄せ一度にそれぞれの願いを訴えた。
聖徳太子はうろたえながら一言言った。
「皆さんそれぞれの訴えは各官庁に行ってお手続きください。」
そう、聖徳太子は日本の官僚制度の礎を築いた偉大なお方なのです。
3)木下藤吉郎
「猿!草履を持て。」
「ははあー。」
藤吉郎が差し出した草履を履くとなんと温かいではないか。
「猿!お主この草履を尻に敷いておったな?」
「いえ滅相もござりませぬ。お屋形様がお出かけの折、この寒さでは御足も冷たかろうと胸に抱いて暖めておりました。」
「おおそうであったか。なかなか気の効く奴じゃな。」
満足して上機嫌の信長の傍で、「焼き芋を焚火の中から取り出すのに使っていた。」などと決して言えず、ひそかに冷や汗をかく藤吉郎であった。
4)春日局
乳母として三代将軍徳川家光を育て、後に権勢を欲しいがままにしたお福(斎藤 福)は朝廷より『春日局』という称号を賜ったのだが、その称号の由来は『さすがの局(仕えた重要な地位にある女性への敬称)』であるという下らないパロディは『さすがに没ね』。
5)平清盛
「今日は2012年NHK大河ドラマの主役となられる平清盛さんをスタジオにお迎えしてお話を伺いたいと思います。それではさっそく。清盛さん、わざわざお越しいただきありがとうございます。」
「い、いえ、と、とんでもありません。」
「まあ緊張なさらずに。最初は清盛さんの人となりをお聞かせいただければと思います。清盛さんと言えば....」
「ぼ、ぼく、何も悪いことしてないよ!」
「いえいえ、別にあなたを責めようと言うわけではありませんよ。」
「でも義経や頼朝の源氏はいい人で、平氏は悪い人なんでしょ?でも僕があの子たちの命を救ってやったんじゃないか。」
「そうですよね。普通武士の世界ではあり得ませんよね。充分存じておりますよ。」
「広島の厳島神社を改修したり、大輪田泊(今の神戸港)を修復したのも僕だし....」
「....どうやら清盛さん、平氏の隆盛を妬んだ親源氏プロパガンダですっかりいじけておいでの様です.....」






最終更新日  2021.02.28 00:00:21
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2021.02.25
1)ターミネーター2
人類を救うリーダーとなる運命のジョン・コナーは、T-1000型ターミネーターを葬った溶鉱炉に沈むT-800型ターミネーターの最後の言葉を聞いた。
「アイル・ビー・バ・・」
しかし最後の「バック」の所で溶鉱炉に飲み込まれた言葉は「バグ」にしか聞こえなかった。
「私は虫になるだろう?」
こうしてT-800型ターミネーターは虫に生まれ変わった。
2)スーパーマン
クラークケントはスーパーマンに変身して、摩天楼の窓から空へと勢い良く飛び出した。しかし、運悪くマントは窓の金具に引っ掛かりすっぽり外れてしまった。マントから空を飛ぶ推力を得ていた彼は落下の運命をたどり、帰らぬ人となってしまった。
3)卒業
ベンは教会の窓を叩いて愛する人の名を叫んだ。
「エレーン、エレーン。」
彼が打つ窓の音に列席者は驚いて振り向く。
彼を誘惑して関係を持ったエレンの母親のミセス・ロビンソンはベンを口汚く罵る。
しかし、ベンの真の愛に気付いたエレンは叫ぶ。
「ベーン、勘ベンして。」
ベンも、ミセス・ロビンソンも新郎も、列席者一同ずっこけた。
4)ロッキー
アポロとの死闘を制したロッキーは愛するエイドリアンの名を呼び群衆をかき分ける。
「エイリアン、エイリアン。」
エイドリアンと呼んだのが歓声に打ち消されてエイリアンとなってしまった。
哀れロッキー・バルボアは宇宙最悪の生物エイリアンの餌食となってしまった。
5)バットマン
バットマンのタイトルにBatmanと書くところをBadmanと誤植してしまったため、本来悪役のはずのジョーカーがバットマンを退治してしまったという嘘のような本当の話はない。
6)2001年宇宙の旅
反乱を起こした木星探査機ディスカバリー号のマザーコンピュータHAL9000は、ボーマン船長に基盤を抜き取られる毎に機能低下し、自分を育ててくれたチャンドラー博士に教わった「デイジー・ベル」を歌うのだが、「デイジー」と「ひなげしの花」とヒナ繋がりで、アグネス・チャンの「ひなげしの花」を陽気に歌ってしまう。
「丘の上ひなげしの花が~♪」






最終更新日  2021.02.25 00:00:21
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2021.02.21
1)浦島太郎
浦島太郎は助けた亀の背中に乗り、海の底にあるという竜宮城に行ってみる事にした。早速彼が亀の甲羅の上に座ると、亀はズンズン沖へと泳ぎだし次第に潜行し始めた。太郎は怖くて最初息を止めていたが堪らず口を開け少し吸い込んでみた。しかし海水は容赦なく太郎の口の中に流れ込んでくる。それでもなお、その内に楽になるかと我慢して海水を口に含んだが一向に呼吸が出来ず、我慢しきれず亀の甲羅を勢いよく蹴って水面に浮かび上がると岸へと泳ぎ戻って行った。亀はそれを見ると舌打ちしながら言った。
「ちっ!これでサメの親分にまた叱られてしまう。」
2)舌切り雀
舌切り雀とは変である。舌切られ雀なら分かるが。よくよく調べてみたら、お爺さんに保護されて以来一度も服を着替えない着たきり雀が、いつしか舌切り雀と誤って呼ばれて、話に尾ひれが付いて語り伝えられるようになったらしい。これ本当!
3)こぶとり爺さん
こぶとり爺さんとは変である。こぶとられ爺さんなら分かるが。よくよく調べてみたら、単なる小太りの爺さんに尾ひれが付いて語り伝えられるようになったらしい。これこそ本当!!
4)金太郎
いくらなんでも10歳前後の子が大きなクマを投げ飛ばしたり、大木を谷に渡して丸木橋にするなど出来るわけがない。よくよく調べたら類まれな力持ちではなく、フォースで物を持ち上げる修行を積んだジェダイだったらしい。今度は絶対に本当!!!
5)猿蟹合戦
栗どんと、蜂どんと、臼どんと、牛の糞どんが団結して懲らしめた意地悪る猿は、実は猿が育てた柿の木の実が欲しくてたまらない蟹どんが仕組んだ狂言に四人が乗せられた冤罪だったらしい。実は最後が本当です。信じて!!






最終更新日  2021.02.21 00:00:19
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2021.02.18
(1)フランケン・シュタイン
フランケン・シュタイン博士は人造人間の体を繋ぎ終え、助手が持ってくる手筈になっている脳が届くのを待っていた。やがて助手は袋を抱えて戻り博士の前に脳を差し出した。待ち兼ねた博士はそれを受け取ると早速人造人間の頭に納め終えて、雷の電撃で蘇生を始めた。やがて人造人間は目を開きむっくりと起き上がったがどこかおかしい。人造人間は横座りすると自分が裸なのに気付き胸を覆った。しかも満月の日には体から毛が生え口から牙が覗く。助手に問いただすと見つからなかったので途中で猟師に撃ち殺されたメス狼の脳を持ち帰ったのだった。こうしてフランケン・シュタイン博士は人類最初のオカマの人造狼男を作ったのだった。
(2)狼男
今日は満月。満天の星空に不気味な咆哮がこだまする。
「ワオー!ワオー!」
人家もまばらなうら寂しい山村のある家の庭先に狼男が忍び寄る。
そこに幼い男の子が家を抜け出し歩み寄る。男の子は狼男を指差し、「ワンワン」と喜んだ。その後ろから父親がやって来て狼男を見つけるとニッコリして棒を広い上げると口笛を吹きながら庭に投げた。どうやら本当に犬と間違えているらしい。
しかし彼は追う習性からつい棒を拾って来てしまう。父親はまたも棒を投げる。狼男はまた取りに向かったが運悪く近くの芝刈り機につまずき立て掛けてあった木材が倒れかかり大怪我をしてしまった。
ここは村の病院。全身包帯でグルグル巻きになった狼男を医者は「ほほう、今度はミイラ男だね?」と目を細めた。
狼男は、「俺は狼男だあ!この村はどうなっているんだあ?」と叫んだ。
(3)ミイラ男
史上最も謎に満ちたピラミッドが遂に発掘され一体のミイラがその奥に秘そかに横たわっていた。考古学者達はこのミイラの包帯を開く所を全世界に中継しようと考えた。巨額の放送料で発掘費用を捻出しようとしたのだ。いよいよ包帯が切り裂かれて、テレビカメラの前で包帯が取り除かれて行った。しかし、その中には何もなかった。全世界の視聴者とテレビ局の激しい非難にさらされ、膨大な賠償金を支払う羽目になってしまった。
もし彼等がこのミイラが透明人間のミイラだと知っていたら更に巨額の研究費が手に出来ていただろうに。
(4)透明人間
透明人間達が近くのスーパーに買い物に行く相談をした。季節は冬。外は凍えるような寒さだ。買い物に行くとは言っても、特技を活かしてこっそり持ち出す万引きなのだ。しかし透明になるには裸になる必要があり、この寒い夜道を誰が行くかでジャンケンを始めたが、透明だから相手が何を出したか分からない。口で言っても信用しない。手袋をするという簡単な知恵も彼らにはなく、遂に血を血で洗う争いになったがその血も見えない。こうして真冬の夜は平和に過ぎ去った。
(5)吸血鬼
血と言えば吸血鬼。彼は今日も棺桶を抜け出し、血を求めてさ迷う。そこは最近突然の大量出血で急死した男爵の若く美しい未亡人の住む館。吸血鬼は彼女に言葉巧に近づき抱き寄せ首筋に牙を立てた。甘い血が彼の喉に流れ込み、後から後から流れ込み、止めても止めても流れ込み、まだまだまだまだ流れ込み。さすがの彼も喘いだが更に血は流れ込んだ。こうして彼は彼女の血を与える呪いが染り献血鬼となってしまった。






最終更新日  2021.02.18 08:58:23
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2021.02.14
狼は屋根の上でにんまり笑った。
最初の長男子ブタの藁の家は口から息を吹き掛けるまでもなく鼻息で簡単に吹っ飛んだ。
次男子ブタの木の家はちょっと手こずったが思い切り息を吸い込んで吹き付けたら、見事に吹っ飛んだ。
逃げ出した二匹の子ブタを追いかけて末っ子子ブタの家までやって来た。さすがにレンガの家じゃどんなに息を吹きかけようが体当たりしようがびくともしない。狼は諦め今屋根に上って子ブタ達を三匹まとめていただこうと早くも舌なめずりしていた所だった。
「爺さんはここで煙突から中に入ろうとして子ブタ達が沸かした熱湯の鍋の中に落ちて大やけどをして失敗した。だが俺は爺さんの失敗から学んだから、もうそんな間抜けはしない。こいつら、『学ばぬ子ブタは今夜のおかず』という諺を知らないとみえる。」
狼はそう言うと屋根の瓦を引っぺがし煙突からどんどん投げ入れた。瓦が鍋を壊し、こぼれた熱湯は暖炉の火の上に撒き散らされ、凄まじい蒸気と煙と舞い上がった灰が部屋の中に充満して、ていのいい催涙ガスになるのである。子ブタ達はたまらず外に飛び出し、狼の夕食となるのである。もし驚異的な忍耐で中に留まればそれはそれで極上のローストポークが出来上がりという寸法である。
瓦を投げ込むと狼は屋根を降り出口で待ち構える事にした。
しかし、いつになっても子ブタ達は飛び出して来るどころか、楽しそうな笑い声まで聞こえるではないか。
窓から覗くと瓦は確かに暖炉に山積みになっているが、元々この煙突、室内空調の排気ダクトであり、鍋で湯を沸かすにも電磁調理機を使うか、給湯機の蛇口をひねるだけであった。
狼はあんぐり口を開けて、何かいいアイデアはないか考え始めた。
しかし、完全防犯システムのセキュリティ警報システムで通報を受けて駆け付けた狩人達にあっさり退治されてしまったのだった。
「この狼、『進歩のない狼は床の毛皮』という諺知らなかったのかなあ?」とオール電化住宅のエアコンから吹き出す心地よい風で涼み、狼の毛皮の上でくつろぎながら、子ブタ達はオレンジジュースで乾杯した。






最終更新日  2021.02.14 00:00:21
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2021.02.11
古事記に記されているヤマタノオロチという出雲を舞台にした古い神話をご存知だろうか?神の国を追われたスサノオがこの地を訪れた時、八つの頭と八つの尾を持つヤマタノオロチという巨大な蛇がこの辺りを荒らし回ったため、毎年ひとりずつ若い娘を生贄として差し出してこれを沈めようとした村人達のためにスサノオはこの蛇に酒を飲ませて眠ってしまった隙に首を切り落として退治したという話である。
しかしここで考えてもらいたい。大酒飲みの事をうわばみ(大蛇の事)と言う。果たしてこの巨大な大蛇が少々の酒を飲んだくらいで酔って寝てしまうだろうか?更に酔って寝てしまっても首が切り落とされるのである、他の首がその痛さに気付かない訳がない。
そこでいつもの如く私が調べたところ、史実と若干違っていたのでお知らせしたい。
確かにスサノオは大量の酒をヤマタノオロチの八つの頭それぞれに飲ませたのだが、そこは先程も言った通りの大うわばみ、思惑通りには酔い潰れずにすっかり出来上がってしまった。スサノオははたと困ったが、この恐ろしい化け物、実はメスである事に気付き、スサノオはある計略を思い付いた。
彼は何と一つの頭に近づくと言葉巧みに言い寄りおだてまくった。すると他の七つの頭がやきもちを焼いたので彼は次の頭の所に行き、「本当は君が一番だと思っている。」と耳打ちした。こうして最初の頭までこれを繰り返したのである。
すると女という者、自分が一番と思っているから、そのうち自分こそが他の七つを押しのけて最も美人だと言い張り出した。果ては罵り合いの中傷合戦に発展し、最後には噛むは絞めるはの大乱闘。やがてへとへとに疲れて最後に残った一頭の首を首尾よくはねて退治したのだった。
しかし、いくら相手が化け物でも女心を巧みに操り、内輪喧嘩させたそのやり口が、追放された神と言えども好ましくないと冒頭にご紹介した様な筋書きに変えられたらしいのである。
まさに、真実は小説よりも奇なりである。
注意!! これはマスPのまったくのパロディです。信じてはいけません。ましてや他の人に受け売りで知ったかぶりすると後で恥をかきますのでご注意下さい。






最終更新日  2021.02.11 00:00:18
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2021.02.07

(1)北斗の拳

眼光鋭く、はち切れんばかりの肉体をみなぎらせケンシロウはひとり荒野を行く。そこに突如巨大なクマが現れた。北斗真拳伝承者と言われるケンシロウの一撃のもとクマは果てるかと思いきや、ケンシロウは静かに横たわりクマの鼻息を顔に感じた途端ぎゅっと目をつむり慌ててつぶやいた。「俺はすでに死んでいる。」

 

(2)遠山の金さん

寺社奉行遠山景元は先程からの悪人どもの白々しい嘘に業を煮やしすっくと身を起こし、身を乗り出し啖呵を切った。

「やいやいさっきから黙って聞いてりゃ勝手な事ばかりぬかしやがって、お天道様は見逃しても遠山桜はちゃーんとお見通しでい。」

景元はもろ肌脱ぎながら、「この桜吹雪を忘れたとは言わせねーぜ。」と言って半身を出そうとした時、昨日寝違えて大きな絆創膏をべったり貼付けていたのを思いだし急に、「あはっ、忘れてください。はい続けて下さいどうぞ。」と言いながら、元いた場所の座布団にちょこんと正座した。

 

(3)巨人の星

思えば父一徹のスパルタ訓練、それをかばう姉明子。伴宙太との出会い、左門豊作との対決、幾多の試練を乗り越えて来ただろう。

飛雄馬は今、大リーグボール2号の完成を成し遂げようとしていた。ボールを握り、マウンドで踏ん張り、花形はバットを構える。

そこで彼はふと監督の手元に気付いた。両指先をくっつけ引き延ばすサイン。そう間を引き延ばせのサインだ。またもや仕切直しだ。もう三度目になる。

やがて彼は目の中に火を燃やしながら意を決して足を大きく振り上げて、今日の放送は終了した。

こうしてたった一球を投げる所までに30分を要す、巨人の星伝説が出来たのである。

 

(4)仮面ライダー

「出たなショッカー。今日こそはその息の根を止めてやる。」

本郷猛は両手を横に揃え、大きく円を描く様に体の周りをグルッと一周回しながら言った。

​「ヘーンジン!」​

こうしてショッカーの前で彼は単なる変人になってしまった。

 

(5)ポバイ

♪ポバーイ・ザ・セーラーマーン、ポバイ・ザ・セーラーマーン♪

ポバイは自分のテーマソングを声高らかに歌いながら意気揚々とやって来た。今日もオリーブを掠おうとするプルートをほうれん草パワーで南の無人島までぶっ飛ばして来た所だ。これを見て船長は言った。

「お前また喧嘩して来たのか?仕事もせずに。そんな乱暴者はクビだ!」

ポバイはションボリ肩を落し、新しい自分のテーマソングをつぶやきながら去って行った。

♪ポバーイ・ザ・セールスマーン、ポバーイ・ザ・セールスマーン♪

 

(6)眠れる森の美女

イバラを掻き分け一人の王子が眠りに落ちた城を抜け、美女が眠る寝室までやって来て、彼女にそっとキスをした。

彼女は目覚め、大きく目を見開き言った。

「何よまたブサイクな男。王子様はスラッと背が高く、スマートでハンサムなはずなのに!」

彼女はそう言うなり今やそばに備え付けてある糸車の針で自らを刺し、再び大いびきで爆睡を始めた。一旦動き始めた城の人々は、またもや姫の婚活失敗を歎きながら四度目の眠りについた。​​​​

 







最終更新日  2021.02.07 00:00:18
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2021.02.04
みなさんは「ラプラスの魔」というのをご存知だろうか?これは18から19世紀にフランスの数学者ラプラスが唱えた架空の生き物で、この世のすべての分子の動きをすべて正確に予測する事が出来る、つまりこの世の動きをすべて正確に予測出来る「知性」を仮定した。
この世のすべてを知る事を私たちは「全知全能」と呼び、「全知全能」は則ち「神」である。
ラプラス後、ドイツの生理学者デュ・ボワ=レーモンがラプラスの唱える「神」の定義とも言えるこの「知性」を評して「神」と呼ばず「ラプラスの魔」と名付けたのである。
ところで私はつい先日、国会議事堂の近くにある永田町駅のベンチでこの「ラプラスの魔」さんに偶然隣り合わせたのだが、彼はさすがに私が来る事などとっくにご存知で、偶然でもなんでもなく当たり前の如く挨拶して来た。
「神」に挨拶された私は驚いたが、更に驚くべき事を聞かされたのだ。
「全知全能」の「神」である彼が最近予測出来ないことがあると言うのである。彼が言うには、日本の政治家は言っている事とやっている事が丸っきり逆で、そうかといって逆に予測すると思いもしないとんでもない方向に行ってしまうと言うのだ。
彼はそんな事をボヤキながら、13時35分を5分遅れの半蔵門線永田町駅発押上行き電車に乗り、遅れる事など先刻ご承知で別段気にする風でもなく平然とスカイツリー見物に出掛けて行った。
残った私は彼の話を聞いて素晴らしい事に気付いた。
私たちは「全知全能」の「神」である「ラプラスの魔」でさえ敵わない「神」以上の存在の政治家が治める国に住む、世界一幸せな国民なのである。






最終更新日  2021.02.04 00:00:18
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