2007/04/08(日)21:16
*「中川耀のジャズダイアリー」を読んだら*
「中川耀のジャズダイアリー」はとっても読み易いが、印象深
い言葉が煌めいているジャズミュージシャンとの出会いの記録
が綴られた本であった。
JAZZが勢いを持っていた頃だからかなり前の頃だけど、その頃
有名になっていたミュージシャンは夫々人間として豊かな中身
を人生から汲み出してきていた。そのなかで私が大好きなJACO.
PASTORIUSについて書いている「ワシントン.スクエアの聖者」は
JACOが亡くなる2年ほど前に会ったときの様子が書かれている。
1951年生まれのこのエレクトリックベースの革命児は超絶
プレイと音の独創性+ステージ上での華麗な演奏しながらのステップ
で魅了し、でウェザーリポートに参加した最初から絶賛されていた。
その彼が酒とドラッグのせいで、ホームレスの生活を送っている時に
NYの公園で再会した時のことをこう書いている。(以下引用です。)
でも今の彼はパフォーマーというより、まるで聖職者だった。
ホームレスの聖職者などというと不謹慎なようだけど、イエスだっ
て、アッシジのフランチェスコだって、このような姿で村や町を歩
いたはずだった。
、、、
「自分が知っている世界だけが、存在すると思っちゃいけないよ。
ぼくらには知らないことが山ほどあるんだ。人間に知覚できなく
ても、宇宙にはたくさんの生命体がいるし、それがどんな形をし
ているか、それとも形をもたない意識そのものなのかといったこ
とが、いずれ判る日がくるよ。ぼくは天上の世界で、天使たちが
奏でる音楽を聴いたことがあるんだ。きれいだったなあ」
「音楽家たちは意識していなくてもその音楽をどこかで、夢のな
かとかで聴いて、ある日それを譜面に書き留める。そして自分が
創ったと思い込む。本当は天から降ってきた音を、受けとめただ
けなのに。でも受けとめることができるからこそ、ミュージシャン
はこの地上で大きな使命をもっているんだ」
別れたあとホームレスの人達に1枚づつもらったお金を渡しているJACO
を光をまとっているようだったと書くYOHはやさしくて、知らないうち
に読みながら涙していた。人としてのJACOのことを初めて読んだよ~。
中川耀さんありがとう! JACOのPLAYはこちらのYouTubeから聞けます。
ウェザーリポートに参加当時のJACO
JACOのSOLO PLAY