THIS IS IT 観ました
中学生のときに、仲良しだったまことくんがプレゼントしてくれた、"BAD"。かっこよくてかっこよくて、カセットテープがのびるくらい聴きました。あれから、なんだか悪い話ばかりが先行して、私の中では過去の存在になりかけていたマイケル。今日のスクリーンの中のマイケルは、文句なく、SUPER DUPERでした。超人モンスターでした。最近の私は、自分に課せられた命題について、考えます。私は何を学ぶために生まれ、今を生きているんだろう。全ての魂が、その人生で学ぶべき課題を背負って生まれて来ているとしたら、私とマイケルとに課せられた課題は、何と大きく違うことだろう。同じ時代に同じ地球に生まれた魂同士なのに、こんなにも違う人生ってあるんだろうか。それは、自分の人生は自分しか生きられないんだということじゃないかな。そんなふうに感じながら、観ました。"God bless you!" マイケルは、口癖のようにこの言葉を口にしていました。「神の祝福がありますように」とでも訳すのでしょうか。きっと彼は、その信仰心を支えに、人並みはずれた人生を、強く生き抜いて来たんだろうな。スタッフにダメ出しをした後、すかさず「怒ってないよ、愛だよ、L,O,V,E 」とフォローを入れたマイケル。そのさりげない一言が、痛烈に響きました。彼は、自分の一言が絶対的な影響力を持つことを知っていたのでしょう。自分の一言に、もはや命令と同じ圧力があるのだとしたら、それは、何という孤独だろうか。誰も、逆らわない。何でも、思い通り。世界が自分にひれ伏し、畏れを持って接するとき。それは、何という孤独だろうか。神様だけが、本当に心を開ける、自分を導いてくれる存在であったんじゃなかろうか。彼は、想像を絶する孤独と向き合うことと引き換えに、世界に、音楽を、情熱を、愛を伝えるパワーを手にしていたんじゃないだろうか。映画の中のマイケルは、まるでオーケストラの指揮者でした。あらゆるパートを熟知し、それぞれの役割とバランスを整え、全体像をイメージしている人。微に入り細に入り指示を出しながら、自分の思い描く音楽に近づけていく人。何も始まってないうちから、彼の中では青写真が完成しているのです。「この人の音楽は間違いない」。「この人についていけば大丈夫」。そう思わせる、圧倒的な実力とカリスマ性。映画が終わっても、エンドロールが終了して、会場の照明がつくまで、誰一人として立ち上がる人はいませんでした。天国のマイケルが、今は安らかに、愛に満ちてほほえんでいることを信じます。