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石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

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yosshi1019

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2011.09.12
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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話7 鬼神大王波平行安

[鬼神大王波平行安]
(きじんだいおうなみのひらゆきやす)


鬼の像 京都府


[参考:能登の民話伝説 奥能登地区の昔話] 
方言、表現など分かりやすいように編集してあります


むかしむかし、奥能登の外浦の村に一人の刀鍛冶と娘が住んでいました。この刀鍛冶の願いは、一生涯に一本でも身の震えるような立派な刀を作ること。毎日毎日朝から晩まで槌の音が絶えません。その娘はお金が無いので身なりは粗末でしたが、近くで話してみるとじつに優しく美しい姿、村の若者のほとんどが娘に恋焦がれてしまいました。娘も、もう年ごろ、そろそろ婿を決めてもいいはず。しかし刀鍛冶は決して男との付き合いを許しませんでした。刀鍛冶は優秀な跡取りを求めていたのです。優しい娘は父の仕事に誇りを持っていましたので、父をいたわり、身の世話や畑仕事をしていました。

ある日のこと、一人の見なれぬ若者が刀鍛冶を訪ね、手をついて娘の婿になりたいと申し出ました。見ると目元もきりりとした、たくましい青年です。刀鍛冶は立派なやつだと思いましたが、娘は跡取りにしかやれません。
「お前さん、何ができる?」と聞くと、
「私は刀が作れます。今日一晩鍛冶場を貸していただけましたら、明日までに数振り作って見せましょう。」と答える。
馬鹿を言え。数振りなど作れるはずがない。一振りの刀を作るにはいくつもの仕上げがある。わしでさえ一振り作るのに、急いでも20日はかかるのだ。刀鍛冶はそう思ったが、この男の自信有りげな言葉に、ひとつ試したい気にもなってきた。いざ作らせてみると、口ばっかりのとんだナマクラということもある。また少しでも才能があれば、今後鍛えて跡取りにできるかもしれぬ。
「よし、一晩貸してやろう。娘のことはそれからだ。」
「有難うございます。ただ、私が刀を作っているときは鍛冶場を決して見ないでいただきたいのです。お約束お願いできましょうか。」
刀鍛冶は、妙なことを言うと思ったが、おそらく秘伝の技でも有るのかもしれぬと考えてその申し出を許しました。

男は早速井戸へ向かい、服を脱ぎ、筋肉隆々でふんどし一丁の姿になると、何かを唱え水をかむり体を清めます。それから服を着てさっそうと鍛冶場へ入って行き、戸は全て固く閉じ、窓まで目張りをして中が少しも見えないようにし、間もなくカンカンカンと鉄鎚の音が始まったのです。その音は激しく付近の草木を揺るがすほど、刀鍛冶も娘もうるさくてその晩は一睡も出来ませんでした。

そうして朝になり、刀鍛冶は鍛冶場へ行ってみると、男は鍛冶場の前で寝っ転がっていびきをかいて眠っていました。刀鍛冶はその戸を開けて驚いた。鍛冶場の真ん中に二、三本どころか数十本の刀が積み上げられている。その内の一本を取り上げ目の前にして再び驚いた。なんとも美しい太刀筋。鉄が均一に鍛えられ、ゆがみ一つ無く、先端に行くごとにきれいなそりが出ている。刀鍛冶は身がふるえた。これこそわしが一生涯に作ろうと思っていたものではないか。こいつは、こいつはただ者ではない。刀鍛冶はすぐに結婚を許し娘との祝言をあげ、家のそばに大きい家を建て、二人を住まわせました。家のお金はその刀を数本売って作りました。なにしろ町へ持ってゆけば家を立てても、まだ余るくらいのお金になったのです。

こうして何年も経ち、相変わらず男は働き者で娘ともうまくやっていました。男は、本当に娘を大切にしているらしく、娘の幸せな表情でそれが分かります。この幸せをこわさないため、刀鍛冶も娘も鍛冶場を見ないという約束を固く守っていました。

しかしある日のこと、娘が父にこう言うのです。
「夫にはとても良くしてもらって毎日もったいない気持ちでいっぱいです。でも夫婦にかくし事が有ればやはり不安なもの。一生を遂げる夫婦として、やはりあの方の全てを知っておきたいですわ。」
刀鍛冶はもっともだと思いました。それに同じ刀鍛冶として、いつか男の素晴らしい技を見たいとも考えていました。
「よし、あの男もお前にはやさしいやつだ。少しぐらいのぞいても、お前の心根を知って笑って許してくれるだろうよ。」
そうして二人はでかい槌音のなる鍛冶場へ忍び寄っていきました。勝手知ったる鍛冶場。2、3の節穴のありかは分かります。二人はその節穴からそっとのぞいてみました。途端に二人は腰を抜かすほど驚きました。そこには筋骨隆々としてツノの有る一匹のでかい赤鬼が、目をらんらんと光らせて、口から火をごうごうと吐き、鉄を真っ白に溶かしていたのです。溶けて火炎を上げる鉄をそのまま手でつかみ、グルグルと飴のようにねじ曲げる。そのあと両のこぶしでカンカンカンとものすごい勢いでうちたたき、真っ直ぐにする。二人とも思わず声を上げそうになり、ほうほうのていで自分の家へ逃げ帰ってきました。

次の日、刀鍛冶と娘は男を呼び、申し訳なさそうにこう言いました。
「お前のおかげで我が家もここまでになれた。本当に感謝してもしきれないほどだ。しかし、残念だが今日かぎりにしてくれないか。」
「なぜです!」
男は驚いて叫びました。
しかし、刀鍛冶と娘は下を向いて答えることができません。
「さては!・・・わが身を見てしまったか!・・・」
男はそう言って娘を見つめると一筋の涙を落としました。
そしてすっくと立ち上がり、戸を開け風のように鍛冶場へ走ります。走る間にみるみる筋肉が盛り上がり、皮膚が赤く、目玉が光り、ツノが生え、一匹の赤鬼の姿を現したのです。鍛冶場で赤鬼はあたりの刀をざっとさらい、脇に抱えてあっという間に海の上を走り去ります。鍛冶屋は岸へ走り出て、
「おおい、娘に何か形見を置いて行ったらどうだ。」
と叫ぶと、赤鬼は急に止まり、かなたから刀を一本放ってよこします。刀鍛冶がそれを抜き取ってみると刀の銘(作った人の名前)がありません。
「おおい、この刀には銘が入ってないぞ。」と叫ぶと再び急に止まり、一瞬に戻ってきて、刀を取り戻し、また風のように走り去り、爪で何やら書いて放ってよこします。そこに書かれた銘は「鬼神大王波平行安」。その後二人の前に男は二度と現れませんでした。

(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県民話・伝説 目次]

(能登の民話伝説 奥能登地区より)
その後、刀鍛冶の子孫は代々その村で刀鍛冶をしていたそうです。その子孫が、鬼と娘の間の血筋なのかどうか、今となっては定かではありません。剱地(つるぎぢ)という地名はこの物語が由来で名付けられました。鬼が体を清めたという井戸は今でも残っているらしいです。不思議にも、この井戸の底は海とつながっているのか、海が荒れた日には水面に海藻が浮かぶとのことです。


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(グーグルマップ)→ 石川県輪島市門前町 剱地

□□輪島市剱地宿泊施設□□
上の2軒は楽天トラベルと契約が有りませんので詳細は不明です。ご希望の方は電話にてお確かめください。
民宿 今村荘....剱地内 0768-45-1318 詳細不明
旅館 定梶屋....剱地内 0768-45-1020 詳細不明
能登門前ファミリーイン ビューサンセット 7~8km



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Last updated  2014.05.08 22:53:24
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