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石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

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yosshi1019

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2011.09.17
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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 芋掘り藤五郎

[芋掘り藤五郎]
[参考:金沢の地名伝説より]

むかしむかし、加賀の山科(やましな)と言うところに藤五郎という若者がおりました。毎日山に入って山芋を掘ってきて生活していました。この藤五郎、朝から夜までよく働くのですが、いつも貧乏でした。それもそのはず、貧乏で苦しんでいる家を見つけると、どうしても放っておけず、夜中にその家の玄関に山芋を置いてきてしまうのです。

ある日のことでした。大和の国(奈良県)からきたという、生玉方信(いくたまほうしん)という立派な身なりの人が訪ねてきて、こう言いました。
「突然の訪問でさぞびっくりなされたことでしょう。私どもに和子(わご)という娘がおりましてな、この娘は、私どもに子ができなかったものですから、長谷観音(はせかんのん)に願かけをしてやっと授かった子なのです。ところがおよそひと月前のこと、わが枕元に観音様とおぼしき光り輝く方が現れ、『加賀の山科に藤五郎という若者がいる。その方にそなたの娘を嫁がせよ。お前の娘は必ずやこの世一番の幸せ者となるであろう。』と申されるのです。この地は大和から遠くもあり、再び来るのもたいそうですから、さっそく娘を連れて参りました。娘は今、宿にとどまっております。どうかわが娘をもらってやってください。」
藤五郎は驚いて言いました。
「生玉様、私も嫁が欲しいとなんども思いましたが、ご覧のとおり貧乏です。村の方々でさえ、私をむこにしようと思うものはおりません。生方様の娘様ではあまりに身分が違います。きっと私の貧乏には耐えられないでしょう。」
すると生玉氏は藤五郎へにじり寄り、
「身分などどうでもいいではありませんか。私は娘がこの世で幸せに暮らすことのみを願っています。観音様はあなたをすすめるのです。お金は私ができるだけお手伝い致します。どうか、どうか、まずわが娘 和子に会ってやってください」

次の日、生玉氏は、娘をカゴに乗せ藤五郎の家へやって来ました。たくさんの従者がいたのですが、藤五郎に迷惑になるだろうと、宿に控えさせました。
娘がカゴを降り、顔を見せた時、藤五郎は驚いてつい下を向いてしまいました。なんとも美しい娘です。自分の服装や住まいが恥ずかしく、どこかに逃げていきたい気持ちでした。
ところがその娘は藤五郎の前に走り出て、にこやかに笑ってこういうのです。
「うわあ、素敵、ここは私が小さい頃から夢に見ていたところにそっくり。夢で一緒に遊んだ方も籐五郎さんにそっくりだわ。籐五郎さん、今日からどうぞよろしくお願いします。」

こうして二人の生活が始まったのでした。和子はたくさんの家具や持参金を持って来ましたが、籐五郎は、やはり貧しい人を見るとどうしてもそのままにしておけず、みんな分け与えてしまいます。和子はそんな籐五郎のやさしさが気に入り、一緒になって分けますので二人はいつも貧乏でした。和子ははじめ貧乏な生活にかなり戸惑っていましたが、やがて馴れてきて、二人仲良く暮らしていました。

ある日のこと、和子の大和の実家から砂金の入った袋を送ってきました。和子は大喜びで籐五郎に渡し、食べ物や服など買ってきてくれるよう頼みました。籐五郎がずしりと重い袋の中を覗いてみると金色の細かい砂のようなものが入っています。こんなものが食べ物や服に変わるのかな、と不思議でした。とにかく店でこれを見せればいいんだなとさっそく出かけました。

道を歩いている途中のこと、田んぼの中でたくさんの雁が騒いでいました。籐五郎は今日の晩のおかずに一羽捕まえようと思い、小石を探しましたがなかなかみつかりません。早くしないと雁が飛び立ってしまう。ついふところの中の砂金をつかみ、力いっぱい投げつけてしまったのです。雁は金色に輝いてバアッと飛び立ちました。しかし、そのあとを調べても一羽の雁も落ちていません。砂金の袋を見つけましたが、なかには数粒の砂金しか残っていません。籐五郎は仕方なくうちへとぼとぼと帰ってきました。

訳を聞いて和子はひどく悲しみました。
「あなた、あれだけの砂金が有れば、当分の間、もっともっと幸せな生活ができたのよ。それに、困っている人を何人助けられたことでしょう。あれはたくさんの人たちが川をさらって毎日少しずつ見つけ出した大変貴重なもの。なんてことをなさるのですか。」
しかし、籐五郎には、和子がこれだけ悲しむ理由が分かりませんでした。
「あんなものはどこにでもあるぞ。芋を掘っているとゴミのようにくっついてくる。」
「本当ですか。」
「ああ、なんなら明日いっしょに掘ってみようか。」

次の日、二人は山へ行き、山芋を二、三本掘ってみて、和子はびっくりしました。土に混じってキラキラ光る粒があります。その芋を近くの泉で洗ってみると桶の中にその粒がいっぱいたまります。それはまぎれもない砂金でした。籐五郎夫婦はそれから大金持ちになりました。しかし、砂金がたまると貧しい人にほとんど分け与えるので、二人の生活はちっとも変わりません。でも人々は二人を「芋掘り長者様」と呼び大切にしましたので、二人はじゅうぶん幸せで笑顔が絶えませんでした。確かに観音様のおっしゃったとおり、この世一番の幸せ者だったのかもしれません。

(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県昔話 目次]

この芋掘り籐五郎は、金沢の地名発祥の物語です。物語の通り、むかしは砂金が豊富だったそうです。生まれた山科には芋掘り藤五郎神社、寺町寺院群の伏見寺には籐五郎夫婦の墓、また、籐五郎夫婦が砂金を洗ったという泉は、昔から「金洗いの沢」と呼ばれ、前田利家がこの泉の名から地名を金沢と名づけました。現在の兼六園のそば金沢神社のかたわらにあり、その後、金城霊沢(きんじょうれいたく)と名前を変えましたが、今でもこんこんと水が湧き出ています。

[金沢市山科 芋掘り藤五郎神社]


[寺町 伏見寺]
ここに芋掘り藤五郎のお墓が有ります。 

藤五郎さんのお墓です。鉢に50円玉がいくつか入っていました。

芋掘り藤五郎さん。和子さんも一緒に作ったら良いと思いますけど。


[金城霊沢]
「金洗いの沢」。金沢神社を少し行くと見えてきます。

今でもこんこんと清い水が湧き出ています。


□□周辺宿泊施設□□
お墓の有る寺町伏見寺は、金沢駅からバスで20分程度、繁華街片町から近いです。山科町 芋掘り藤五郎神社は大乗寺の近く、すぐ周辺には宿はみつかりません。
[金沢駅前] [繁華街] [中心街] [郊外]

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Last updated  2015.03.24 18:39:50
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Re:石川県の昔話13 芋掘り藤五郎 金沢の由来(09/17)   ろーずまりー0347 さん
こんにちは。

金沢の地名の由来はそういうことだったのですね。
やさしい籐五郎と和子のお話に心打たれました。

(2011.09.17 16:09:55)

Re:石川県の昔話13 芋掘り藤五郎 金沢の由来(09/17)   HANG ZERO さん
金沢の由来は、こういうことなんですね。
正直ものは...
いいことありますね。 (2011.09.17 16:31:41)

Re:石川県の昔話13 芋掘り藤五郎 金沢の由来(09/17)   みみりん☆☆ さん
「金洗いの沢」で「金沢」になったんですね~
勉強になりました(^-^)
いいお話ですね・・・
なかなか真似できることではないけどこういう気持ちは少しでも持っていたいものです(^-^) (2011.09.17 19:36:51)

Re:石川県の昔話13 芋掘り藤五郎 金沢の由来(09/17)   EnjoyLife65 さん
こんにちわ。懐かしいお話を読んで、胸がキューンとなりました。私は芋ほり籐五郎が住んだと言われる山科の近くにマンションを持っています。金沢神社も金城霊沢も良く知っています。受験の時は兼六園にある金沢神社でお守りを貰いました。もう、4年半も離れてしまった「ふるさと金沢恋しさ」が一段と募りました。 (2011.09.19 08:19:40)


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