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2015/05/28(木)05:25

石川県の昔話20 八田のヘビ池 七尾市

石川県の民話 伝説(56)

石川県の昔話20 八田のヘビ池 [八田のヘビ池] [参考:能登の民話伝説より] 方言など分かりやすいように改変してあります。 むかしむかし、能登地方が大変な干ばつに襲われたことが有りました。田畑はカラカラに乾き、土はひび割れ、作物は全てしなびてしまいました。村人たちは必死の思いで雨乞い人を頼みましたが、何度やっても雨一滴落ちてきません。 人々が集まり話し合っていたとき、飯川光善寺の法印のことを言う人がいました。あのお方は一風変っていなさる。そのお顔つきは鋭く、一心に仏の修行を欠かさぬ毎日。飲んべの坊主とはえらい違いじゃ。あのお方なら法力もきっと強いに違いない。そうして次の日、村人たちは飯川の法印のもとを訪れ、今回の干ばつの祈願をお願いしたのです。 法印は快く引き受け、八田の池のそばにヤグラを立てるように村人へ指示しました。ヤグラができあがると法印はその上に登り、数珠をじゃらじゃらこすりあわせ、お経を高らかに唱えだします。一日、二日と変わったことは起こりませんでしたが、三日目のこと、激しく祈る法印の数珠がぷつりと切れ、手から離れて池の中へと落ちて沈んでいきました。法印はヤグラの上から池を覗き込み、 「あれは大事なもの。取ってこなくてはならんのう。」 そう言い、ヤグラを降り、法衣を脱ぎ、村人たちが止める間もなく水の中へざぶんと飛び込んだのです。 その法印、すぐ上がってくると思えばなかなか上がってきません。村人たちが心配してオロオロして見ています。もう長い時間が経ちました。人ならばとっくに息が止まっているはず。そうして村人たちが法印の命をほとんど諦めかけたころ、法印がどぼりと水の上に顔を見せました。村人たちはびっくりして言います。 「これは法印様、安心しましたぞ。いったいどこまで行ってらっしゃいましたか。」 法印はにっこりとして、  「心配かけてすまなかったな。この池の主と会っておったのじゃ。飛び込むとすぐ階段のようなものが有った。そこを降りていくと、それがでっかい蛇の背中であることが分かってきた。向こうに見える巨木と思っていたのが、よく見ると蛇の頭であった。その喉元近くにこの数珠が引っかかっておっての。」と答えます。 村人たちは驚き恐れてその先を聞きたがりました。 「わしはその大蛇の目を数刻にらみつけておった。だがこうしたことは意志の強い方が勝ちじゃ。負けてはならぬと胸に経を唱え意志を集中していたら、大蛇は急に目をそむけ、ずるずると長い身を引きずり、わしから離れて行きおった。」 法印さんはそう言い、再びやぐらへ登り、経を唱え始めました。すると、今日までカンカンの日照りだったのが、急に雲が出て日がかげってきました。やがてポツリと一滴の雨が落ち、その後薄い小雨が降り、それは次第に激しい土砂降りになって数日続きました。村人の喜びはいかばかりか。みんな泣きながら外へ走り出て、降り注ぐ雨に身をぬらし、空を仰いで手を合わせたのです。この雨で能登は生き返ったのです。おそらく法印の法力であの大蛇が池を離れ、元いた天へ帰ってしまったのでしょう。 (文責:津幡町 吉田恵一) [石川県昔話 目次] [飯川(いがわ)町 摩尼山・光善寺 北陸不動尊十番札所] 天狗が住むというケヤキが有る飯川神社のお隣です。 (グーグルマップ)→ 石川県七尾市 八田町 □□七尾市光善寺宿泊施設□□ 光善寺周辺には宿がありません。七尾市街地から5km程度です。 → [七尾市] ☆☆☆ 石川県 旅館 ホテルご紹介☆☆☆ [金沢駅前] [金沢繁華街・中心街・郊外] [河北郡] [七尾市] [鳳珠郡能登町]   [能登町 農家民宿] [珠洲市] [輪島市 (1) (2)] [羽咋郡] [羽咋市] [白山市]  [小松市]  [加賀市] どうぞ きまっし石川→ホームへ戻る

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