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石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

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yosshi1019

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2011.10.02
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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話28 茶の尾の狐

[茶の尾の狐]

[参考:津幡町ホームページより]
分かりやすいように方言、表現を改変してあります。


むかしむかし、寒い冬のこと、津幡町杉瀬(すぎのせ)の狐が山の中でエサを求めてうろついてると、フナがどっさり入った袋をくわえた、かほく市七窪(ななくぼ)の「おまん狐」にばったり出会いました。杉瀬の狐は驚いて言います。
「おいおい、そのフナはどうした。どこでそんなに捕れるんじゃ。わしにも捕り方を教えてくれんか。」
食べ物が少ない冬、これだけのフナが有れば一冬過ごせそうです。
「まあ、そんなにせくな。お前には日頃世話になってるし、いっぺん教えてやろうかの。明日の真夜中河北潟(かほくがた)まで来いや。」
 
次の日夜おそく、杉瀬の狐は喜びいさんで河北潟へ出かけました。七窪の狐のフナのとり方は、尻尾を稲の穂に化かして水に垂らしていると、フナが食いついてくる。それを一気に引き上げればフナがぞろぞろ上がるというもの。杉瀬の狐はなるほどと思い、さっそく湖面の雪に穴を開け、稲穂に化かした尻尾を垂らしました。冬の水はとても冷たくて、ブルブル震えながら天を仰いで待っておりました。

しかし、なかなかフナが食いついてきません。杉瀬の狐はたまらず声をあげました。
「おい、いつになったら食いつくんじゃい。これではこごえ死んでしまうぞ。」
「まてまてもう少しじゃ。フナが集まってきてるわい。」
「さ、さぶい。さぶいぞ・・・」
どうしてもフナが欲しい杉瀬の狐はガクガクと足を震わせ、意識もうろうとしながら待っておりました。家には3匹の可愛い子どもたちが父ちゃんのおみやげを心待ちにしているのです。

そのうち東の空もだんだん明るくなってきました。ふと気がついてまわりを見渡すと、おまん狐の姿がありません。あれっどうしたのかなと思って遠くを眺めると数人の漁師の姿が見えます。これはいかんと杉瀬の狐は尻尾をあげて逃げようとしました。ところが尻尾が凍りついて抜けません。うううっとどんなに気張ってもびくともしないのです。
「ああっ、しまった! これはやられた!」
と、杉瀬の狐は気づきましたがあとのまつり。どうにか抜こうと暴れに暴れていたところ、とうとう漁師に見つかり、向こうから棒を持って走ってくるではないか。そこで杉瀬の狐は泣く泣く尻尾を半分引きちぎって命からがら逃げ帰ったのです。
「おのれ、おまんの奴め!」
杉瀬の狐はくやしくてくやしくてなりません。
「この仕返しは必ずしてやるからな。」

やがて春になり、杉瀬の狐の尻尾の傷も少しずつ治ってきました。しかし、以前のようにふさふさとした立派な尻尾ではありません。先っぽに茶色の毛がちょろちょろ生えてみっともないものでした。仲間はそれから杉瀬の狐を「茶の尾の狐」と呼ぶようになりました。

あるとき、茶の尾の狐が山をうろついていた時、下の道を加賀の殿様の行列が通り過ぎました。茶の尾はヤブに隠れて通りすぎるのを待っていると、ふと近くにおまん狐の姿を見つけました。茶の尾の狐は何かいいことを思いつき、行列が通り過ぎたあと、おまん狐に近づいて前の恨みも忘れたようにこう言いました。
「おお、おまん、久しぶりだな。さすがに加賀の殿様、すごいもんだ。ひごろわしらを追いかけ回す馬方や百姓たちがはいつくばっとる。」
「そうだな。お付きの侍たちもいかにも勇ましくていいもんだ。」
「おっ、そうじゃ、思いついたぞ。わしらこの近辺の者が大名行列に化けてお前に見せてやろうか。ただ、お前にも見破れんほど立派だったらお前たちの食い物を少し分けてほしいな。」
「なるほどそれは面白い。ぜひ見せてくれんか。そんときは七窪の狐どもをみんな引き連れて見に来てやる。すぐ見破れるつまらんもんだったらお前たちの食い物を頂くぞ。」
「いいとも。それじゃ近辺の狐どもに知らせて、さっそく練習を始めよう。準備ができ次第お前たちに知らせるから待っといてくれ。」

茶の尾の狐はそれから、あちこちの狐たちに大名行列が通る日を知らせてくれるようお願いしました。やがてひと月ほどたったころ、大名行列が通りかかるという知らせが入り、今こそ恨みを晴らせると、おまん狐に知らせました。
「カゴのまわりの侍は、宮谷、浅田、七野、竹橋、東荒屋、井野河内の連中じゃ。わしはカゴに乗ってふんぞり返っているから、カゴを開けてよく見てくれ。」
おまん狐たちはさっそく数十匹の仲間を引き連れて道の脇の小山にやって来ました。自分たちの食い物はやりたくないので、どこかでケチをつけて反対に食い物を取り上げてやれと待ち構えていたのです。

やがて大名行列が「したにー、したに。」と声を張り上げて坂を上がり、おまん狐たちの下を通りかかりました。それを見ておまん狐は驚いた。これは前の行列より数段立派じゃないか。勇ましい数十人の侍たちが左右を守り、美しい模様の立派なカゴがおごそかに運ばれていく。
おまん狐は思いました。
「これはすごい。わしらには絶対真似できん化け方じゃ。あとあとこいつらを利用して人をだませば役に立つ。少しぐらい食い物をやって飼い馴らしておいてもいいな。」
おまん狐たちは山を駆け下りて行列を取り囲み、
「おい、杉瀬の、さすがに今回はこちらの負けじゃわい。さっそくわしらの食い物をやるから早く元にもどれ。」
そう言ったからたまりません。カゴのまわりの侍たちがざっと刀を抜き、一瞬にして狐どもをばったばったと切り捨てていきます。
「これはやられた。」と思う間もなく、数匹残ったおまん狐たちは、宇野気(うのけ)の方へ逃げ去り、その後見かけなくなったそうです。

杉瀬には今でも「だまし坂」と言う場所が残っており、近くには狐穴がいくつか有ります。

(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県昔話 目次]

河北郡津幡町は、金沢市の郊外、富山県との県境に位置する町です。近辺には本州最大規模の石川県森林公園、河北潟、日本三大不動尊の倶利伽羅不動寺が有ります。津幡町の地図をご紹介します。リンクするのは失礼だと思いますので、矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けてそのトップをご覧ください。
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Last updated  2014.05.07 21:48:31
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