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石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

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yosshi1019

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2011.10.11
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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 才田の狐

[才田の狐]

[参考:金沢のむかしばなしより]
狐の恩返しのお話を分かりやすいように方言、表現
を変えて再創作したものです。ご了承下さい。


むかしむかし、金沢の才田というところで山火事があり、木がほとんど燃えて丸坊主になってしまいました。山の動物達はエサが無くなり、仕方なく人里近くへやって来て畑を荒らして行きます。村人たちはそのつどクワで追い回したり、罠を仕掛けて退治しておりました。

その頃、才田の山にいた狐が数匹の赤ちゃんを生みました。しかし、山には食べ物がほとんどありません。母狐はエサを求めて山じゅうをかけ回りましたが、ここ数日何もみつかりません。赤ちゃんは次々と死んでいき、とうとう残り一匹になってしまいました。そこでその母狐も、仕方なく怖い人里へおりてゆくことにしたのです。

母狐が子狐を連れて畑やあぜ道をウロウロしていた時、向こうからクワをかついだ作兵衛じいさんがやって来ました。母狐は子狐を連れて逃げようとしましたが、子狐は何も食べていないので早く走れません。母狐は作兵衛じいさんの前に飛び出して、うううと一声うなりました。ところが作兵衛じいさん、母狐も子狐もガリガリに痩せているのを見て、
「おお、おまえさん、かわいい子を連れとるのう。だがずいぶんやせておるぞ。山には今エサがないやろ、かわいそうに。しばらくわしが飯を食わしてやろう。」
そう言ってそっと子狐に近寄り抱き上げました。母狐は驚いてクワォと一声吠えましたが、不思議なことにそれ以上抵抗せず、作兵衛じいさんを見上げるばかりです。狐には人間の言葉が分かりませんが、作兵衛じいさんの言葉に優しい気持ちを感じたのでしょう。それに、このままでは子狐は飢え死にしてしまいます。母狐は、作兵衛じいさんに子狐をあずけることにしたのです。

作兵衛じいさんは村外れの家で一人で暮らしていました。村の人から畑を借りて細々と生活していましたが、その間不作も有って何日も食べられないことがありました。それだけにひもじい気持ちがよく分かります。外ではムジナも来るじゃろと、子狐を家の中へ入れ、たっぷり食べさせてやりました。自分の布団のそばに寝かせ、寒い日には毛布を一枚かぶせてやりました。母狐の方は、毎日作兵衛じいさんの庭へこっそり現れました。作兵衛じいさんもそれに気づいて、残飯を庭においてやりました。

やがて数年が経った夏の頃、子狐は立派な体格に育ちました。そろそろ山もエサが有るだろうと作兵衛じいさんは、庭に現れた母狐に子狐を返してやったのです。しかし、2匹の狐はそれからもたびたび作兵衛じいさんの家の庭へ現れました。それで作兵衛じいさんは残飯を2匹分用意しておくことにしました。

ある日のことです。作兵衛じいさんが朝起きようとしたら体の様子が変なのです。グルグルとめまいがして立ち上がることができません。ううむと、はいずってどうにか便所へ行ってきましたが、そのあと布団の中に倒れ込んでしまいました。このままでは食事を作ることができません。作兵衛じいさんは死を覚悟しました。
「やれやれ、わしもとうとう女房と子供のところへ行くことになったか。もう75じゃからのう。わしみたいもんを、よくこんなに長く生かしてもろたもんじゃ。」
布団に寝転んで目をつむっていると、今まで生きてきた思い出が次々と頭に浮かびます。そしてそのままとろとろと、眠ったり目覚めたりを繰り返しておりました。

そうして二日が過ぎた時、作兵衛じいさんが目覚めたら、どこからかやさしい香りがします。ふと枕元を眺めると、なんと、おいしそうに熟したいちじくの実が三つ、畳の上に転がっていたのです。
「おお、これは・・・これは、きっとあの狐に違いない。」
作兵衛じいさんは、ふるえる手でその実を取り上げて、押しいただいて口にほおばると、甘くておいしくて口の中でとろけるようです。
狐たちは次の日も次の日も木の実を持って枕元へやって来ました。栗の実、熟し柿、山ぶどう、あけび。それらを食べているうちに、作兵衛じいさんの体は少しずつ良くなってきたのです。やがて立ち上がれるほど回復した時、狐たちに涙を流してこう言いました。
「ありがとうよ。ありがとうよ。お前たちの持ってきてくれたものはどんなにうまかったか。わしもお前たちに報いるために、もう少しだけ長生きしたくなったぞ。」

体が元通りになった作兵衛じいさんは、残りの一生を狐たちのために使おうと思いました。そして、畑仕事の合間にあちこちの村人たちをたずね、この二匹の狐のことを話して回ったのです。狐は今まで悪ものとばかり見られているが、人より情が深いこんな狐もいるんだぞと知らせたかったのです。たくさんの人々がそれを聞き、狐を見ると作兵衛じいさんのところの狐じゃないかと大切にするようになりました。また中には狐だけでなく狸もムジナにも情が有るんだと知って、他の動物達も大事に扱う人々も増えてきたそうです。

(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県昔話 目次]

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Last updated  2014.05.07 13:58:41
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