|
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話52 真夜中のひそひそ話 2014年4月9日更新
[真夜中のひそひそ話] [床の間] [参考:中能登町の民話より] みなさん知っていましたか。人が寝静まる真夜中、一軒の家の中にはたくさんのひそひそ話が有るのですよ。今日は、眠ったふりをしてその声をこっそり聞いてみましょうね。 時計の針が2時を過ぎ、内も外もしんしんと静かになった頃、聞こえてきた。聞こえてきた。家じゅうの木たちが床の間の柱に何かワイワイと話しかけています。 「お前はいいなあ。部屋の一番目立つ場所で、大事にされて。」 「そうだとも。掃除の時一番に磨かれるのはお前だぞ。」 もっとも嘆いているのは壁に塗り込められている板です。 「あんたらみんな床の間の柱をうらやましがっているが、外にいて人目につくだけまだいいじゃないか。おれなんか縄で縛られ、泥を塗られて一生人目につかんのだ。」 その時床の間の柱が静かにこう言いました。 「まあまあ、家にはたくさんの木が有って、それぞれ一軒の家に無くてはならんもんばっかりや。わしは確かに大事にされておるけれど、それは飾りやからの。家のためになっていることでは他の柱と一つも変わらん。」 床の間の柱は一息ついてまた言いました。 「わしは、トイレの踏み板を見ていて立派じゃと思うとる。毎日臭い場所で泥足に踏まれて文句も言わず頑張っているじゃないか。かと言って代わってやるわけにもいかんやろ。変になって家の中を台無しにしてしまう。それにトイレの踏み板はこの家の生活を守る大切な役目がある。壁に塗りこまれている板も一緒や。人から見えん言うてもこの板が無かったら壁がたちまちくずれてしまう。わしは、見えんところで人の役に立つのがもっとも大切と聞いているぞ。みんな、木それぞれの役目が有るんや。協力してこの家を守っていこうやないか。」 床の間の柱の話にみんないっせいにうなづきました。やがて東の空が薄明るくなってきて、鳥の声が聞こえるようになる頃、家のひそひそ話はだんだん小さくなっていき、その日は素敵な朝になりました。 (文責:津幡町 吉田恵一) [石川県昔話 目次] 中能登町良川の地図をご紹介します。矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けてそのトップをご覧ください。 (グーグルマップ)→ 中能登町 良川駅 □□中能登町良川周辺宿泊施設□□ 中能登町の宿は全て楽天と契約がありません。ご希望の方は電話にてお確かめください。 木幡屋..............100m 0767-77-2373 詳細不明 民宿 びっくり........6km 0767-76-0576 詳細不明 カンガルーホテル.....6km 03-3872-8573 本社東京 素泊3300円 ☆☆☆ 石川県 旅館 ホテルご紹介☆☆☆ [金沢駅前] [金沢繁華街・中心街・郊外] [河北郡] [七尾市] [鳳珠郡能登町] [能登町 農家民宿] [珠洲市] [輪島市 (1) (2)] [羽咋郡] [羽咋市] [白山市] [小松市] [加賀市] どうぞ きまっし石川→ホームへ戻る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[石川県の民話 伝説] カテゴリの最新記事
こんにちは。
家を作っているものに無駄は無い、いいお話ですね。 私のようなものでも見えないところで役に立っているということでしょうか、辛い気持の毎日でそれを忘れてしまいそうだったところにいいお話を聞かせて頂いて、また、頑張ろうって気持になりました。 (2011.10.27 14:05:23)
このお話も絵本にしたら楽しそうですね~^^
今の絵本に「クレヨンの黒くん」ってのがあるんだけどどんどん使われる他の色に比べて黒くんだけは使われずに残ってる・・ってお話なんですが それを思い出しました^^ みんなそれぞれが大切♪ いいお話です(^-^) (2011.10.27 21:23:02)
|