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石川県の民話 伝説

2011.10.30
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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 山姥と三人の女の子

[山姥と三人の女の子]
[参考:中能登町の民話伝説より]
方言や表現を分かりやすいように改変創作してあります。

[百怪図巻より 山姥]


むかしむかし、あるところに三人の幼い女の子が住んでいました。お父さんもお母さんも亡くなり、両親が残してくれた田畑を村人に貸して生活していました。

ある日、一人の婆さんが訪ねてきてこう言いました。
「お前さんたちゃ、小さい子ばかりで不自由やろ。何でもしてやっさかい、しばらく泊めてくれんかの。」
見ると優しそうな婆さんです。女の子たちは喜んで家に入ってもらいました。いろいろな話もしてくれるし、料理もうまいし、一番下の子はすぐに打ち解けてしまいました。でも、一番上の姉はなかなか慣れませんでした。婆さんに何か嫌な雰囲気を感じていたのです。

そのうち一番下の妹が、婆さんと一緒に寝たいと言い出し、その夜は婆さんと寝ることにしました。姉は胸騒ぎがして、二番目の妹と一緒に、ふすまの穴から息をひそめて婆さんの部屋を覗いていました。すると夜中の1時頃、婆さんがむっくりと起き上がり、眠る妹の顔をじっと見つめます。やがて気持ちの悪い顔でニヤリと笑い、ふところからでっかい包丁を取り出し、赤くて長い舌でべろりとなめるのです。その包丁を妹の上にふりかざそうとした時、姉はガラリとふすまを開けました。
「婆さん、その包丁は何?」
婆さん、あわてて元の表情にもどり、
「あ、うっ、こ、これはじゃな、わしのお守りじゃ。寝る時はいつもこうしてお祈りをしてから眠るんじゃ。」
「うわあ、素敵。それならさぞ立派な包丁ね。私も見てみたい。」
「あ、いいぞ。なんぼでも見せてやる。」
姉は婆さんから包丁を受け取ると、枕を婆さんにポーンと投げつけ、
「婆さんの嘘つき!」
そう怒鳴り妹の手を引っ張って外へ飛び出して行きました。

「こりゃ、待て、待たんか。」
婆さんは急いで三人を追ってきます。
三人は庭のトチノキの大木にスルスルと上がりました。
「おい、わしが何をしたと言うんじゃ。」
「じゃ、そのよだれを垂らした長い舌は何よ。」
「うん?」婆さんは長い舌をジュルジュルしまって、
「ふん、可愛げのない奴らじゃのう。こりゃ、少ししつけが必要じゃわい。今に見ておれ。」
婆さんもその木に上がろうとしました。ところが姉は上から包丁を振り回します。危なかしくてとても上がれません。
次に婆さんは長い竹ざおを持ってきて三人を振り落とそうとしました。姉がその竹を包丁でスパスパ切ってしまいます。
婆さんは小石を拾って投げつけました。三人はトチの実をもいでいっせいに投げつけます。
「いてててっ。」
婆さんは弱ってしまい、今度は猫なで声を出して言いました。
「これこれ、こんな年寄りにそんな乱暴してはならん。どうやったら降りてきてくれるんじゃ。今まで以上に何でもしてやるから降りておいで。うまいもんをいっぱい作ってやるぞ。」
「ほんとに何でもしてくれる?」
「おうおう、何がして欲しい。」
「じゃ、二つだけ言うことを聞いてね。このトチの実をゆでておきたいから、大鍋にお湯をグツグツ沸かして縄でここまで上げてくれる?」
「そうしたら降りてくるのか。」
「ええ、婆さんにあとでおいしいトチの実食べさせてあげるわ。」
「ふんふん、それはうまそうじゃの。」
婆さんは鍋にお湯を沸かして木の上へ上げてやりました。
「さあさあ約束じゃ、降りておいで。」
「あと一つ、まだ言うことを聞いてもらってないわ。」
「なんじゃ、それは。」
「婆さんの正体を知りたいの。」
「正体ってお前、そんなもん見せたら、なお降りてこないじゃろ。」
「ううん、約束は約束。正体見せないと絶対おりない。」
「ちっ、仕方がないガキどもじゃわい。」
婆さんはとつぜん見たこともないけものに変わり、ギャーギャーと木の下で吠えまくります。姉は、
「はい、はい、見せてもらった。今すぐ降りるね。」
そう言って熱いお湯をけものの上にドシャと降ろしました。
(文責:津幡町 吉田恵一)
[石川県昔話 目次]

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Last updated  2014.04.19 22:47:11
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2011.10.29
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話54 天狗のいたずら 2014年4月7日更新

[天狗のいたずら]

[参考:中能登町の民話伝説より]
方言や表現を分かりやすいように改変してあります。


むかしむかし、中能登町黒氏(くろうじ)の人々が、石動山へ泊まりがけの山仕事に行っていた頃、仕事が終わり山小屋で一杯やっていると、どこからかドンタカドンタカ、調子がいい太鼓の音が聞こえてきました。
「ははあ、ありゃ天狗のお祭りやな。なかなか賑やかしくていい。あれを肴(さかな)に飲むまいか。」
一人がそう言ってみんなに酒をついで回っていたら、屋根の上から大声が有りました。

「出そうか。出そうか。」

一人の面白い親父がそれに答えて、
「何を出すんじゃ。出してみい。」
そう言うと、ドドンと屋根をぶち破り、でかくて長い鼻がするすると降りてきて、あれよあれよと見ているうちに、下の囲炉裏の焚き火でジュウと音をたてました。

「アッチッチィー!」

屋根の上の叫び声とともに鼻は急いで上がって行きます。
「ほれみろ、いたずらばっかりするからじゃ。」
「おいおい、天狗、屋根は直して行けやー。」
みんな屋根に向かって文句を言っていたら、おおん、おおんと泣き声が聞こえます。それがまたでっかい声でたまりません。
「おおい、うるさくてかなわんぞ。それくらいで泣くんじゃねえ。そんなもん、ドクダミの葉っぱの汁をつけたらすぐ治る。」
天狗はすぐに小さい声になって、
「やさしいに言うてくれてすまんこってす。このお礼はしますさかい。」
そう言って去って行きました。

次の日、人夫たちが山へ上がったら、その日の枝打ちの仕事がきれいに終わっていました。また、山小屋に帰ってみると屋根の穴もきれいに修理してあったそうです。なかなか律儀な天狗さんです。
(文責:津幡町 吉田恵一)

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Last updated  2014.04.16 20:09:23
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2011.10.28
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話53 大みそかの客

[大みそかの客]

[参考:中能登町の民話より]

むかしむかし、貧しいじいさんと婆さんがいました。明日が正月というのに米びつが空になってしまいました。婆さんは心配して、
「じいさん、これじゃあんまりじゃで、お隣に少し借りてこようかのう。」と言いました。じいさんは、
「婆さん、大みそかに借りに行ったらお隣も困るじゃろ。家に有るもん何でも食べておればいいんじゃねえか。」

そんな話をしていたら、一人の歳をとった汚い坊さんが訪ねてきました。
「申し訳ないが、今日の宿がどうしてもみつからんで弱っとります。どうか一晩泊めてくださらんか。」
婆さんは雪をかむった坊さんの姿を見て、
「あらあ、さぞ寒かったですやろ。どうぞ囲炉裏のそばへ上がらっしゃい。ただ、うちには今米が一粒も無うて、なーんももてなしできんでな。菜っ葉が少し有ったはずじゃ、いま熱い汁でもお作りしますさかい、温まって下んせ。」
「いやいや、そんな大事なものはとても頂けませんぞ。先ほど近くの家でこんな汚い乞食を止めるわけにいかんと追い出されてきたばかりです。どこか土間の隅にでも置いてくださればけっこうです。ところで婆さん、釜が一つ有りますかの。」
「釜は有りますけど一体何になさります。米が一粒も無うて。」
坊さんはにっこりして、
「水をたくさん入れた釜にこの米粒を入れて炊いてください。その上に菜っ葉を一枚載せておくのも忘れずに。」

坊さんがくれたのは3粒の米。こんなものを炊いて腹の足しになるものかと婆さんは思いましたが、一応その通りにやってみました。しばらくすると米が炊けるいい匂いがして釜が吹き上がり、やがてフタを上げてみると釜いっぱいにご飯が炊きあがっているのです。婆さんはおどろいて、
「お坊様、ご飯がいっぱい炊けましたぞ。」と言うとお坊さんは、
「おおそれは良かった。だがおかずが無いとさみしいのう。婆さん鍋は有りますかの。」
と言うので、婆さんが鍋を出すと、
「さっきの菜っ葉の残りが有りましたやろ。その菜っ葉の根っこを入れて、水をいっぱい張って炊いてください。」
婆さんがその通りにすると、坊さんはその中に袋から取り出した小さな粒をパラパラと放り込みました。しばらくするとグツグツといい匂いがしてきてフタをとってみたら、なんと人参、大根、ごぼう、玉ねぎ、カボチャ、ありとあらゆる野菜が鍋にぎっしり詰まって煮えていました。じいさんも婆さんもびっくり、その晩は、じいさん、婆さんが今まで食べたことも無いようなご馳走をお腹いっぱい頂いたそうです。

さて正月の朝になり、坊さんが帰るときこう言いました。
「大変お世話になりました。どうかあなた方の願いを1つだけ言ってください。仏様にお願いしてみましょう。」
じいさん、婆さんは少し考えて言いました。
「わたしら、もう先も長いこと無いさかい、今のままでじゅうぶん。なにも思い浮かばんですじゃ。」
「そんなことは無いでしょう。なんでもいいですぞ。」
その時婆さんが言いました。
「それなら、このジイジもバアバも昔の若いころに戻れたら嬉しいですがの。」
「よし、お聞きしました。」
坊さんはお風呂へ行って、袋から小さな粒を出してパラパラと風呂の中に入れました。
「さあ、お風呂を焚いて入ってください。」
さっそく二人はお風呂を焚きました。婆さんが上がって庭へ水汲みに出ていると、隣のじいさんが不審な顔をして、
「お前さんどなたや。はて、この家には娘さんがいたかのう。」と言います。
「なんかあったかいの。」と婆さんが聞くと、
「ありゃりゃ。お前さんは婆さんかい。一体いつの間にそんな若うなったんや。」
「ええっ。」お風呂には鏡が無いので分からなかったのです。婆さんは急いで水鏡に姿を写して見ました。すると18歳ほどの昔の若い頃の姿に戻っているのです。婆さんはおどろいてじいさんのところへ走って行きました。なんと、じいさんも、二人が出会った頃のりっぱな若者になっているのです。婆さんはじいさんに飛びついて、
「ああ、あの坊さんは願いを叶えてくれたんや。なんてうれしい。これでもう一回、二人で楽しい人生を送れるわ。」
二人はお礼を言おうとそのお坊さんをあちこち探し回りましたが、もうどこにも見つからなかったそうです。
(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県昔話 目次]

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Last updated  2014.05.09 22:21:16
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2011.10.27
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話52 真夜中のひそひそ話 2014年4月9日更新

[真夜中のひそひそ話]

[床の間]


[参考:中能登町の民話より]

みなさん知っていましたか。人が寝静まる真夜中、一軒の家の中にはたくさんのひそひそ話が有るのですよ。今日は、眠ったふりをしてその声をこっそり聞いてみましょうね。

時計の針が2時を過ぎ、内も外もしんしんと静かになった頃、聞こえてきた。聞こえてきた。家じゅうの木たちが床の間の柱に何かワイワイと話しかけています。
「お前はいいなあ。部屋の一番目立つ場所で、大事にされて。」
「そうだとも。掃除の時一番に磨かれるのはお前だぞ。」
もっとも嘆いているのは壁に塗り込められている板です。
「あんたらみんな床の間の柱をうらやましがっているが、外にいて人目につくだけまだいいじゃないか。おれなんか縄で縛られ、泥を塗られて一生人目につかんのだ。」
その時床の間の柱が静かにこう言いました。
「まあまあ、家にはたくさんの木が有って、それぞれ一軒の家に無くてはならんもんばっかりや。わしは確かに大事にされておるけれど、それは飾りやからの。家のためになっていることでは他の柱と一つも変わらん。」
床の間の柱は一息ついてまた言いました。
「わしは、トイレの踏み板を見ていて立派じゃと思うとる。毎日臭い場所で泥足に踏まれて文句も言わず頑張っているじゃないか。かと言って代わってやるわけにもいかんやろ。変になって家の中を台無しにしてしまう。それにトイレの踏み板はこの家の生活を守る大切な役目がある。壁に塗りこまれている板も一緒や。人から見えん言うてもこの板が無かったら壁がたちまちくずれてしまう。わしは、見えんところで人の役に立つのがもっとも大切と聞いているぞ。みんな、木それぞれの役目が有るんや。協力してこの家を守っていこうやないか。」

床の間の柱の話にみんないっせいにうなづきました。やがて東の空が薄明るくなってきて、鳥の声が聞こえるようになる頃、家のひそひそ話はだんだん小さくなっていき、その日は素敵な朝になりました。

(文責:津幡町 吉田恵一)

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2011.10.26
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話51 普光院地獄  2014年4月9日更新

[普光院地獄]

[参考:白山の伝説より]

むかしむかし、越前(福井県)の国に伏魔道士普光院(ふくまどうし ふこういん)という大変悪い山伏がいました。この普光院、山伏の作法もお祈りもほとんど知りませんでした。それもそのはず、生まれた村であまりに乱暴、誤魔化しをするので追い出され、山伏になろうと修行場へ入りましたがそこでもすぐ破門され、各地を放浪していたのです。そして二人の仲間と一緒に村々を訪れて、魔を払ってやると村人たちをおどし、金をふんだくって生きていました。

ある時、加賀の白山近くにやってきたので、俺達も山伏らしくちょっと拝んでくるかと白山へ登ることにしました。やがて頂上に至ると青く輝く素晴らしい池を見つけました。火口湖「翠ヶ池(みどりがいけ)」です。その水の美しさにひかれて池のほとりへ降りて行き、手を浸してみたらじつに気持ちがいい。ところがどうしたことか、その手を上げると、まるでヤケドをしたように赤くなりひどく痛むのです。
「あつつつつっ。」
普光院は急いでまた水につけました。すると一瞬で痛みがとまり、気持ちが良くなります。普光院は手を上げられないで、これはどうしたらいいんだと考えていると、次第に痛みが腕を上がってきました。普光院はそのつど手をさらに深く入れて行きました。やがて痛みが腕だけでなく、胸にも腰にも足にも広がっていきます。ついに普光院は水の中に飛び込んで仲間を呼びました。
「おおい、たすけてくれー。」
仲間がやってきて普光院の体を水から上げようとしましたが、
「おおお、上げるな、痛い、痛いぞ。」
水から出た体の部分が火に焼かれるほど痛むのです。そうして水から赤くただれた顔だけ出した普光院は、
「ちくしょう、一体なんだこれはー!」
と叫び、仲間の手を振り払い水の中に沈んで行きました。
仲間たちはただただ震えて見ているしか無かったといいます。

こんなことが有ってから、この翠ヶ池は別名「普光院地獄」と呼ばれるようになりました。なぜこんなことが起こったかは分かっていません。普光院が神の怒りに触れたのか、それともその時代にたまたま悪い水が溜まっていたのか。今でも白山の地元の人たちは、この翠ヶ池の水に触れてはいけないと語り合っているそうです。
(文責:津幡町 吉田恵一)
[石川県昔話 目次]

白山の火口湖「翠ヶ池」と白山のふもと地区の地図をご紹介します。リンクするのは失礼だと思いますので、矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けトップをご覧ください。
(写真)→ 霊峰白山(2011年8月14日)翠ヶ池
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[白山一里野温泉] [白峰温泉]

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2011.10.25
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話50 菊仙女

[菊仙女]

[参考:白山の伝説より]

むかしむかし、泰澄大師(たいちょうだいし)が法澄(ほうちょう)と呼ばれていた頃のお話です。白山で、もっと厳しい修行をするため弟子二人を連れて山頂を目指していた時、小山の上にポツリと不思議な雲を見つけました。
「あすこには変わった方がいらっしゃるようだ。行って見てきなさい。」
法澄がそう言うので二人の弟子が見に行くと、その雲の下に一人の若く美しい女の人が座って手を組み、目をつむっているのです。弟子たちはどこ村の方か、なぜここに座っていらっしゃるのかといろいろ訪ねてみましたが、すべて「分かりません」と答えます。弟子たちは法澄のもとへ戻り、
「お師匠様も行ってお会いになられては。」
と言うと法澄はほほ笑んで、
「あの方はずいぶん長生きをなさっているようだな。私達とは求めるものが違うのでそっとしておいてあげましょう。」
そう言って先を進みました。

じつはこの女の人、古くから白山に住んでいる不思議な人でした。若く美しいまま年をとらず、菊しか食べません。それで白山ふもとの村人たちは『菊仙女』と呼んでいました。

ある日菊仙女は村人たちの前に現れてこう言いました。
「白山に新しい方が来られましたので私は旅に出ます。今までお世話になったお礼に菊を植えていきますわ。薬になさってください。」
菊仙女が去った次の年、村の近くの野原が菊だらけになりました。村人たちがその菊を煎じて飲んでみると、不思議にも病気がたちどころに治っていきます。これは有難いと、村人たちはその野原にお宮を作って感謝のお参りを欠かしませんでした。

ところがそれから数百年後、白山神社の 知覚坊という僧が、病気を治す菊に目をつけて、これは儲かると白山神社の一つにするよう役人に申し出、年貢や税を取り始めたのです。すると菊はまたたく間に枯れていき、元の草はらに戻ってしまいました。そのお宮も朽ち果てて、現在ではどこにあったかも分からなくなってしまったそうです。
(文責:津幡町 吉田恵一)
[石川県昔話 目次]

白山のふもと地区の地図をご紹介します。リンクするのは失礼だと思いますので、矢印のあとをコピーし、検索窓に貼付けトップをご覧ください。
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2011.10.24
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話49 釣鐘といけにえ  2014年4月15日更新

[釣鐘といけにえ]

[参考:中能登町の民話伝説より]

むかしむかし、お寺のつりがねを作る時、子供をいけにえとして火にくべればいい音が出るという言い伝えが有りました。

能登のあるところにつりがねを作る鍛冶屋さんがおりましたが、いくつ作っても、いくら努力を続けても、なかなかいい音が出ません。その鍛冶屋さんは悲しんで石に座りこみ、空をながめて涙を流してしまいました。
「きっとおれには才能なんて無いんだ。だが、おれからつりがねを取り上げたらもう生きてはおれない。どうしたらいい。」
鍛冶屋は、近くの山へ入って死ぬことも考え、あたりの山々をぼんやり眺めました。

この鍛冶屋には一人の姉がいました。一度お嫁に行ったのですが、子供を連れて出戻ってきて弟の仕事を手伝っていました。その姉が弟の悲しんでいる様子を見て放っておけずいろいろ慰めの言葉を言います。すると弟は、
「これだけやっていい音が出ないと言うことは、あとは子供のいけにえが要ると聞いている。そんな馬鹿なことが出来るか。おれはもう鍛冶屋をやめるぞ。おれにはきっと向いていなかったんだ。」
姉はそれを聞き下を向いてしまいました。でもしばらくして顔を上げ、こう言いました。
「私の子を捧げさせて。あの子は病気がちで、おそらくもう少しの命。お寺の鐘になって何百年も生きられれば本望だわ。」
「だめだ!」
弟は怒鳴りました。
「おれにそんなことができると思うのか!」
姉はそれでも切々と訴えました。
「多分あなたは死ぬまでのことを考えているわ。私がこれだけ世話になっていながらなんにもできないのが悔しいのよ。それに私の子供がお寺の鐘になって、たくさんの人々のお役に立てればこんな嬉しいことはないの。」
二人はそのあとしばらく黙って空をながめておりました。

次の日、鍛冶屋は川で水をかむって身を清め、鍛冶場へ戻り経を上げ、火をごうごうと起こしました。そしてその中へ箱の中に寝かせた姉の子をそっとくべたのです。箱はバキバキと燃え上がり、中から「おかあちゃん!おかあちゃん!」と泣き叫ぶ声が聞こえてきました。弟は涙を流し叫ぶように経を読みます。外で扉に張り付いていた姉も「ああ、ああ」と身をよじって涙を流しています。

弟はまるで鬼のような形相で溶かした鉄を型に流し込みます。そうして出来上がった釣鐘を木の枝につり下げて試し打ちをしてみました。なんと、今まで作っていた釣鐘とは音色が全く違う素晴らしいものでした。ゴーーンと響いたその音はいつまでもおんおんと鳴り響き野山の草木へ染み渡っていきます。

しかし、しかし、二人にはその音が何度聞いても「おかあさーん」と聞こえるのです。

その後鍛冶屋は釣鐘作りをやめてしまいました。その釣鐘を近くの寺へ寄付し、姉と弟二人ともその寺へ出家して生涯子供を弔ったそうです。

(文責:津幡町 吉田恵一)
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2011.10.23
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 長さんと魔物 

[長さんと魔物]

[参考:白山の伝説より]

むかしむかし、白山神社の息子に長さんと呼ばれる遊び人がおりました。ある日、お花見の酒を飲み過ぎて寝込んでしまい、家へ帰ろうと月夜の道を歩いていた時、後ろからヒタヒタとついてくる者がいました。振り向いて見ると若い女の人のようです。こんな遅くに女の一人歩きは物騒だなと思い、立ち止まって見ていると、女の人は長さんの前で顔を上げニッコリとして、
「まあ、やっとお会いできましたわ。ひとめあなたを見た時からお慕いしておりました。今日はなんて幸せな日でしょう。」
そう言って顔を赤らめるのです。

長さんは、その美しい姿におどろきました。月のおぼろな光が女の人の髪や頬、着物を浮き立たせ、その姿からかすかなかぐわしい香りが漂ってきます。長さんはいっぺんでのぼせ上がって胸が高鳴りまごまごしていると、その女の人は顔を近づけ、恥ずかしそうにそっとささやきました。
「私は今ひとり身。一度私の家へ訪ねてきて頂きたいですわ。ご馳走の準備をしておきますので、3日後の今頃ここでお待ち頂けないでしょうか。」
もちろん長さんは固く約束しました。

さて3日後の夜になり長さんがその場所へ行くと、その女の人は、道脇の太い杉の木の陰から提灯を掲げて現れました。その姿、美しさは、はじめて会った日のまま。ただ着物を変えたらしく、白地に赤い花をあしらって前よりいっそうきれいに見えます。
「おいでくださって嬉しい。」
その女の人は長さんの胸に飛び込み、やがて長さんの手をとり、提灯を掲げて山道を登って行きました。

その家はかなり遠い山の中でした。松林を通りぬけ、崖の脇を渡り、かなり歩いた頃、やっと杉木立の下の、明かりのついた小さい一軒家に入って行きました。
「さあ、どうぞ今日はゆっくりなさってくださいね。」
女の人は次々とご馳走やお酒を出してきます。長さんは喜んで、
「うわあ、お前は料理がうまいんだなあ。」と言うと、
「うふふ、今日はあなたのために一生懸命だったのよ。」
長さんはすっかり酔っ払ってしまい、その家へ泊まってしまいました。

それから10日後のことです。家族が心配してあちこち探し回っているところへ長さんがひょっこり帰ってきました。しかし家族はその姿に驚きました。やせおとろえて目付き鋭く、布団にもぐって眠るばかり。家族は、どこへ行っていたと聞きますが、頑として答えません。そして夜になると起き上がり、家族の制止を振りきって家を出ていき夜明けに帰ってくる、そんなことが何日も続きます。そのたびにますます痩せてきて体が弱ってくるのです。

ある日友人たちが心配して長さんに言いました。
「お前は自分の今の姿を分かっているのか。きっと魔物につかまっているに違いないんだ。そんなことを続けていたら、いつかとり殺されてしまうぞ。」
友人たちは一振りの立派な刀を長さんの前に置き、
「いいか、これは魔物が近づくことができない刀。俺たちが、ある神社に奉納されていたのを借り受けてきた。命が助かりたいなら肌身離さず持っていろ。」

長さんは枕元にその刀を置き、布団の中で考えました。
「魔物・・・か・・・確かに思い当たるフシはある・・・あれほど山奥の家、あれほどの美しさ、会った後のこのなんとも言えぬ体の疲れ、そして女が後ろ姿になった時、髪の中にふと怪しい目つきがちらつくように感じる・・・これは危ないかもしれん。」
長さんは友人たちの忠告を受け入れ、山へ行かないことを決めました。そうして2週間ほど過ぎた頃には、長さんの体も元通りになり力がみなぎってきたのです。

ところがある晩のこと、長さんは夢を見ました。見知らぬ長身の武士が刀を振り上げ女の人に激しく斬りつけているのです。女の人は喘ぎながら涙を流し長さんの名前を呼びます。
「長さん、どうかどうか助けて下さい。刀が私を切り裂きます。ああ、あなたを好きになったのがいけないのでしょうか。恋こがれる思いがいけないのでしょうか・・・」
長さんはガバッと飛び起きて、枕もとの刀を見つめました。
「このやろう、おれの恋に手を出すな。」
涙を流して刀をつかみ、背戸の井戸の中に放り込んでそのまま彼女の元へ走り、もう戻ってきませんでした。

長さんの両親は悲しみ、なんとかあの子を助けられないかと白山へ登り願かけをおこないました。すると数日後、髭だらけでごつい体の行者が両親を訪ねてこう言うのです。
「あの魔物を退治せよと神々から仰せつかりました。あの魔物は、今まで死んだ山の動物達の精が寄り集まってできたもの。生きたものの精気を吸い取りながら姿を現しているのです。動物だけにとり憑いていればいいものを、今回は人にとり憑いたのです。残念ながらあなた方のご子息は魔物の世界にひたりすぎて、もはや助けることができません。どうかご承知ください。」

その行者は両親を連れ、山道を上がって行きました。ある杉林に囲まれた洞窟の前に来ると、その前で小さな祭壇を作り、護摩を焚き、洞窟へ向かって叫びました。
「そこの魔物よ。お前は今回人間に手を出した。白山の神々は怒り、お前の体を縛り地獄へ落とそうとやってきたのだ。それで良いのか答えろ。」
すると洞窟の入口からけものの匂いがただよい、やがてゆっくりと一つの巨大な目玉がこちらを見据え、低い声でこう言うのです。
「うう・・・動物たちだけにしておきたかった。だが今回わしは人間に恋をしてしまい、心のうずきをどうすることもできなかった。今この者は、わしの中で安らかに眠っておる。おお愛しい・・・愛しい人よ・・・これからも永遠に大切にしてゆくつもりじゃ。どうか地獄へ落とすのはゆるしてくれないか。これからは動物だけにすることを約束する。」
魔物は一粒の涙を落としました。
行者はその言葉に嘘はないと見抜き、
「よし、地獄へ落とすことは勘弁してやろう。」
行者は刀を抜き、洞窟へ飛び込み、魔物を二つに切り裂きました。胴から下を洞窟の外へ放り投げ他の動物のエサとし、もう一方を山の中へ逃がしてやりました。

洞窟の中から長さんの変わり果てたガリガリの死体が見つかりました。それを運び出して葬り、そのあと洞窟に岩を詰めて封印しました。今でも夜遅くになるとそのあたりで半分になった魔物を見かけることがあるそうです。しかし、人間に悪さをすることは無くなりました。
(文責:津幡町 吉田恵一)
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2011.10.22
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話47 あわたの橋ぐい 

[あわたの橋ぐい]

[参考:能登の民話伝説より]

むかしむかし、七尾に「あわた」という村がありました。毎年、近くの川が氾濫し、田んぼも畑も水びたしになるので大変困っていました。村人たちは何度も相談していましたがなかなかいい案が浮かびません。その時一人の男が立ち上がってこう言いました。
「川の神を鎮めるにゃ、やっぱり人柱を出すしか無いやろ。」
「妙案だがの。一体誰がなるんかい。」
みんなはいっせいに黙ってしまいました。その後いく人かが意見を出しましたが、誰も死ぬのは嫌に決まっています。やがて村人は、こんなことは言い出した者しかいないとその男に迫りました。その男は言い出した手前簡単に断るわけにいきません。家族のことを思い悩みましたが、自分の身一つでこの村を助けることができるのならと承諾したのです。

それを聞いて、その男の家族はひどく悲しみました。しかし、村人全員がもう決めたことです。逆らったら村には住めません。やがて橋げたのクイにくくられて沈んでゆく父親を泣きながら見送りました。

やがて数年がたち、その家族の娘がお嫁に行くことになりました。娘が家を出る時、母親は涙をためながらこう言って送り出しました。
「向こうに行っても何でもしゃべるんじやないよ。お父様のようになるからね。」
娘は黙ってうなづきました。その娘は普段から口数が少なかったのですが、お父さんが亡くなるのを見てから、悲しみのあまり、ますます無口になっていました。

そうして嫁ぎ先で新しい生活を始めましたが、娘はほとんどしゃべりません。夫が何か相談事を話しても、ただ黙ってうなずくだけ。夫はなんとかしゃべらせたいと工夫をしても、下を向いているばかり。そのうち夫はあきれて怒ってしまいました。
「口の聞けない嫁をもらった覚えはないぞ。とっとと実家に帰れ。」
とうとう召使いが娘をかごに乗せ、送り返してしまうことになりました。

途中山道にさしかかった時のこと、一羽のキジがケーンケーンと鳴いてバタバタと山陰を飛び上がっていきました。と、すぐあとドーンと鉄砲の音がしてキジは谷間の方へ落ちて行きました。
その時、黙ってカゴに揺られていた娘が、突然涙を流し、こういう歌を口にしたのです。

「わが父は、あわたの川の橋ぐいに、キジも鳴かずば撃たれぬものを。」

召使いたちは、ああ、村のために死んだあの父の娘かと知って、みな涙を流し、きた道をまた戻って行ったそうです。

(文責:津幡町 吉田恵一)
[石川県昔話 目次]

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2011.10.21
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 酒売り婆さん 

[酒売り婆さん]

[参考:白山の伝説より]

むかしむかし、白山のふもとの瀬戸というところにひどく欲ばりでやり手の婆さんが住んでいました。この婆さん、美女を雇って酒を売り大もうけをしていました。

それで満足しておれば良いものを、もっと儲けてやろうと白山の修行者に目をつけたのです。
「あやつらは小金を持っているくせに、酒が無くてさぞ不自由していることじゃろう。行ってこっそり売りつけてやれば、きっと一儲けできるはずじゃ。」
婆さんはたっぷり酒を入れたカメを背負い、二人の美女にも背負わせて加賀禅定道(かがぜんじょうどう)から白山へ登っていきました。当時白山は女人禁制、女の人が入ると神様からお叱りを受けます。しかしその婆さん、そんなことは気にしません。儲かりさえすればいいのです。

やがて婆さんたちが檜ノ宮(ひのきのみや)という場所を過ぎると、とつぜん空からでかい声が聞こえました。
「婆さんや、けがれたものはこれ以上登ってはならぬぞ。」
婆さんは空に向かって声を張り上げました。
「何じゃと、やかましい! けがれたものとはなんじゃ。あとで見ておれ、痛めつけてやろうぞ。」
婆さんは無視してさらに登り続けました。すると行く手がみるみるうちに低くなり谷へと変わっていきます。
「えーい、なんと意地の悪い神様じゃのう。」

婆さんはブツブツ文句を言いながら谷を下ったり上がったりしてさらに進むと、ついに怒った神様は行く手にさらに深い谷を作りました。美女たち二人は、あまりにけわしい坂道につまづいて坂道をゴロゴロ転がって行きました。転がる途中酒のカメは割れ、美女がしだいに白くなり、とうとう2つの石になってしまいました。
婆さんはかんしゃくを起こします。
「ああっ、これは大変な損害じゃ。神様とやら、この弁償は必ずしてもらうからな。よくおぼえておれよ。」

婆さんは空へ向かって神様の悪口を叫びながら、それでも先を進んで行きました。すると今度は急にゴーッと地ひびきがして、大地が揺れだしたのです。激しい横揺れが婆さんをひっくり返し、あちらこちらへ転がしました。その時、背中のカメがはずれて近くの岩にぶつかり粉々になってしまいました。
「ちくしょうめ、とうとうやられた。もったいないことをする。なんとバチあたりな神様じゃ。」

婆さんはしばらく空に向かってギャーギャーと叫んでいましたが、その後なんの音沙汰もありません。婆さんは仕方なく、とぼとぼと山を降りることにしました。しかし、怒ってしまった神様から逃れられることはできません。どれだけ降りてもふもとにつかないのです。降りているつもりでもいつの間にか元の場所へ戻ってしまいます。そうして三日三晩歩き続けた婆さんは、とうとうあきらめて、
「なるほどそういう魂胆かい。わしを迷わせて殺してしまうつもりだな。それにしても恐ろしい神様じゃ。」
そう言って、急いで美女が石にされた場所に戻り、そのそばでごろりと仰向けに寝っ転がってしまいました。
「さあさあ、石にでも何でもしてくれ。その代わり、このそばを通った坊主どもをこいつらと一緒にのろい殺してくれようぞ。」
神様は確かに婆さんを石にしてしまいましたが、婆さんの強いたたりを恐がり、三人を一緒にするとますます大変だということで、あとでそっと婆さん石だけ違う場所に移したそうです。

この婆さんのたどった道は、名前が付けられ今でも残っています。婆さんが神様に叱られた場所は「しかり場」、美女二人が石にされた場所は「美女坂」、美女二つの石は「美女石」、婆さんのカメが割れた場所は「かめわり坂」、婆さんの石は「婆石」と言います。「婆石」に耳を当ててみれば、もしかしたらまだ神様への文句がぶつぶつ聞こえるかもしれませんね。
(文責:津幡町 吉田恵一)
[石川県昔話 目次]

加賀禅定道は、石川県一里野温泉から白山の山頂まで、18kmの登山道です。婆さんがたどった場所と地図をご紹介します。リンクするのは失礼だと思いますので、矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けトップをご覧ください。
(写真)→ みんなの白山 しかり場分岐
    ↑(写真をクリックすれば拡大します)
(写真)→ みんなの白山 美女坂
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(写真)→ 錦秋の加賀禅定道
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