カテゴリ:カテゴリ未分類
だって父の日だもん。 なぜ父の日にぼたもちなのか。 どこかのテレビのレポーターが牛舎を訪れて 「今日は乳の日。などと」と垂らしたコメントほどにも蓋然性がない。 父はまだ故郷の家にいる。此岸にいる。 まだまだ甘いものに包まれて安らげるような男ではない。 ぼたもち。 べたべたの掌でそれを作った。 この感触を憶えている。 小さいときの泥団子。 それはおままごと用ではなく 小さなたたかう子どもの武器として握られ投げられた。 ・・・・負けたけれども。 連敗戦を父に知られると、ほんとうに勝ちたいなら目を狙え。と父は言った。 次にも次にもわたしは目を狙えなかった。 団子の中に石も決して隠さなかった。 父がそのような言葉をかけることで他者への信頼を明かす人間であったことを わたしは今もちいさく信じている。 ぼたもちぼたもち。 ぱくりと喰べる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年06月19日 11時23分05秒
コメント(0) | コメントを書く |
|