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座 禅 猫

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はじめの一歩(04年9月)

   はじめの一歩 2004年9月


† 逝く友を追うか伸びいる秋の雲 (9/22)

だんな君の同僚が亡くなりました。フットボールや料理についておしゃべりしたこと。そういう小さな他愛も無いことが心にフラッシュしました。空を見上げ何か大きなものに打たれたような秋晴れの日でした。

†毒と呼ばれ紅い蔦の実飾りおり

†黒猫のぬくもり抱く人は無し

†無明へと月は式部を照らしたか (9/23)

和泉式部を思い描いて作ってみました。彼女は平安時代の宮廷歌人。恋多き人でした。真実の愛を求めてほとばしる思いを歌にする式部には、求道歌と呼べるものがたくさんあります。
「冥(くら)きより冥き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端(は)の月」


†常長の強がり芋のへの字口(9/26)

仙台市博物館、支倉常長の油絵は見るものの心を捉えて放しません。遠藤周作の「侍」を読んだのは最近です。ラスト、ぐっと迫ってくるものがありました。

†この夜は汽笛響けり秋の雨(9/26)

†朝寒や猫の爪先立ちで行く(9/28)

†万霊節ジャック・オー・ランタン哄笑す(9/28)

†置物とするには惜しい秋の猫(9/28)

余白さんの「置物として飼うがよし秋の猫」をうけて。その通りと思う反面、惜しくって。抱きしめたくなってしまうのですよ。


〔9月の句〕
まだ、形にするだけで精一杯です。まっさらな状態なのでぽつぽつとは浮かびます。

〔今月のお気に入り〕
「常長の強がり芋のへの字口」

常長さんは、私の頭の中、あのむっつり顔でロザリオを繰っています。もちろん、ふりふりレース襟+大きな指輪姿でです。(^^)




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