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カテゴリ:今日も子供から教えられ
祭日やら、旅行やらで、少し間があき、 久しぶりに参加した自主保育。 娘はいつものように 5歳児のグループと遊ぼうとしたけれど、 なんだかうまく入っていけずに、 仲間はずれにされてしまった。 「あなたは3歳でしょ?遊べないでしょ?」 「あっかんべー」 「あっち行け!!」 娘は負けずに言い返そうとするけど、 そこはまだ3歳のこと。 言葉がうまく思い浮かばずに、支離滅裂。 「そんなこと言ったらーー!! 獅子がきてーーーーもう!! Rちゃんはー!! もう知らない!! あんたたち!! いい加減にしないと!! もう!!」 母から叱られた時の言葉を、 とぎれとぎれにつなぎあわせて、 思いつくかぎりの罵詈雑言を返しているつもりみたい。 とにかく怒りまくっているらしい。 「何言ってんの?」 「お前は死ね!!」 これにはさすがに母も口がでた。 「仲良くしてあげて!! 『お前は死ね』は言ったらあかん!!」 そこで、その子らのお母さんがあわてて、でも静かに 「誰がそんなこと言ったん?」 「それは言い過ぎやで」ときちんと話してくれた。 たぶん、なにかの戦いごっこのセリフの真似であって、 ほんとにRに死ねって言ったわけじゃないんだよね。 親が口を出すのが、早かったかもしれない。 頭ごなしに叱りつけたり、 一方的に謝らせる親御さんじゃなくてよかったな。 その子にもちゃんと 「ふざけて言ったんだよね。 でも、それは伝わらないよ。びっくりするんだよ」って きちんと説明してくれてた。よかった~。 その後、娘は怒りながら、泣きながら、スネながらも、 何度も何度も果敢に挑戦しては、また失敗し、 「ママも~」と母連れで仲間に入ろうとしたり、 それはそれは、涙ぐましくがんばった。 「難しいよなぁ。○ちゃんも6か月かかったしね~」 え?そんなにかかったの? そっか、仕方ないよね。無理することないか。 「今日はママと落ち葉ひろいに行ってもいいんだよ」 「いや!! みんなと遊ぶ!!」 「そう?じゃあもう一回『いれて』って言ってみたら?」 「うん!!」 「い~れ~て!!」 「いいよ~」 やったー!! それからも何度かはみ出したりしながらも、 なんとか、楽しく遊べるようになり、 帰る頃にはすっかり仲良しになっていた。 よかったねー。 田んぼの細いあぜ道を走り回る子供ら。 かわいいなぁ。 『こどものせかい』を大切にするために なるべく口を出さずに、 遠くから見守るということなのだが、 なかなか慣れるまでは難しいな。 「自分の子が仲間はずれにされてるの、見るのはつらいよなぁ」 ほんとだね。泣けてくるよね。 幼稚園に入れてしまえば、こんなのも見なくてすむ。 どうせ親は立ち入れない世界なんだから、 見ないですむなら見ない方がいいのかもしれない。 でも母は見たかったんだな。 だから、自主保育なんだよね。 自分の思うようにならなくて、 泣いたり、傷付いたり、悔しがったりしている子供が、 なぜなのかを理解したり、 または理解できなかったり、 それでも自分を納得させて、 自分で自分の機嫌をなおすという作業は、 子供にとって毎日数分単位、数秒単位でやってくる。 娘は毎日葛藤中なのである。 毎日転んで起き上がっているのだね。 母はそんな姿を見守りたい…というよりも、 その姿に母が励まされる。 Rの力を信じていく自信がつく。 母は何の役にもたてないし、 どうしてやることもできない。 でも、母のためにはなってるよ。 R、ありがとね。 それにしても『見守る』というのは加減が難しい。 見守る距離も難しい。 3歳児のRにはちょうどよい距離だけど、 5歳の子らは、見られていると気になるみたい。 もっと遠くがいいんだろうな。 『こどものせかい』を邪魔しない距離ってどのくらいなのか? 考えるのもなかなか楽しいものだ。 今回も私が口を出したのは、早すぎたかもしれないし、 ちょうど良かったのかもしれない。 言ってはいけない言葉は、誰の子供であろうと 注意すべきだとは思うし。 娘にも「よその子がRに悪いことをしたら、 ママはちゃんと守ってくれる」と思ってほしいし。 あと、娘があんまり怒っているので 「そんな感じ悪い言い方するから、 Rは仲間にいれてもらえないじゃないの?」とか言っちゃった。 これはマズイよね。反省~。 難しいねぇ。 正解はこれ、とは単純に言えないと思う。 いろんな側面からみて、いろんな選択がある。 たとえば今日も、5歳児同士がけんかを始めて、 男の子が女の子の服をひっぱって振り回し、 軽めの蹴りを入れてたのを見て 私が「わーーー!! どうすんのあれ? どこまでがセーフなん!?」と聞くと、 その女の子の母が答えてくれた。 「う~ん。ケガしない程度かな? 臨機応変だけど、今のは5歳児同士だし。 年齢差や、その子の性格とかも考えて…。 ほら、もう終わった。 年齢差があったり、一方的だったり、 子供同士でおさめられそうになかったら、 早めにとめに入るかな?」 なるほど。 定期的な会議で、そういう時の対処のしかたを よく話し合ったりしているそうだ。 大人同士だって、人間関係というのは難しい。 いくつになっても失敗と反省、驚きと発見の連続だ。 だから、こども同士だって、親の見守りだって、 絶対に正しいということはないだろうし、 正解があると思ってしまうほうが危険だろう。 失敗したり、疑問に思ったり、試行錯誤しながら、 そのときの子供と親の『育ち』を糧にしていくしかない。 あああ。 こういうことの入り口に立ったんだなぁ。 娘の成長に驚かされるばかりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 1, 2007 09:45:16 PM
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