テーマ:DVD映画鑑賞(14163)
カテゴリ:映画・読書・TV
『Nothing』
『CUBE』『カンパニー・マン』という面白い映画を手がけた奇才、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督による異色のサスペンスミステリー。面白そうな映画かなと思ってみてみた。 簡単にストーリーを追うと、主人公は引きこもりで極度の心配性の男とその親友の自己中心的で嫌われ者の男の二人。彼らが日常に起こる不条理の連続に怒り、こんな世の中などなくなってしまえばいいという所から、物語は動き出す。 彼らの怒りは、世界を一変させる。勿論彼らが辿り着いた空間は彼らが住んでいた家を除いて、ナッシング(笑)一応、何も無いとはいえ、地面と空気と光は存在してるようで、だからとにかく何処もかしこも白くて、空中と地面の境界線も判別できない空間だが、歩行は可能。ただ、地面の構造が、トランポリンのようになってて、主人公二人ともおっさんのくせして、飛び跳ねたりして遊んでる様はコミカルで笑える。 とまぁ、理由も方法もすっ飛ばして、とにかくこの何も無い世界におっさん二人を送り込む辺りが、CUBEを彷彿とさせる(笑) んで、この有限か無限かも定かではない空間の中で二人は自由気侭に生活する。と言っても、読書やケーブルTVやゲームをしているか、二人ではしゃいでるシーンが目立つ。。というか、電気だけはつながっていてケーブルTVだけ見れて、ゲームも出来るという設定には少し無理を感じるが、まぁ、細かい所を言い出すとこの映画を全否定してしまう事になるのでやめておこう(苦笑) そして、この空間ではとにかく物事を消す事が出来る。例えば、時計の秒針の音が気になった彼らは無くなればいいと思う。そうすると、時計は消えてしまう。こういった物体だけではなく、過去の嫌な記憶、空腹感すらも消す事が出来る。まぁ、ここまで書くと、どういった結末を向えるか想定できそうなものだが、ここも奇才が送り出す作品だけに、結末という観点すら映画を見終わってもナッシングと言うか(笑) 監督はこの作品で何を表現したいのかと問われたら、ドラえもんを思い出す。昔、ドラえもんに、独裁スイッチという道具の話があった。これは、気に入らない人がいたら消せるという道具を使用して、最終的には誰もいなくなってしまうという話。結果、誰もいない世界に嫌気が差して、悲しみに耽る所で、ドラえもんに、この道具はそういった状況を感じてもらう独裁者的思考を持つ人の更生用の道具だと知らされ、反省するという漫画にしてはなかなか考えさせられるストーリーだった。 これと同じような発想の映画だけに、結論としては、自分にとって要らないと除外していったとして、消した世界にはまたしても、要らないものが出てくるという考え方だろうな。結局、この考えを突き詰めると、この世の全て、言い換えれば自らを消し去るまで、要らないものは出現し続けるという。。まぁ、こんな事を書いてて俺の人生に役に立つのかと問われたらこれまたナッシングという事で^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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