等々力善福の雑文書いてます

2006/12/27(水)15:35

南京大虐殺は「でっち上げ」だったのか?

海外(7)

 キーボードで題目の「南京大虐殺」と打ち込んだら、少し気分が悪くなった。 今日は気分の悪くなるお題目です、、、  MSN-Mainichi INTERACTIVEを眺めていたら、今「日中歴史共同 研究」というのが行われているらしい。日本側は肯定的評価を期待できる「戦後史」 を強調したいのに対して、中国側は「戦時中」の日本側の戦争責任の追及を優先 する構えだという。韓国との歴史共同研究でも、そうだったらしいのですが、研究を 始める前から既に認識の違いがあって、それが埋まらないまま研究は終了する らしい。    記事によると、南京大虐殺と従軍慰安婦問題がクローズアップされそうな様相 です。しかし、中国側は南京大虐殺の犠牲者の数を「30~40万人」と主張して いるのに対し、日本側の歴史認識では「数千人」から「20万人」まで諸説あり、 なかには虐殺自体を「でっち上げ」とする声もあるという。  事実としては、両者の主張の中間で、10万人~30万人くらいなのかも知れ ないが、細かい数字はもはや確認する手段もなく、歴史の空白の中に埋もれて います。  一方で、虐殺自体を「でっち上げ」とする声があるというのは、社会学的な興味を 引く事実です。自分の目で見たことはありませんが、確か中国には南京大虐殺 事件を保存する資料館があったと思いますので、そこに集められた写真、映像、 証言、日記、遺骨などの証拠があれば、犠牲者の数はともあれ、事件自体が 「でっち上げ」であるはずはないのです。  想像するに、日本社会においては「南京大虐殺」や「従軍慰安婦問題」は軽い タブーになっているために、報道されたり、話題になったりする事態が最小限に 抑えられているのかも知れません。例えば、日本やアメリカのテレビは、「良い」、 「悪い」ではなく「視聴率」で番組を選定することが広く知られています。「南京 大虐殺」では視聴率は取れないので、放映されない。従って結果的に、多くの 日本人がこの事件に対して無知になることになって、一部の人間は好きなことを 言えるような環境が出来ているとも推測できます。  今年、世界史などの未履修問題で日本は大騒ぎだったけど、世界史の教科書も 読んでない日本人が「世界史を知らない人」にならないで、「歪んだ世界観をもった 人」になっていたとしたら問題ですよね。  私の世代から見ると、祖父、曽祖父の時代の戦争犯罪です。歴史認識を めぐって政治的な論争になっているようですが、歴史家にとって最優先されるべき 史実の保存も難しくなってくる時期ですので、早急に検討されることを望みます。

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