Zero-Alpha/永澤 護のブログ

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【注】

(注1) 言い換えれば、「ハイリスクグループ」が選別される。生活/生命の質を階層化しつつデータ化するQOLや健康寿命といった評価尺度は、こうした状況に深く関わる。なお、「母体血清マーカー検査」についての詳しい規定と問題点の指摘を、1998/10/23厚生省(当時)厚生科学審議会「先端医療技術評価部会出生前診断専門委員会議事録」の28頁から30頁にかけて長谷川委員が行っている。

(注2)一例として、次の2004年3月13日付朝日新聞の記事を参照。

「米国立保健研究所(NIH)は11日、中年以降に発病することが多い2型糖尿病になりやすい体質を遺伝子レベルで突き止めたと発表した。DNAがわずかに違うだけで30%もリスクが高まるという。NIH・国立ヒトゲノム研究所とフィンランド国立公衆衛生研究所などが、フィンランドの2型糖尿病患者793人と、糖尿病でない413人について遺伝情報(ゲノム)を詳しく分析した。その結果、糖尿病患者には、20番染色体の特定の遺伝子の4ヶ所で、塩基の並び方が一つだけ異なる(一塩基多型)人が目立った。別のチームがイスラエルの617人のゲノムを調べても同じ結果だった。この遺伝子はインスリンをつくる膵臓(すいぞう)の細胞で重要な働きをしている。塩基の並び方の違いがあると、インスリンの分泌に異常が起きやすくなるらしい。国立ヒトゲノム研究所のコリンズ所長は「これだけで発病するわけではないが、肥満や運動不足になると危険性が高まる」と話す。1型糖尿病は子供や若い時期に発病しやすいのに対し、2型糖尿病は中年以降に発病することが多い。日本人の糖尿病患者の約9割は2型だ」

(注3) 2004年3月7日付朝日新聞の記事では、次のような問題が指摘されている。「国内大手(製薬会社:引用者付記)は一部が欧米での臨床試験で遺伝子解析をしているが、国内では皆無に近い。「日本では究極の個人情報である遺伝子検査に対する患者の抵抗感が強く、倫理指針がない現状では同意を取るのは難しい」と大手首脳は話す。オーダーメードの時代が、製薬会社の収益をどう左右するかも見えていない(中略)多くは研究開発費が従来よりも増えるのに、患者が絞り込まれ、収益が期待できないのではないかという懸念を持っている」こうした製薬会社の懸念に対して、記事で紹介されている「バイオバンク」プロジェクトリーダーの東大医科学研究所の中村祐輔教授が、「製薬会社が後ろ向きなのは残念(中略)寝たきりの人が歩けるようになれば社会保障負担も減るわけで、医療経済学トータルで考える発想が必要だ」と述べている。

(注4) 以後、『ヒミズ』(ヤンマガKC版)からの引用箇所を、例えば第4巻70頁からの引用の場合、(4-70)の様に表記する。

(注5) すなわち、「無差別テロ」としての「自爆テロ」である。

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