Zero-Alpha/永澤 護のブログ

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共同通信社文化部・左方倫陽氏による加盟社配信取材記事
(2005.3.14 池袋ホテルメトロポリタンにおいて取材。佐方氏が以下の記事にまとめた。)

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近未来は、生活の中で時と場所を選ばずにコンピューターを利用できる「ユビキタス社会」になるといわれている。社会哲学者の永澤 護は、「ユビキタス社会では、「ハイテクノロジーを動員することで「問題ある」要素を持つ人間を排除していこう」とする動きが強まるかもしれない」と考える。というのも、バイオテクノロジーの発達で遺伝性疾患の診断、治療、予防を母体血中細胞、受精卵や初期胚の段階で行えるようになると、問題ある因子を持つ者をあらかじめ「除外」できるからだ。これに高度なIT技術が加わると、地位や職業、所得、住居のほか、個々人で異なる遺伝子レベルの情報までマイクロチップに記録し、管理することも可能になる。既に銀行などは犯罪予防策として、指や手のひらの静脈パターンを記録したカードで個人認証をする方向だ。
「<この私は他人より、生存に値するか>という価値観をベースに、人々は細かく選別され、社会は極度に階層化し、就職や結婚、保険加入で差別や拒否が起こる可能性がある」 言い換えれば、「<この私は他人より、生存に値するか>の答があらかじめ与えられてしまうことになる」
こうした風潮を、永澤は「汎優生主義」と名付けて特徴づける。
 「細かいランク付け社会の重圧に耐えられず、中高年や多くの若者たちが絶望 し、今以上にひきこもったり、精神を病んだりするのではないか。社会から「切り捨てられた」と感じた人々は、生存に値しない=死ぬしかないと思わされ、命を絶つケースが増えることも考えられる」。

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