第十九話「離れ離れ」あの事件のあと、紅蓮たちは町のポケモンセンターに運ばれた。幸い、爆炎は軽症で、すぐに万事屋に帰還、休みの張り紙を張った。 修羅と月光は意識不明の重体、紅蓮は意識こそなくならなかったが、当分の間、安静と言われた。 そして、今日、爆炎は紅蓮の見舞いに来たのだ。 受付をとおり、紅蓮のいる103号室に入った。 「おっす、紅蓮、大丈夫か?」 爆炎はベットの隣の椅子に座りながら言った。 「え・・・、ああ・・・、大丈夫だ。」 「楽しいか?病院生活。」 「暇しかないな・・・、で、どうなんだお前は?」 「俺は大丈夫だよ、ちゃんと休みの張り紙ってきたし。」 「・・・、そっか・・・、で、俺はお前に話がある。」 「何だよ?改まって・・・。」 紅蓮は少しの間をとってから・・・。 「もう、俺にくっついてくるな。」 「なっ!?何だよ!冗談だろ!?」 「冗談じゃない、大マジさ、実家へでも、火星でもいいからどっかいきな。」 「俺は火星人か!?じゃなくて!何だよ!俺はクビか!?」 「ああ・・・、もうテメーの顔も見たくない、どこかにいけ。」 「ちっ・・・、わかったよ!どこかに行けばいいんだろ!」 爆炎は、立ち上がり、乱暴にドアを開け出て行った。 「ちぇっ何だよ、アイツ、俺、どうすりゃ・・・、ん?」 爆炎は、紅蓮の部屋に見知らぬ杖を持ったザングースが入っていくのを見た。 「誰だアイツ?まっ、いいか、俺の知ったこっちゃないし。」 そして、紅蓮の病室内では・・・。 「おやおや、大丈夫ですか?紅蓮坊ちゃま・・・。」 「その呼び名はやめろ、じいや・・・、いや、終戦管理局総帥、ザングースの刃(ヤイバ)・・・。」 「おお、そうです、終戦管理局であなたをお世話していた刃ですよ。」 「珍しいお客さんだ、なんの用だ?」 「終戦管理局に入ってもらおうと思って・・・。」 「悪いが、勧誘は塾で十分だ、出て行け。」 「これはこれは・・・、ご挨拶ですね、まあいいでしょう、どうせあなたはこっちに来る・・・。」 「ずいぶんと酷いこと言うじゃないか、俺は戻らんぞ。」 「そんなの知りません、もう運命は決まっています。」 そういうと刃は持っている杖を紅蓮のほうに向けた。 「何の真似だ?」 「ククク・・・、やってみればわかります。」 すると刃は、紅蓮の額を杖でコツンとたたいた。 そのとたん、紅蓮は意識を失った。 「次に目覚めるときは、あなたは人形です、ククク・・・。」 刃は怪しく笑うと、消えていった。 第二十話に続く・・・。 |