第二十ニ話「覚醒」「うぐあ・・・、ああ・・・。」「おい!信吾どうしたんだ!?」 「何か・・・、強い力が・・・、体の中を駆け巡って・・・、グア!」 「おい!黒影!どうにかしてくれ!」 爆炎は、黒影につかみかかった。 「拙者もどうにかしたい!だが・・・、今は見守るしかないのだ・・・。」 「そ・・・、そんな・・・。」 「うぐ・・・、ああああ!」 信吾の中で何かがはじけた・・・。 「っはぁ・・・、はあはあ・・・。」 「大丈夫か!?信吾!」 心配そうに、爆炎は駆け寄った。 「だ・・・、大丈夫です、むしろ、力がみなぎってくるような感じです・・・。」 「爆炎、信吾は、記憶を失っていたんだよな?」 「そうだが・・・。」 「ふむ・・・、それならさっきの現象は話がつく。」 黒影は本を拾うと、続けた。 「おそらくこの本は、信吾の記憶に何か関係があるんだろう、記憶は戻っていないがな・・・。」 「そうか・・・、まあ、信吾が大丈夫なら俺はいいが・・・。」 「なんか心配かけてすいません、で、何で紅蓮さんがいなくてなんか知らないアブソルさんがいるんですか?」 「こいつは黒影、何でも殺し屋みたいなもんだよ。」 「へえ、んで、紅蓮さんは?」 「零に連れて行かれたよ・・・。」 「え・・・?マジですか・・・?」 「マジだよ・・・、ってどした?」 何かブツブツ言いながら信吾はすごく落ち込んでしまった。 言っている言葉の中には、「紅蓮さんを零にとられた」とか「紅蓮さんは僕のものなのに・・・。」とか色々、混じっている。 無意識に言っているようだが・・・。 「あー、なんか別次元にワープしちゃったみたいだね・・・。」 「爆炎、アレ、渡さなくていいのか?」 「ああ、トンファーね、おい信吾。」 「なんですか・・・?」 「えーと、お前に新しい武器だ、トンファーっていうんだと。」 「そうですか・・・。」 「あっれー、これで強くなれたら、紅蓮助けるのも簡単だろうなー。」 その言葉に、信吾はピクッと反応した。 「助けたら、絶対に紅蓮、感謝するだろうなー、なー黒影?」 「なぜ拙者にふる?」 「とにかく、助けたら紅蓮もう無茶苦茶感謝するだろうなー。」 「・・・、分かりました!やってみましょう!」 「あ、復活した。」 「よし!黒影さん!トンファーの使い方分かりますか!」 「す・・・、少しなら・・・。」 「んじゃ、教えてください!」 「い・・・、いいが・・・。」 「あー、やっぱ紅蓮のことになると結構単純だな・・・。」 「なんか言いましたか?」 「いえ、なんも。」 続く・・・。 ジャンル別一覧
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