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バス停地名学のすすめ

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2007.12.14
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カテゴリ:目黒区
(前回からのつづき)

緩く蛇行した茶屋坂を下りていくと、坂下左手に小さな公園があり、「茶屋坂の清水」と刻まれた石碑が立っています。茶屋坂付近の崖地から湧き出た清水は、先ほどの爺々が茶屋でも重宝されたものと思われますが、昭和初期の頃には周辺の宅地化が急速に進み、湧水の存続も危ぶまれていました。しかし、地域の人々の努力により湧水は守られ、戦後しばらくの頃までは多くの人々の暮らしを支え続けていたと伝えられます。

坂を下りきり、田道小学校前を抜けていくと、目黒川の田道橋に出ます。田道は「でんどう」と読みますが、これも目黒区の古い地名のひとつで、このあたりの目黒川左岸一帯を指した古い字名として使われていました。往古の田園風景に因むものかどうか、由来は定かでないといいます。

田道橋手前の左手に田道広場公園がありますが、ここが毎年秋に開催される「さんま祭」の会場です。宮城県気仙沼産のさんまが次々と焼かれ、参加者には無料で振舞われることから、毎年大変な賑わいを見せる行事となっています。因みに、祭りは目黒駅東口前の誕生八幡神社でも開かれ、こちらは品川区側の行事として、目黒区側のさんま祭と競う形となっています。さんまは岩手県宮古産のものが使われ、参加する側としては、香ばしいさんまを二度味わえる楽しみがあるのですから、申し分ないといえるでしょう。そしてどちらも落語家による「目黒の秋刀魚」が出しものになっています。茶屋坂散歩はこの祭りに合わせて出かけてみるのもいいかもしれません。但し、街中がさんまを焼く煙で充満することを覚悟しておく必要がありますが。

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最終更新日  2007.12.14 21:59:27
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