バス停地名学のすすめ

2008/01/12(土)23:04

第155回 【坂道編(31)】 菊坂下(きくざかした) 前編

文京区(20)

バス停データ ◆所在地:文京区 ◆路線:都営バス[上60]系統 みなさん、こんにちは。 大塚駅を発着する都営バス[上60]系統については、第127回「湯立坂下」の項でもご紹介しましたが、表通りの主役[都02]系統の影ようにして千川通りを南下した後、春日駅前で再び[都02]系統と顔を合わせたのも束の間、すぐに白山通りへ入り、西片交差点を右へ曲ると、間もなく菊坂下バス停に到着します。 文学散歩の愛好家にとって、本郷の菊坂といえば聖地といえる存在かもしれません。樋口一葉、宮澤賢治、坪内逍遥、広津和郎、石川啄木など、この地にゆかりある文士の名を数え上げればきりがないほどです。それらを抜きとしても、この菊坂界隈には昭和の東京の面影を色濃く残す路地や建物、坂などが点在し、カメラ片手に気ままな散歩を楽しむ人の姿が絶えることのない街でもあります。そんな菊坂の表玄関は、やはり坂上側の本郷三丁目交差点といえるかもしれませんが、今回はバス停のある坂下側から菊坂散歩を楽しんでみたいと思います。 このあたりに町家が開けたのは長禄年間(1457~60)の頃と伝えられますが、当時は一帯が菊畑だったことから菊坂の名があるといいます。古くは、坂下から本郷5丁目北部の高台へ上る急坂に菊坂の名があったようですが、いつの頃からかそちらは胸突坂の名で呼ばれるようになっています。昭和40年の住居表示施行までは、坂を中心に菊坂町の町名がありました。 (次回へつづく) 人気blogランキングへ

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