2008/01/29(火)21:55
第161回 【坂道編(37)】 団子坂下(だんござかした) 前編
バス停データ
◆所在地:文京区 ◆路線:都営バス[上58]系統他
みなさん、こんにちは。
不忍通りを走る都営バス[上58]系統については、第103回「上富士前」の項でもご紹介しましたが、このバスは不忍池西側から根津を過ぎると千駄木地域に入り、間もなく団子坂下バス停に到着します。バス停は地下鉄千駄木駅の真上にありますが、千駄木駅前とはならず、昔も今も団子坂下の名を貫き通しています。
バス停のある坂下交差点から西へ上る坂が、団子坂です。江戸時代は悪路の急坂で、雨の日などに転ぶと泥団子のようになることから、その名があるといいます。江戸川乱歩の初期の短編にある「D坂」がこの坂を指すことは、乱歩ファンにはよく知られていることでしょう。
坂を上り、坂上の交差点を右へ入ると、千駄木の高台に続く住宅街に入りますが、ここを北上していく通りは「くらしの道」と命名され、車道部分を蛇行させて車のスピードを抑制するように整備されている他、電柱が一切無く、都心のごみごみとした景観に慣れている目には、ひどく新鮮な開放感のある街並みがゆったりと広がります。
「くらしの道」をしばらく歩いていると、左手に近年一般公開されるようになった旧安田楠雄邸が見えてきます。東西に細長い木造二階建ては、大正8年に実業家の藤田好三郎が建築したもので、同12年に安田財閥に売却され、平成7年まで実際に使用されていた建物です。
(次回へつづく)
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