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バス停地名学のすすめ

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2008.07.07
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カテゴリ:大田区
(前回からのつづき)

笹丸は、かつてのこの周辺の字名で、古い地図を見ると、中原街道沿いに「字笹丸」の表記を見ることができます。バス停は、現在は[森05]系統のみが通過していますが、ひと昔前までは、田園調布から羽田空港までを結んだ京浜急行の路線も、ここにバス停を構えていました。

バス停から、先ほど通った東急池上線の切り通し上の橋へ戻ります。この橋を笹丸橋といいますが、橋の脇には「笹丸橋旧橋名板」と書かれた碑が立ち、昭和2年架橋時の銘板が保存されています。そのまま線路沿いを歩き、切通しと線路の位置関係を眺めていると、この付近の起伏に富んだ特長ある地形の様子がよくわかります。

中原街道に戻ると、洗足池へ向かう下り坂の途中に、大きな角型の庚申塔が立っているのに気付きます。文化11年(1814)のもので、右側面には「従是九品仏道」と刻まれ、ここから世田谷区奥沢の九品仏浄真寺へ通じた古道が分かれていたことが窺えます。

やがて、中原街道に面して大きな洗足池が姿を現します。古くは千束の大池と呼ばれたこの池は、周囲の湧水を水源とし、江戸期には灌漑用水の水源として利用されてきました。池の名は「洗足」、地名(住所)は「千束」と表記が分かれていますが、灌漑用水の水源として、この地域には稲千束分の免税措置がとられていたことが、その地名の由来といわれます。一方でこの池には、日蓮上人が足を洗ったという伝説があり、「洗足」はこれに因む名でもあります。

街道に沿ったベンチでひと休みしながら池を見渡すと、右手奥に、日蓮上人が足を洗うときに袈裟を掛けたという「袈裟掛けの松」が見えています。

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最終更新日  2008.07.07 22:22:38
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