第382回 【都電の残像編(36)】 渋谷橋(しぶやばし) 後編
(前回からのつづき)渋谷橋交差点をぐるりとひと回りしている歩道橋に上り、都電在りし日の交差点の姿を思い描きながら歩いていると、都営バスに交じって、明治通りから駒沢通りへと曲っていく東急バスの姿も目に入ってきます。かつての玉電の運行区間でもあり、渋谷橋を経由して中目黒方面へ東急バスが走る姿は決して不思議ではありませんが、渋谷橋バス停は都営バスのみの停車で、東急バスは素通りしてしまうのが少々残念ではあります。交差点から恵比寿駅方向に駒沢通りを少し歩くと、すぐに渋谷川を渡す渋谷橋があります。渋谷川(古川上流部の別称)については、本ブログでも何度かご紹介済みですが、渋谷駅の南側で地上に顔を出した流路は、東横線の高架と明治通りの間を南下し、氷川橋、上智橋、比丘橋、庚申橋を経て、渋谷橋へと辿り着き、その先は恵比寿橋、新橋、山下橋と続いて、天現寺橋に至ります。川そのものの景観は、コンクリートに固められた典型的な都市河川の様相ですが、神田川や目黒川が護岸改修で直線的な流路に造り変えられているのと比べると、渋谷橋前後の渋谷川には小刻みな蛇行が残されており、無機質な眺めの中にも、川らしい雰囲気がほんの少し残されているように感じられます。渋谷橋から明治通りに入ったかつての都電8系統は、渋谷駅前からの34系統と併走し、四谷三丁目からの7系統と合流する天現寺橋へと向かいました。↑↑↑ブログランキング参加中です。