山下達郎 サンデー・ソングブック
ラジオで自分の名前が読まれたいという欲望 / 山下達郎SSB 95年5月28日
山下達郎SSBを聴いててイヤに思うところは、誕生日代読メッセージなどで私にはどうでもいい個人名を延々聞かされること。それと、黙っててもオンエアされる山下達郎氏の新曲にリクエストしてくる方々。要は、ラジオで自分の名前を読まれたいのだろうが、悲しい人間の欲望を見せられるようでとても虚しい気分にさせられる。同様に思う人は私以外にも当然いらっしゃるようで、この日の放送でも同種の意見のハガキが紹介された。そしてその後に披露された達郎氏の逸話が笑えるものだった。達郎氏曰く、
「高校時代、なんとかして自分の名前がラジオのリクエスト番組で読まれる方法がないものか?といろいろ考えた。当時、オールナイトニッポンの電話リクエストでその週のビルボードのトップ3を紹介するコーナーがあった。ビルボードのトップ3ならFENを聴いていれば猿でも分かる。そんなのにリクエストするリスナーは番組の特質上ほとんどいない。これだったら絶対読まれる、と毎週リクエストした。私の意図がバレるまで6週間ぐらい毎週毎週確実に読まれた。天国でした。しかもヒドイ時には一日3曲とも読まれた、、、。だから(ラジオで自分の名前が読まれたいという欲望は)理解できる。別にいいじゃないか。」
うーん、笑えた。達郎氏の微笑ましい一面が垣間見れた感じ。でもやっぱり私は一曲でも多く自分の知らない名曲を聴かせて欲しいなあ。