音壁の世界(3)
【もうすぐランクイン】
BRIAN ENO / ON SOME FARAWAY BEACH '74 「HERE COME THE WARM JETS」
鬼才ブライアン・イーノのファースト・ソロ・アルバム収録曲。当ブログではポップに拘って曲を取り上げているので、イーノの曲は無縁に近いのですが、個人的には大好きなアーチスト。環境音楽時代もいいのですが、初期のボーカル入りソロワークも甲乙つけがたいぐらい大好きです。特に「Another Green World」収録の「I'll Come Running」、以前
セレクト大会でも取り上げた「Golden Hours」や「Before and After Science」収録の「Here he comes」、「By this river」、「Spider and I」などはどれも最高!イーノの体温の低い、人間離れした、俗世離れした、将に神の領域に達したかのようなヴォーカル、メロディ群の隔世感は尋常ならないものがありますね。
その二枚のアルバムと比べると大部地味なイメージのある74年の 「HERE COME THE WARM JETS」。先日久々に聴きかえしてみたら、ぬわんとウォール・オブ・サウンドがあるではありませんか。イーノで音壁?って意外過ぎですよね。上品なピアノの音色をベースに、荘厳な雰囲気を醸すコーラス。やはりどこか非日常感の漂うメロディの後ろでは、エコー感のあるドラムが転がりまくります。静かな出だしから徐々に盛り上がっていく展開もドラマチックですが、僅かながら人間臭い暖かみを感じさせるところは若かりし頃の未完成なイーノって感じですかねえ。
「YOU TUBE」で聴けます。