2006/05/18(木)23:56
死神の精度 ★★★
【死神の精度】 伊坂幸太郎
【Story】
ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に、ある時は本格推理風に……様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様
<読書感想>
死神の千葉が仕事をするときはいつも決まって雨だ。
それなのに、6人目の老婆と出会って、見たことも無い晴天
を見ることができたのはなぜなのだろう。。。
どの人間がいつ死のうが、興味がない死神の千葉。
それなのに今日も人の死を見定める為にやってくる。
なぜか?仕事だからだ。
音楽以外の全てのことに無味だった千葉に、わずかに
興味という感情が芽生える。
不可解な人間のひとかけらにやっと触れられたのだ。
千葉は言う。
人間はおろかだ。交差点を歩く大勢の人は、誰一人と
して他人の為ではなく、自分のためにだけ悩んでいる。
その通りかも知れない。