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カテゴリ:読書感想
<読書感想> 思わず微笑んでしまう箇所がある。 ------------------------------------------- 麻は、お地蔵さまを好きになれなかった。 あの人のいい顔は、どこか胡散臭い。 「そうかそうか。可哀そうに可哀そうに。」 と言いながら、口先だけで、すこしたつと ケロリと忘れて居眠りしているような気がする。 赤いよだれ掛けもみだりがましい。 ------------------------------------------- 読めば読むほど気持ちが沈んでいく本なのだけれど、 嫌気がささないのはこういうところだろうなと思う。 結構、バチあたりなことを言っているのだけど、 「確かに私もそう思う」と思わず認めてしまう自分に 罪悪感を感じない。 向田邦子が、狡さや弱さをひっくるめて人を愛して いたからだろうな。 他人の気持ちほど、自分の思い通りにならないものだと 悟っていた人だろうか。 それとも、それに苦しんでいた人だろうか。 別の作品も読んでみたいなとは思うけど、気持ちが しっかりしているときに読まないとヘコむな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/10/26 07:50:51 PM
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