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カテゴリ:NOVEL
クリスマスにはまだ 三週間の間があった ユリから届いた個展への招待状には クリスマスカードが使われていた 夜の7時半に ユリがぼくのマンションを訪れたとき 前日から降りそそいでいた雨が まだ残されていて ぼくは左手をポケットを突っ込んで 彼女から借りたままにしていた 赤い傘をさして立っていた ふたりは腰を屈めてタクシーに乗った 昨夜も浅い眠りの中で考えていた 雨が窓ガラスを 激しく叩くんだ 月明かりをかき消す星屑の うんと暗い闇に沈んで輝き続ける この街の中心部にさしかかると ぼくらはタクシーの運転手に 支払いを済ませ ユリの肩を強く抱き 赤い傘の下に入った バスタオルを体に巻いた彼女が ホテルのバスルームの暗い闇から 裸足で現れて そっと肩に近づくと 甘い吐息が ぼくの耳に届くんだ この街で一番高級なホテルの 最上階の特別な部屋で シャンパンを開けることそれがマリの夢だった 夜空の星屑たちが 深く膝を抱えてうずくまった様な 街の夜景が綺麗だと 少し小止みなった空の 窓ガラスを流れる雨粒のすじに 人差し指を当てて彼女は言った テーブルに置かれたシャンパングラスを グッと息を詰めた様に飲み干したユリは マニュキアの指をぼくの二の腕に絡ませて うんと無理な姿勢から 唇をかさねてきた彼女 世界で一番かわいい ぼくの恋人 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 16, 2009 10:02:37 PM
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