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カテゴリ:POETRY
サトウキビ畑のあいだを 女と歩いた思い出がある 二車線の道路に 茶や緑の葉っぱがせり出し そよいでいる 陽光に放たれたその道は とても荒れていた 一時間歩いても 車は通らなかった サングラスを外したぼくは 女に言った もう 戻ろうよ 待って もう少しだから 一時間だぜ 時計を見た もうすぐ東シナ海だから・・ 汗が 頬を伝う 女は 町で働いていた いわゆるホステスだ 昔は農協で働いていたの 声をひそめるように 彼女は言った あぁ 農協な 面倒なところだ 女は眉間にしわを寄せた 夜の女の 言葉は信用ならない 昼間食べたソーキそばが 腹にもたれはじめる 麺の上に乗っかってた 生焼けの肉のせいかもしれない すべて嫌気がさしたころ 海が見えた ほらね 女は子供のように 目をくるりとさせて言った あぁ 海だ 間違いない するりと腕を回した女が ぼくの腕をぎゅっと引っ張った 海風より強く 確かな感触だった 放置されたユンボやブルドーザーが 浜の近くにあり ぼくらは幾度か 植物の根っこに つまづきながら 浜へ出た スニーカーを脱いだ ホットパンツからするりと伸びた 女の白い足が はじめて目に入った ねえ 綺麗でしょ! ここから見る眺めが一番すきなの! ぼくはサングラスを掛けなおし 女に言った 確かにオジサンにも 悪くない景色だ なんだ ノリの悪い人! そう言うと ぼくにくるりと背を向け 女は 裸足のままで海に近づいて行った 排所に眠る まだ陽の昇りきらない朝の 白いコーラルの道に 女といたあの日の夏の記憶が まるで裸足の跡のように 残っている お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 8, 2009 11:49:08 PM
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