2008/06/16(月)19:37
お伽草紙
「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか
」という本の冒頭、
著者は本を書くきっかけについて
「太宰治のお伽草紙に影響された」ような事を書いていました。
元々太宰好きな僕は
この話を高校生時代に読んだ事がありましたが
また改めて読み直してみたくなりました。
早速「青空文庫」でダウンロードし、アドエスで読書。
ところで、太宰のこの小説、どんな話かと言うと…
戦時中、防空壕の中でも子どもにお伽話を読み聞かせる主人公。
しかし、読みながら色々と想像が膨らみ、
太宰流のお伽話が生まれるのです。
「浦島さん」「瘤取り」「カチカチ山」など。
大人になって改めて読むと、また違った感想を持つものです。
また、この小説は、一般に暗い作家だと思われがちな太宰(実際はそんな事ないのですが)の中でも
ずば抜けて愉快な作品だと思います。
カチカチ山に至っては、テーマは「若い女は怖い」という内容。
「瘤取り」は「酒飲みに悪い人はいない」みたいな話し。
「浦島さん」での、龍宮へ連れて行ってやるという亀と、行きたくないと駄々をこねる浦島の口喧嘩も愉快です。