現象になぜ、象(ゾウ)を使うのか。9歳の壁を乗り越える漢字指導
(前回の授業報告の続きです。)ここで、次の象の成り立ちや使われ方の資料((辞書の引用)を配布しました。 (例解学習漢字辞典・藤堂明保編 ・小学館)K・・・この図の絵のところを見ると、象という漢字が生まれてきた成り立ちが、分かるね。児童・・・わかる。K・・・最初の3行を読んでください。児童・・・「ゾウをえがいた字。大きな姿をしているものの代表になる動物なので、姿という意味に用いる。」K・・・もう一度、読んでください。(大きな声で、また、読む。)児童・・・これを読むと、ああ、分かったという表情と声。K・・・生きている象の他にどんな意味に使われるの?児童・・・姿という意味で使われます。(* これは、読めば、分かることなのですね。) K・・・では、意味のところに、入りましょう。まず、1番目、どんな意味があるの?児童・・・ゾウK・・・そうだね。これは、もう、みんなが発表しているね。(と言って、インド象・アフリカ象と書いた画用紙を指す。)K…次にどな意味ががるのか、読んでみよう。児童・・・「目に見えるかたち。表れたものの形。例・・・気象・現象」K・・・もう一度、読んでみよう。(児童、読む)K・・・これも、もう、みんなが発表しているね。(といって、発表した、画用紙に書いてある漢字語(気象・現象)を指す。) * Kの授業の弱点・・・気象・現象について、もっと、児童と話合うべきでした。それを生かしたのが、次回、ご報告する28歳のA先生でした。K・・・3番目の意味を読んで調べてみよう。児童・・・「目に見えないものを他のものの形であらわす。かたどる。例。象形・象徴」 * ここでも、Kの授業のはしょり過ぎが出ていますね。象形・象徴について、話し合うべきでした。これでは、児童は、十分、分かりきれませんね。 K・・・ここで、Kのことなのだけれど、現象という漢字語になぜ、象(生きている)を使っているのか、先生になってもわからなかったんですよ。分かったのは、先生になって、研究会をしていてなんですよ。みなさんは、4年生なのに、分かってしまったね。ゾウ(象)が、現象の「しょう」という意味で使われるようになったことを漢字の意味の変転(ヘンテン)というのだよ。K・・・変転って、こういう字を書きます。 児童・・・変化の変と自転車の転だ。 「変わる」・「転がってかわる」という意味なんだ。 と、言う子供たちの声が出てくる。他の児童も「ああ、そうだ。」と納得する。(* このように記憶させたい大切な用語は、画用紙などに書いて、常掲しておき、時々、読むと、いつの間にか、インプットされ、一生、忘れないようになりますね。) K・・・そうなんですね。漢字は、もとの意味と変わって使われることがたくさんあるので、そのことに注意して、学習すると、漢字語の意味がわかり、勉強ができるようになるのですね。この他にもこのような漢字の使われ方は、まだ、あるんですよ。特に、勉強してほしい漢字語は、50いくつかあるんですよ。それは、これから、勉強をしてね。(* これは、学習論理語彙のことなのですが、ここでは、まだ、出しませんでした。)* このような学習をしてあると、・具象・形象・事象・対象・抽象・天象・表象・・・などの漢字語が出てきたとき、その意味を類推することができますね。この続きは次回です。次回は、この授業をKよりもしっかりしたA先生の授業のご報告をします。A先生は、28歳です。ちゃんと勉強すると、すばらしい授業ができることをKは、知りました。ご訪問ありがとうございます。それが、今日さんの書く力になります。コメントいただければ、なお、うれしいです。 このブログの応援クリックを戴けますと、なお・なお、うれしいです。それは、下記のマークです。一日、1っ回有効です。「一日一回有効のポイントクリックは、更新されないとしても、このページにあるものをクリックしてOKなのでしょうか?(May 26, 2008 12:17:15)」というご質問を戴きました。* はい、このブログのどこで、クリックしても、OKです。ただし、一日一回のみ、有効なのです。よろしくお願いいたします。 人気blogランキングへ 下記の本は、漢字教育のあるべき姿と実践を載せています。上の意見を詳しく書いています。* こちらは、1字・1字の指導の練習帖です。1セット5過程に基づいた展開になっています。1~6年生まで揃っています。下記の本は、研究会がまとめたものです。絵をクリックしますと、本の概略が分かります。尚、本書は、1~6年まで、各学年あります。各学年の教科書教材の授業報告があり、子どもと教師の表現よみが、CDに入っています。漢字指導研究会第24回 漢字指導法研究会夏季全国アカデミー テーマ : 楽しく学ぶ漢字の指導法 日時 : 2008年8月8日(金) 午前9時~午後4時45分 会場 : 府中グリーンプラザ本館 府中グリーンプラザ (京王線府中駅北口下車2分) >>地図 参加費 : ¥3,000(会場費、資料代など) ◆内容・時程◆ 9:00 開場・受付 府中グリーンプラザ本館 6階大会議室全体会 9:30 開会行事 9:50 国語教育・漢字問題の情勢10:10 漢字教育の基本提案 漢字問題の視点 国語科教育の構造と漢字指導 精選612字の提案11:20 1セット5過程方式の模擬授業11:30 質疑応答11:50 書籍・刊行物の紹介昼食・休憩 分科会 (予想される討議の柱)13:00 小学校低学年分科会 かな文字の学習と漢字指導 小学校中学年分科会 9歳の壁と漢字指導 漢字の学習と抽象概念の指導 小学校高学年分科会 なかまづくりと漢字指導 中学校・高等学校分科会 漢字検定をどうとらえる 非日本語母語話者に対する漢字指導 夜間中学における漢字指導 漢字の精選と漢字教育運動分科会 認識・思考を高める漢字の学習 教科書と漢字学習 特別な教育的ニーズのある子に対する漢字指導全体会16:10 閉会集会 (分科会報告および感想発表・集会宣言)16:45 終了お申し込みは,下記の口座へ参加費¥3,000をお振り込み下さい。※通信欄に参加者氏名・連絡先を御記入願います。郵便振替口座 00120-2-166984名義人 国字問題研究会