2005/12/19(月)05:55
学校を子どものものにするには・・漢字の習得の実態を例に
学校を子どものものにするには、何といっても、子どもが文字が読めることが大切である。
このこについて、次のようなグロブ上の意見がある。
・・・・・そのブログの中に[どんな言葉がわからないのか、歴史の教科書(東京書籍版)から例を紹介します。説得力がありますね。
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教科書が読めない
中学生を見ていると、特に社会や理科で、教科書や参考書に書いてあることの意味が分かっていない子がチラホラといます。説明を読んでもさっぱり理解できないのです。
それぞれの教科のいわゆる「用語」を知らないだけなら、前のページに戻れば当然解説があるはずですから、そこで解決できます。しかしそれだけではなく、文章を読む上で、中学生としての基本的な語彙が不足している子が少なくないのです。
どんな言葉がわからないのか、歴史の教科書(東京書籍版)から例を拾ってみます。
各文中の赤字の部分が該当個所です。「用語」は除いてあります。
「中大兄皇子は西日本の守りを固めるとともに、全国の戸籍をつくるなど、改新の政治を進め、 やがて即位して天智天皇となりました。」
「栄華をほこった平氏でしたが、朝廷の政治を思うままに動かし始めたため、貴族や寺社の反感を招き...。」
「新政府は、欧米の強国に対抗するため、経済を発展させて国力をつけ、軍隊を強くすることをめざしました。」
この他にも開墾、諸藩、迫害、布教、風俗、鎮圧、普及...さらにはたな上げ、なかだちなどに至るまで、数え上げていけばキリがありません。
こんな状態ではいくら勉強しても、内容をしっかり理解することは不可能に近いでしょう。
これらの言葉の多くは、小学校で当然身につけていなければならないもの...。教科書執筆者もそれを前提に書いているはずです。仕方がないので、あまりにもひどい子には小学校生用の問題集をさせています。内容的にもこれで十分役に立ちますよ。
やはり、まずは語彙力、国語力です。これなしでは先に進めません。
意味もわからず暗記するだけなら必要ありませんが...。・・・・・
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上記は、引用であるが、実に、リアルに記述されている。
数十年前、これと同じような事を理科専科をしていて痛感して、問題意識を持ち、国語科教育に関心を持ち、その後、国語科教育研究をするようになった。
専科であるから、担当した全クラスの実態がつかめたわけである。
このような実態をみて、黙っていられなくなった。
漢字指導の研究をしては、公開の研究授業を何度もした。
そのこともあって生まれたのが、漢字指導研究会(国字研)である。
漢字指導研究会(国字研)
子どもたちの学習は、文字抜きには、考えられない。
だから、学習に必要な文字は、自由に駆使できることが先ず、第一である。
ところが、どうだろう。
かなについては、ほとんど駆使できるが(読みでは。ところが、カタカナの書きでは、問題がある。)漢字になると、上記の実態である。
上記の実態は、国立国語研究所・文化庁の調査とも重なっている。
(『使える漢字力を・・・そのアイデア--反復中心の詰め込みではなく、1セット5過程と手首化を』ーーー『子どもと教育』2005・1、ルックを参照)
こんなに重要な事が、依然として、数十年前と変わらないで問題としてある学校。
何とかしたいものである。
しかし、文化審議会は、「1945字の常用漢字を小学生で読めるようにする」という答申を出しました。
この常用漢字には、59年度中学校国語教科書から排除された漢字80字
(廬・謁・帥・帥・嚇・朕・逓・畝・銑・逓・璽・嗣・屯・候・拷・錘・款・畔・猶・窯・桟・嫡・陪・寡・劾・繭・宰・硝・漸・・・・・・・・・・・・)
が含まれているのです。
はたして、審議会の委員は、1,945字の中の1字1字がどんな漢字か調べてみたのでしょうか。
そして、これらの漢字の読みが小学生に必要かどうか検討をしたのでしょうか。(この委員の中には、朗読で有名になったs教授も入っているんですよ。)
とにかく、重大な局面にある学校教育です。
皆で考えあいたいものです。
しかし、今いる子どもたち、詰め込みではなく、喜んで学習し、力が着く研究は、教師の責任です。
それを僕らは、20数年、してきました。
関心のある方は、上記のHPを開いてみてください。
まだまだ、不十分な研究ですが。
*以上の事をどうしたら良いか、教師が集まって漢字指導の研究をして約、20年数年間かかってまとめたものが下記の本です。現場の教師が教室での指導を下にまとめたものです。ですから、子ども・教師の声を生かして、実際に使えるようにまとめてあります。
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