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カテゴリ:読みきかせ・表現よみ(音読・朗読)の工夫
表現よみの研究会で「丸よみ」のことが、話題になりました。
(「丸読み」?という指導法が、今は、けっこう、流行っていることが、 参加者の話で、僕に分かってきました。) その研究会の参加者のAさんが、次のような文章を出してくれました。 ・・・・・・・・・・・ 『消しゴムころりん』の単元では、「丸読み」で学習を始めていた。 今回の学習では、「微音読」から、「指名読み」を行った。 そのことにより、子供たちの音読に対する意識が変わった。 例えば、自分の音読に意識を集中させて読む子がとても増え、音読を楽しむようになった。 指名音読の時には、良いところを、 聞いていたクラスの友達と教師(僕)が、言ってあげた。 そのことで、聞く態度もよくなり、暖かい雰囲気ができたきた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 今、教室で一般的に行われています「丸読み」は、 <一文ごとに(まる・○)から、(まる・○)まで、一人が音読し、次の一文を別の一人が音読をする> ことをしているようです。 このことのねらいは、文章を間違わずに、つかえずに音読することも、 重要なこととして入っているようですが、 実際、やらせてみると上記のAさんの報告のような 足りなかったことが起こりがちのようです。 というのは、 <丸から丸まで、間違わずに読むということに意識が、行ってしまい、 文に書かれていることを理解し、感じながら読む> ということへの意識がうすれるのではないかという危惧なのです。 * 文章を読む、それは、理解し、感じるために読むのですから、 最初は、つかえてもいいのですよね。 読んでいるうちに、つかえなくなるものですよね。 ですから、僕らは、第一読(最初)から、表現よみだと言っています。 つかえても、表現よみなのですね。 文章を音読して、楽しいのは、その文章に書かれていることを理解し、 その理解をもとにして、そこに書かれていることを表象化し、 情感化しながらよむ時ではないでしょうか。 これは、まさに表現よみなのですね。 たとえば、 『大造じいさんとがん』の中の次の文章の音声化で考えてみましょう。 ・・・・・・・・・・・・ あかつきの光が、小屋の中にすがすがしく流れ込んできました。 沼地にやって来るガンのすがたが、かなたの空に黒く点々と見えだしました。 先頭に来るのが、残雪にちがいありません。その群れは、ぐんぐんやってきます。 ・・・・・・・・・・・・ ここを音声化する時に、間違わずに読むというだけでは、ちっとも、面白くないですね。 (「丸読み」ですと、そのようになってしまいがちのようです。) ここは、「こんどこそしとめてやるぞ」という 大造じいさんの期待、 張り切った気持、 高まってくる緊張、 そういったものを感じて、それを声に乗せて、表現よみしたいですよね。 このような意識を持っての音声化(表現よみ)が、次もまた、よみたいという気持ちを 子供に(大人にも)持たせるのではないでしょうか。 新学習指導要領では、暗唱が入ってきましたが、 このことは、意味を理解せずにただ、声を出して、何度も読み、 頭に入れるというようになりがちではないでしょうか。 これをやると、子供は、音読が嫌いになることが、見えていますね。
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そういえば、自分が小学生だったころ、音読の授業がとても苦手でした。
「つっかえないで読める」ことが第一だったので、緊張して、楽しめなかったです。 表現よみはとてもいい方法なので、広まるといいですね。 (2008.02.21 06:03:22)
>このことは、意味を理解せずにただ、声を出して、何度も読み、頭に入れるというようになりがちではないでしょうか。
>これをやると、子供は、音読が嫌いになることが、見えていますね。 漢字の場合と同じですね。 (2008.02.21 06:06:05)
表現よみだと情感というか
情景も想像できますからね。 (2008.02.21 06:49:17)
知らない土地への旅から得られるものは、実感として体と頭に刻まれます。
子供達は、そういう世界が小さいので、文字による世界はなかなか把握できないと思います。 大人の世界ではなく、子供の視線で描かれた風景が必要なのではないでしょうか。 (2008.02.21 08:28:19)
ぜひ、文章の意味を理解して、内容を楽しむ授業を行っていただきたいです。
(2008.02.21 15:29:24)
丸読みは短時間にたくさんの子どもを参加させられるという効率から行われ、成果もないかわりに害もそれ自体は大きいとは言えないでしょう。ひとまとまりの文章を空で言えるという結果のみを求め暗唱が強力に指導されるとしたら、日本の近代の教育に例があるように、子どもたちに取り返しのつかない害をあたえると思います。
(2008.02.21 23:25:55)
本を読むって楽しいことですね。楽しさを伝えたいからお話し会をしています。
丸読みでは文学作品だけではなく評論のような文でも頭には残りにくいように思います。 獲得できるのはかつぜつくらいでしょうか? 暗誦は好きなら楽しいし、強制なら辛いだけですね。 いくつかの詩集からそれぞれ好きな詩を(詩じゃなくてもいいですが)自分で選んで暗誦し、週に一人ずつ発表するとかなら楽しく覚えて楽しく聞けそうですが。。。 (2008.02.22 01:48:02)
みえこ55さん
>そういえば、自分が小学生だったころ、音読の授業がとても苦手でした。 >「つっかえないで読める」ことが第一だったので、緊張して、楽しめなかったです。 * 貴重な体験、ありがとうございました。 このようなことが、重要な資料になりますので。 >表現よみはとてもいい方法なので、広まるといいですね。 * ありがとうございます。 ----- (2008.02.22 19:05:11)
森の声さん
>>このことは、意味を理解せずにただ、声を出して、何度も読み、頭に入れるというようになりがちではないでしょうか。 >>これをやると、子供は、音読が嫌いになることが、見えていますね。 > >漢字の場合と同じですね。 * そうなのですね。 子供の内言を大切にするか、どうかですね。 ----- (2008.02.22 19:07:40)
逆立ち天子さん
>知らない土地への旅か ら得られるものは、実感として体と頭に刻まれます。 * そうでしたね。 >子供達は、そういう世界が小さいので、文字による世界はなかなか把握できないと思います。 * 体験がないということですね。 >大人の世界ではなく、子供の視線で描かれた風景が必要なのではないでしょうか。 * そのことを痛感しています。 そのようなことに気づいて、書かれている作品も出てきましたね。 『ガラスのうさぎ』は、戦争を書いていますが、子供の目で書いていますね。 ----- (2008.02.22 19:11:05)
ひろりん!(^^)!さん
>こんにちは。 > >とても参考になりました。 >自分の声を意識して読むと理解してよいのでしょうか。 > * そうなんですね。 >そうだったら、おんちの矯正と同じなんですね(笑) ----- * そう自分の声をまず、よく聞きますからね。 (2008.02.22 19:12:08)
かなにゃん3728さん
>ぜひ、文章の意味を理解して、内容を楽しむ授業を行っていただきたいです。 ----- * そうですね。 だんだんそのような方向に進むでしょうね。 それが、子供が喜び、子供の音声化が進歩するほうこうですからね。 (2008.02.22 19:13:47)
さやまみきおさん
> 丸読みは短時間にたくさんの子どもを参加させられるという効率から行われ、 * 確かに、多くの子供が大勢の前で、読めますね。 ただ、それをするのは、そのことの意義をそれなりに感じているからでしょうね。 多くの子供がよみに参加させるなら、グループで読ませればいいですね。(グループ作りができきていればばね。) > 成果もないかわりに害もそれ自体は大きいとは言えないでしょう。 * 害というと適切な言葉ではないですが、 そのことで、音声化が嫌いになってしまう心配がありやしないでしょうか。 それから、音声化の意味の学習が、抜け落ちたままになりやしないでしょうか。 音声化の意味、これをしっかり、学習させたいですよね。 > ひとまとまりの文章を空で言えるという結果のみを求め暗唱が強力に指導されるとしたら、 * 暗唱にこれがつかわれるのでしたら、さらに、よくないことですね。 > 日本の近代の教育に例があるように、子どもたちに取り返しのつかない害をあたえると思います。 ----- * そうですね。 (2008.02.22 19:23:27)
リエさん0037さん
>丸読みって何だろうと思って拝見していきました。 >納得です。 ----- * ありがとうございます。 直接関係ないことまで、読んでいただきました。 感謝です。 (2008.02.22 19:24:20)
ゆうやけぐもさん
>本を読むって楽しいことですね。楽しさを伝えたいからお話し会をしています。 >丸読みでは文学作品だけではなく評論のような文でも頭には残りにくいように思います。 * そうですよね。 実際にやった中からいえること、貴重ですね。 >獲得できるのはかつぜつくらいでしょうか? * そう、活舌ですね。 >暗誦は好きなら楽しいし、強制なら辛いだけですね。 * 好きならいいですよね。 >いくつかの詩集からそれぞれ好きな詩を(詩じゃなくてもいいですが)自分で選んで暗誦し、週に一人ずつ発表するとかなら楽しく覚えて楽しく聞けそうですが。。。 * そう、これは、一つの方法ですね。 ありがとうございます。 ----- (2008.02.22 19:26:54) |