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カテゴリ:・漢字指導
2年生まで外国で生活し、3年生になって、帰国したAさんを受け持ったことがあります。ご両親は、インテリでした。Aさんは、まじめな子でした。ところが、授業では、他の子が、分かっていることを、分からないような表情で、きょとんとして、考え込むことが、かなりありました。 このことと漢字指導は、どう関係があるのか、考えてみます。ご一緒にお考えいただけますとうれしいです。 ( 田村 利樹記) 左記の応援のマークをクリックして、戴けますと、うれしいです。 Aさんは、どうして、考え込んでいたのでしょうか。それは、外国で、2年生まで、生活していたので、日本語が通じないことが時々、起こることが、分かりました。日本で生活していた子に比べれば、当然、日本語の習得では、ハンデイがありますから、そうなってしまったのでしょう。 Aさんのご家庭では、やがて、帰国することを考えて、Aさんが日本語を習得するための努力をしてきました。でも、日本で生活していた子に比べれば差は、出て来てしまうのですね。 では、このAさんに漢字を指導する時、どうしたら良いでしょうか。それは、当然のこと、その漢字(コトバ)の意味をまず、理解させることですよね。「漢字テストをするから、書きの練習をしてきましょう」では、Aさんには、きつすぎますよね。これは、ほかの子にもですがね。 でも、結構、このようなことが、日本中の漢字教育では行われていないでしょうか。 このような指導を絶対してはいけないことは、抽象的な漢字語の指導についてが、特別ですね。それは、子どもたちが、始めて接するか、あまり聞いたことがない漢字語が多いいからですね。 この抽象的な漢字語の中で学習に良く出てくる漢字語を「学習論理語彙」と言っています。それは、下記です。 この学習論理語は、70語程です。初めに、全体です。
全体の右半分です。 この抽象的な漢字語の中の「学習論理語彙」に接した経験は、子どもの育った環境によって、まったく、違います。 僕が、育ったのは、山村の農家でした。育つなかで、上記の表の中にある本質・法則・現象・現実・矛盾・・・・・・・などの抽象語は、聞いたことがありませんでした。それは、家の人や、周りの人たちが、そのような漢字をを生活の中で、使わないからですね。 ですから、僕の場合は、抽象的な漢字語(「学習論理語彙」)の習得のことでは、先に書いたAさんの日本語の習得状況と似ていますね。始めて、接す漢字語ばかりです。これでは、読むことはでき、見れが書くことはできますが、意味は、分からない訳ですね。 使い方なんて、とってもですよね。 これは、本質・法則・現象などの言葉を先生が使って話をした時に、授業が分からなくなる決定的な要素となりますね。ですから、もし、そのような言葉を教師が使うなら、注意して使いたいものですね。そして、その言葉の質問があれば、説明が必要ですね。 学習の落ちこぼしは、この抽象漢字の習得と深く関係があると、以前から言われています。このことは、教育学会では、一般的なことになっていますね。 それは、落ちこぼしの背後には、その抽象的な漢字語の理解ができないことが、あるからなのですね。 ですから、中学年から出てくる抽象的な漢字語は、1字1字丁寧に指導することが大切なのですね。その丁寧な指導を僕らは、1セット5過程の指導といっています。 学校・先生などの目に触れ、耳で何度も聞いてきた日常語は、子供は、その意味、使われ方を知っています。 ところが、上の抽象語は、分からないのですね。 (***・・・この学流論理語彙の表は、高学年になったら、教室に情景し、意識的に使っていくようにするといいですね。慣れの中での学習が、できるからですね。僕は、6年担任した時は、そうしました。) それから、漢字の書きも大切です。手首化(見ないでスラスラ書けること)しないと、使えませんね。でも、その書きを身に着けるには、まず、意味をしっかり理解することですね。 理解と言っても、本当の理解には、その漢字語を使えるようにする指導が必要ですね。それには、その漢字語を使って、文を書いてみることですよね。このことについては、何度も、書いてきました。下記は、その一例です。
下記の本は、漢字教育のあるべき姿と実践を載せています。アマゾンでは、漢字教育では、売上1位です。ヤフーで売り切れと出ていますが、このところ、急に売れ出し、出版社と連携がうまくいかなくなったのです。本は、あります。これは、解消するような、手配をしました。
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* こちらは、1字・1字の指導の練習帖です。1年~6年生まであります。 国字問題研究会・漢字指導法研究会 http://members.jcom.home.ne.jp/kotoba/kokuziken-index.html
表現よみ総合法教育研究会 http://hyoukyouken.gooside.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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