テーマ:野球のトリビア(237)
カテゴリ:青波
オリックスの選手たちが可哀想になった。
というのも、先日の神戸遠征で見た光景が、 あまりに寂しかったからだ。 その様子を一言で表現するなら……、 ポツンポツン。 または、ガランガラン。 まず、右翼席。 さぞ合併反対に萌え萌えかと思いきや、 千葉マリンとは対照的に過疎化が進んでいる。 プラカードなんて、塩崎×3が目立つくらい。 1996年9月23日、地元で優勝を決めたあの日、 田口が場外の木々に登るファンを見て、 「嬉しいですね。立ち見の人がいっぱいいますからね。 山の上にも花が咲いたみたいにいますもんね」 と、コメントしたのが懐かしい。 さらに、一塁側フィールドシート。 ……スカスカ。無言のシールドが、ただ佇んでいるのみ。 オイィィィィィ、売り切れじゃなかったのかァァァァァ? これは、窓口のおばちゃんの検索能力の問題なのか、 それとも、観客動員数水増しのため、 チケットを無闇にばら撒いた結果なのか。 いずれにしても、憤りを感じたね。 わざわざ東京から足を運んだ真性のファンに対して、 この仕打ちとは。おかげで、ネッピー&リプシーを 間近で見ることができなかったじゃないか。 ……代わりに、投手が投球モーションに入る瞬間、 小笠原が尻をフリフリしている姿はよく見えたが。 一方、両側の内野席。 不自然に人が詰まっている。なぜだ? まったく、不可解な球場である。 ここ数年、オリックスは不思議と観客動員数を 伸ばしているのだが、その秘密がコレか。 困ったものだ。数字を望むのは結構だが、 何か方向性を間違っていやしないか? 観客動員数といえば、だ。 噂によると、オリックスは来季の監督について、 既に何人かの候補を挙げているらしい。 選考の基準は、またしても話題性だという。 ※ オリックスはかつて、話題性を追い求めた結果、 石毛という熱血野郎を監督に就任させた苦い過去がある。 掛布雅之、原辰徳、仰木彬。 ……懲りもせんと。 一体、フロントはどんなセンスをしているんだ? 仰木さんはいいとして、掛布や原とはどういうことだ。 ヤツらが監督に就任したところで、 ファンが球場に足を運ぶはずがないだろう。 そんなことより、勝ってくれ。 心の底からそう思う。 ホント、新球団はどうなってしまうのか。 ドラフトが4巡目からの参戦ってどういうことよ。 一場問題で不祥事を起こした読売ですら、 普通に自由獲得枠を利用できるというのに。 あとは、中村ノリのメジャー移籍疑惑。 アイツは一体、何のつもりなんだ? 2年前、FAでしくじっているくせに、 今度はポスティングだと? 結局、考えているのは自分のことばかりかい。 そんなヤツに「ファンのため」とか言われたくないわ。 けったくそ悪いっての。 そもそも、アイツにはバファローズ愛なんてあるのか。 ローズが抜け、チームが不安定になっても、 1人ドジャースのキャンプに参加するようなヤツだぞ? 普段はフルスイングにこだわっているくせに、 日本代表になった途端にバントをするようなヤツだぞ? アイツが一塁にヘッドスライディングしている姿なんて、 10年ぶり(1994年9月11日のBw戦以来)に見たわ。 あァ、新球団よ。 本当にあんな男をプロテクトするつもりか。 監督、ドラフト、新戦力……。先は暗い。 ……。 実は神戸、次の日は台風直撃だった。風速31メートル。 因みに一昨年、千葉マリンの試合が中止になったときは、 場内の風速計が「16」という値を示していた。 2ば~い、2ば~い(高見山風)。 もちろん、試合は中止。さあ、大変だ。 海辺のナイスなホテルを取ったのだが、 道が浸水していて戻れそうもなくなっている。 しかし、他にやることもない。 神戸中の店が、既に店を閉めてしまっていたからだ。 仕方ない。無理にでも進んでやる。 ジーンズは膝までビショビショ。 近くの広場から飛んでくる砂で、体中が痛い。 例えるなら、規模の小さなペガサス流星拳。 「もう少しの辛抱だ」と思いながら、歩を進める。 すると、前方から警官らしき男がやって来た。 聞くところによると……、 「この先は危ない。ホテル付近は殆ど沈んでいる」 では、一体どうしろと? このまま此処でプチ流星拳を食らっていろというのか。 冗談じゃない。迂回して意地でも進んでやる。 まるで、ホテルが蜃気楼のように思えた。 姿は随分と前から確認できているのに、遠い。 それでも、我々は其処を目指して歩いた。 そして――。 ホテルの入り口には、NHKの姿が。 部屋に帰ってテレビを点けると、 ベランダから見える景色と同じ映像が流れている。 もしかして、他に道があったのかなァ? 海水と砂まみれになった衣服。 何か納得のいかない、神戸最後の夜であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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