悦楽宮保鶏丁
「宮保鶏丁」、と書いて「クンパオチキン」。妙に辛いものを食べたいっ!と欲するときは、私体調が良い証拠。で、候補として私はタイフードかインディアンフードな心持だったのに、子等はメキシカンフードを主張し、相方は大好きな四川料理を譲らないとゴネる。さあここで、コイン投げるかジャンケンするか。談合の上、ダウントゥアースで、「私はこれが無いとハワイアンライフが持続できない」ほどの必需品、ビンダルウのチリペッパレリッシュを三つも四つもまとめ買い。ですからインディアンフードは次の機会にと妥協しました。で、相方は子等の意見を退けて、強引に行きました「京津(キンシン)」へ。そちらの奥様に顔を覚えられている相方は、着席したとたんに「麻婆豆腐とウンチョイガーリック炒めですわね?」と、にこやかに問いかけられる。躊躇せず、エクストラホットを頼んだ。で、泣いても戻らぬ闘鶏を偲び、ここはやはり、日本では問題化しているチキンを食べましょう!。唐辛子パンチの効いた食卓で、「体を保温し体力を保った」、国民的夕餉のおかずなんでしょうかクンパオチキン。「四川風炒め煮」ですかね日本風にいいますと。四川省では、大熊猫だってこれを食べているんだぞ。(パンダちゃんね)「まぁコケちゃん、こんな姿になっちゃって!」って、おかわりしたのは私なの。で、舌に快い刺激で食もすすんだのだけれども、食事中途から火を吹きだした私達。「家に帰る頃には、そろそろ危なくなってきている、ダディの髪の毛がすべて抜け落ちる!」と子が騒ぐ。ああ粘膜が焼かれていく。煩悩の劫火に火炙りにされているようだ。子等は卵いっぱいフライドライスなど食しているので、きゃつらにとってそれはまさに「対岸の火事」でも悦楽の辛さなの。だんだんハイになっていく私。もう後戻りのできない体になっていく。ただもう地獄のように味覚痺れきるような辛さではなく、まるで何かの「プレイ」のような辛さに翻弄されてしまい、しどけなく視線がトロンと泳いでしまった。ああ絶対癖になってしまう。帰宅後しばらく、姐やんは脱力していた。「…レッドホットサイケデリックエクスタシー…」とつぶやきながら、相方と二人、宙に視線を浮かせていた。………マーロックかマイランタ飲んでおいたほうがいいかな?(↑胸焼け止めのお薬である)