熱帯香粧館

俄然ヤル気になって、新しいアクティヴスポーツウェアを揃えたよ。
調子出てきて、ブギボード＆ボディボードも品定め。
でもだいたい姐やんは、この「いろいろ揃えた時点」で満足しちゃって、肝心のアクティヴのほうが、いつも持続しないわけね。
かなしいけれど、それがツネ。（常）
でも、大事なのはイチネンホッキよ。
それは姐やんが、一年じゅうほっき貝喰ってるってこととは、ワケが違うよ。
一念発起だから、一、念、発、起。
中国語でいうと、いーねんふぁあ…わからん。
は～。
とにかく、あたしゃヤルよっ。（決）

そのままの気合い充分、生鮮食料品の買出しへ。
溶けモノいっぱい買ったので、溶けないうちにと、怒涛のように運転して戻る。
鯖の味噌煮＆青菜のにんにくラー油炒め＆薬味いっぱいすくい豆腐＆しらすごはん。
ローカルチックな旨い氷菓子、そう、それは子等の大好きなサムライシャーベットよ。

好きが嵩じて、サンドアイランドのサムライシャーベットファクトリーまで、見学に行ったよ以前。
今現在、どこに移転したのだサムライシャーベットファクトリー。
どこでも品薄なのが気に懸かる。
子等の、すこぶるお気に入りなんだサムライシャーベット。
サムライ　プリーズ　フォ～エヴァ～！
案外水面下で、ゲイシャシャーベットとか、ショウグンシャーベットとかに、商品名変更になっただけかもしれない。
いやニンジャシャーベットとか、はたまたハタモトブギョウシャーベットとかに。
一縷の望みってやつかこれ。
テンノウヘイカシャーベットとかでも、姐やんはぜんぜんかまわないのに。
と、サムライに想いを馳せながらも、クローブ風味の、ビーフポットローストの仕込みも怠らない。

翌日。
何をとち狂ったか、自主的に裏庭の清掃作業。
無謀にもこの細腕で、そこに敷き詰めてある、砂利を掻きならす私。
って、姐やんの腕は、そんなに細いことはない。
蚊よけのソックス、スェットパンツ。
首元タオルでガードして、長袖ジャージ姿である。
しかも、キャップ被った上から、姐やんはフードもすっぽり被ってる。
その上、軍手だ。
どんなもんだ私。
もう何も、この世に怖いもんなんかないぞこういう格好してると。

父ちゃんのためな～ら
えーんやこーら。
子供のためな～ら
えーんやこーら。
ヨイトマケの唄の歌詞が、頭の中でこだまする。
姐やんの母さん談によれば、これはアキヒロミワの名曲らしい。
砂利を敷き詰めならすのは、ずいぶん力が要るんだぞ。
なんかもう、ホットヨガもびっくりな発汗だ。
ただの氷水が、あまりにもあまりにも旨い。
姐やん頑張れ。もうひとふんばり。
デッキブラシで、コンクリートポーチも洗うんだ。

もうもう、スウィーディッシュサウナなんか目じゃないってほど、ヨイトマケ的肉体労働で、姐やんは汗しました。
ああ。
人々の、働く汗って尊い。
疲労感と引き換えに、この達成感ときた日には。
「ミーってば、裏庭掃除しちゃった。砂利をやっつけたのよ。いつなんどき、ロードサイドウォーカーにスカウトされても万全ね」　
と、誇らしげに、相方の携帯にまで、しなくていい電話報告をいちいちするくらい。

で、案の定、シャワーですっきりしたあとの姐やんは、まるで糸くずのようにへにょへにょだ。
くったり疲れて動けないのに、帰ってくる子等は腹をすかせてる。
母ちゃん頑張れ。
えーんやこーら。
口頭で指揮を執りつつ、青紫蘇＆かいわれ菜の、ぽん酢風味たらこスパゲティ作成。
もみ海苔と炒り胡麻で風味にアクセント。
青紫蘇とかいわれ菜刻めばいいんだから、これ一品簡単簡単。
冷たい白ワインが、きゅうっ！と美味しく感じます。
あとアーモンドチョコレートと、瑞々しいオレンジいっぱい。

泥が、暖かい雪解け水でぬかるむように
清らかな湧き水が、すうっと砂地に染み込むように
姐やんは、そのまますこーっと、悦楽の快眠に堕ちていったのです。

どんなエクスサイズより、なんたってヨイトマケ的肉体労働だ。
達成感＆充実感＆満足感が違う。
相方が、草むしりや庭掃除が趣味なのが、やっと理解できた気がする。
でも、これを毎日続けろと言われたら、スポーツアクティヴィティより続かないな姐やんは。
うっかり相方に、「庭掃除って有意義だね」なんて口走ったりしたら
砂糖黍畑や、パイナップル畑での重労働職へ、あっさり売り飛ばされてしまうかもしれない。

姐やんは、健康的に充実感も得られて、かつ売り飛ばされずにすむ痩身を目指そうと思います。
ちなみに相方には
「親方～、どうかあたいを売り飛ばさないでおくれよぅ～」
と、膝まづいて取りすがりながら、哀願しておきました。（嘘）