進学校の競争に疲れ、広大な大自然に囲まれた「大蝦夷農業高等学校」通称「エゾノー」に入学した八軒勇吾は、はじめての経験に悪戦苦闘......鋼の錬金術師の荒川弘が描く酪農青春グラフティーの第2期。怒涛の夏休みが終わり2学期が始まる。季節は秋に。
★前のお話は→ 「
銀の匙 第1期・第2期あらすじまとめ」
銀の匙 Silver Spoon 第2期
秋の部 第3話 「八軒、高く跳ぶ」
野球部は全道大会に勝ち進んだ。優勝すれば春の選抜は間違いなし。エゾノー祭で馬術部もカッコイイところを見てもらいたいと八軒。障害を飛べるのは部長とアキしかいないのだが。そんなことより新人戦と大川先輩がまた来て言うが就活は?w
馬術部の新人たちはいよいよ障害ジャンプの練習に入る。「大丈夫です。馬を信用しなさい」と中島先生。カッコイイところを見せようと八軒が挑戦するが、マロンは飛越を拒否、飛べなかった。
他の1年生は全員成功。飛べないのは八軒だけだった。試験ができなかった時のことを思い出した八軒。飛ばせようとするが今度はマロンは動かない。代わりにアキが乗るとすんなり飛んだ。上手い子だよとアキ。同じ1年が乗ってもマロンは障害を飛んだ。乗りやすいと言われる。しかし八軒が乗るとダメだった。
練習が終わり、意外と簡単に障害が飛べたと話す1年。自分だけ飛べなかった八軒はまた試験が出来なくて落ち込んだ頃のことを思い出した。他の馬に乗せてくれないかなとアキに話す八軒。アキは他の馬なら乗れると思うが、それじゃダメだと思うと言う。
どういうことか説明してくれと言う八軒だが、言葉で説明しただけでは、上っ面の理解しかできない。マロンはそれを八軒に理解してほしくて飛ばないのではとアキは言った。それならもっと練習しないと八軒。他のやつよりもっと練習してと言うとアキは馬にも休みが必要だからダメだと怒る。疲労が重なって体を壊したら殺処分されることも。
「ひとりじゃできない競技なんだから、パートナーのことも考えなきゃダメっしょ」
険悪ムードのふたり。アキが次の日曜日に付き合ってほしいと言う。
日曜日、アキの父に連れられてやって来たのはアキが通う乗馬クラブ。今日は他のクラブとの交流会で競技形式の大会が行われていた。エントリーしていなかったアキだが飛び入りで参加することに。八軒は見学。
メンバー表を見て、高倉さんが出ていると喜ぶアキ。いい男だもんねと話すアキたち。今日のお目当てはその男らしい。そいつをおれに見せるために連れてきたのかと考えやきもちをやく八軒。
体の小さい中学生も上手に乗っていた。7年やっていると聞き、すごいな、やはりそれくらい乗らないとと言う八軒に、「おれは大したことない。ロザンナ(馬)がすごいんだよ」と言った。
「高倉さん、ステキ~」の声に八軒がどんなやつだと見ると馬だった。体の小さい道産子。しかし障害をきれいに飛越していた。乗り手がベテランなのかと思いきや、乗馬を始めて1年ちょっとだと言う。乗り終えた女性は、「ほんと、高倉さんに気持ちよく飛んでもらえてよかったわ」と言った。
飛び入りのアキはスピードに乗ってきれいな飛越。だが最後のバーを落として減点になった。アキは馬に、「ありがとう。飛び入りで調整大変だったろうに、すごいねお前」と言った。父も、だいぶ馬に助けられたなと言った。
「馬のおかげ」
ここの人たちは、どんなベテランでもみんなそう言っていたことに気づく八軒。
そういえばと、もうひとつ気づいて、アキに素だと方言出るなと言うと、アキはすごく気にしていた様子。恥ずかしがる姿に八軒はしょうもないコンプレックスだなと笑った。ふたりの様子を見て「楽しそうだな」と父は八軒を睨んだw
「アキに気があるんじゃないのか」とアキの父に聞かれ「いつもニコニコ静かで、いいやつです」と答える八軒。「そのアキを怒らせたんだってな」と父。アキが来て、また八軒君をいじめてるのかと言うと、父はいじめてないと答えた。
「おまえら、仲直りしたのかなと思って」
副ぶちょーにおやつ代を持って来た常盤。八軒がアキと言い争っていたと中島先生に聞き部屋を訪ねる。深刻そうな顔をしていた、ふたりで実家に行ったと聞いた常盤は、また不純異性交遊かと妄想www 八軒が戻り事実がわかると「なあんだ、つまんねえな」
掃除当番を忘れて出かけていたことに気づく八軒。罰当番かと思ったら、また代わりに別府がやってくれていた。ひれ伏す八軒。寮生活でも知らず知らずのうちに誰かにフォローされているんだと改めて気づく。
翌日、マロンに乗る八軒。あの頃、抱き続けていた勉強へのコンプレックスがまた脳裏を横切るが、
「大丈夫だ、あの時とは違う。ひとりぼっちじゃない」
マロンにひとりじゃ飛べないからフォローを頼むと言って走り出す八軒。障害の前でまた止まるマロン。と、背中にくっついてとアキの声が。マロンが大ジャンプ。八軒は高く跳んだ。落馬した八軒の目に青空が映った。
マロンに抱きつく八軒。中島先生が言った。馬術は実は馬の能力に頼るところが大きい。乗り手をフォローしてゴールまで導いてくれるのだから、まず我々に必要なのは馬に気持ちよく走ってもらおうという思いと信頼。自分で気づき、体を張って掴み取った信頼はパートナーとの絆をより深くしてくれるでしょう。
汚れた顔を洗いながら、今だに馬が好きかどうかもわからないなだよなと考える八軒。でかいし、臭いし、扱い難しいし。
「けど、経験したことのない景色を見せてくれるのは、なんか燃える」
【感想】
アキは方言にコンプレックスを持っていたのか。「ダメっしょ」ってそれ、巻島さんっしょwww と、知らない人は何のことやらわからないツッコミを入れてしまった~
マロン号のほうが八軒より上手ですわね。見事な大ジャンプでした。八軒は自分で気づいて障害も飛べてよかったですね。