進学校の競争に疲れ、広大な大自然に囲まれた「大蝦夷農業高等学校」通称「エゾノー」に入学した八軒勇吾は、はじめての経験に悪戦苦闘......鋼の錬金術師の荒川弘が描く酪農青春グラフティーの第2期。怒涛の夏休みが終わり2学期が始まる。季節は秋に。
★前のお話は→ 「
銀の匙 第1期・第2期あらすじまとめ」
銀の匙 Silver Spoon 第2期
秋の部 第5話 「八軒、大わらわ」
エゾノー祭まで2週間。断れない男、八軒は、いろいろな係を引き受けてしまう。予算管理、進行、設営、宣伝広報......
馬術部では競技形式の馬術とばんばレースを計画。競技形式の馬術は先輩も協力してくれることになった。ばんばレースは先生の許可が出て土地も確保。そりはアキのおじさんが2台、持ってきてくれた。
騎手はアキがやる予定だが、おじさんは、まだ無理だと言う。校長先生が、まだ無理ということは練習次第ではいけるということですねと言い、アキが練習して挑戦することになる。
馬のことになると生き生きしてると八軒はアキに言う。やはり将来は馬関係の仕事に進めばいいと言うが、家を継がなきゃいけないし、進路のことで家の人とケンカしたくないとアキ。家にも馬はいるし大丈夫とアキは言うが、八軒は後継ぎ問題で遠慮して自分の感情を殺してきたのかなと考える。
馬が引くそりの点検と装飾は同室の西川がやってくれることに。どうしても成功させたいと言う八軒に全力でやるから安心しろと西川。代わりに西川たちの出し物も八軒は手伝うことにする。
予算と進行の係の打合せもあり、副ぶちょーの散歩は常盤にやってもらう。走り回る八軒を見て大丈夫かなとアキ。夜は農場でばんばのコース作り。先生たちは昔の草ばんばを思い出して盛り上がり、測量を手伝う大川も楽しそう。野球部の練習を終えた駒場らも手伝ってくれる。
西川が馬そりが1台終了したというので行ってみると、「NPK48」チッソ、リン酸、カリウム、肥料の3要素だと西川。
朝も早起きしてコースの石拾い。アキも中島先生、校長先生と、ばんばの練習をしていた。疲れはあるけど農繁期の家の手伝いに比べたらラクだとアキ、八軒くんこそ疲れてたら無理しないで休んでねと言う。
大丈夫とアキに言った八軒だが、授業中は爆睡。次々やらなくてはいけない仕事ができる八軒。断らない男は早死にするぞと常盤。疲れた様子の八軒に、駒場も大丈夫かと心配する。
肉を脱いだ多摩子が登場。相川に頼まれてダイエットしたと言う。ホル部の出し物は美牛コンテスト、人が集まりそうもないので、せめて牛を引く人でとエゾノー祭の食券5000円分で取引きした。期日にきっちり仕上げてくるのはさすがと感心。
エゾノー祭まであと1日。着々と準備は進む。
馬そり2台目も完成。
アキもしっかり仕上がり、ばんばコースも完成。
協力してくれた先生方に礼を言う八軒たち。先生は「気にすんな。大人だって楽しいことは大好きなんだぜ」と言った。
いよいよ明日。そういえばこんなに長く勉強しなかったのは初めてだなと思いながら祭りの予習をする八軒。八軒くんて勉強すきだよねとアキ。八軒は細かくノートに書き込んでいた。
夕方、場内のチェックをする八軒にアキはエゾノー祭が終わったら、ちゃんと休んで息抜きしたほうがいいよと言う。八軒はおごるから、ふたりで遊びに行こうと誘う。アキが行くと言ってくれて八軒大喜び。
八軒に誘われたことを友だちに話すアキ。ただの友だちと言うアキは、ふたりきりで出かけたいというのは、そういうことでしょうと言われ慌てる。御影牧場の婿にするなら優良物件じゃないかと多摩子。一般家庭の次男だしいい条件と言われるが、そういう選び方は失礼な気がすると答える。吉野は八軒は、ひとつのことに悩み過ぎでめんどくさそうだからいやだと言った。
布団の中でひとり考えるアキ。自分は心にストッパーをかけていたのか。もっと自由に考えていいのかな。考えていたら、明日どんな顔をして八軒に会えばいいのかわからなくなってきた。
エゾノー祭当日の朝。副ぶちょーを連れて、ばんばコースを歩く八軒。いい大人が本気出して、ほんとに作ってしまった。コースを見下ろしながら副ぶちょーに話す。
「おれ、変わったよな。逃げてきて正解だったよな」
いよいよ祭り本番。絶対成功させてやるぞ。帰ろうと歩き出そうとすると地面が回った。八軒は倒れていた。
【感想】
いや、いくらなんでも八軒は断らなさすぎでしょ。無事エゾノー祭を迎えることができてよかった。と思ったら当日にダウンですか。残念、というより大丈夫でしょうか、心配です。