進学校の競争に疲れ、広大な大自然に囲まれた「大蝦夷農業高等学校」通称「エゾノー」に入学した八軒勇吾は、はじめての経験に悪戦苦闘......鋼の錬金術師の荒川弘が描く酪農青春グラフティーの第2期。怒涛の夏休みが終わり2学期が始まる。季節は秋に。
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銀の匙 第1期・第2期あらすじまとめ」
銀の匙 Silver Spoon 第2期
秋の部 第11話 「何度でも」
札幌に到着した八軒。早く着きすぎたのでアキの参考書でも見ようかと書店へ。中学の同級生3人が八軒を見て声をかけた。八軒の「採れたての野菜は美味い、豚そだてて自分でベーコンにしたり、ピザ焼いてみんなで食ったり。トラクター、馬も乗れるよ」という話にうらやましいという3人。農高のやつらには勉強でいい点とるほうがうらやましいって言われると八軒は言った。
連絡先を教え合う。参考書を見てたけど大学きめたのかと聞かれ、自分じゃなくて友だちが行くから勉強を教えることになったと答える(女子のw) 書店を出た八軒は中学のやつらに会ってビビったけど普通に話せてよかったと思う。同級生たちは八軒、変わったなと話していた。
自宅に戻ると誰もいなかった。兄のノートを見つけ置手紙だけして帰ろうと思ったところに父。母が手料理を作り3人で食事をすることに。味噌汁を飲んで「うまい」と言う八軒に、勇吾がうちのごはん食べて美味いって言ったの、すごく久しぶりな気がすると母。味の感想を言ってくれないからつまらないと言う母に父は「問題ない、ノークレーム」と答えた。
八軒はアキの祖父が「君らの親がちゃんとしたものを食べさせてくれてたんだべ」と言ったことを思い出した。友だちの家が借金で家業をたたんで高校をやめることになったと話し、うちは借金あるかと聞く。父は貯蓄はある、大学の学費分も貯めてある。余計なことを考えている暇があるのか、勉学に集中しろと言った。
わかろうとする努力だ。落ち着けと自分に言い聞かせる八軒。父さんの言うことは一理ある。最近わかってきた。友だちが夢が変更になって大学に行くことになったと話す。夢だけあっても片輪しかない車みたいなもの。夢と対にになる片輪が適正か金か、いろいろあるだろうけど、その友だちに今必要なのは学歴でと話すと慎吾(兄)のノートは取りに来たのは友だちのためかと父は聞いた。
今、勉強を手伝っていると言うと父は、勉強で脱落した人間が、人に勉強を教えるというのかと言った。八軒は父に言った。「一度失敗した人間は、何もしちゃいけないのか。一度のダメで全部がダメになるのか。まるで経済動物と一緒じゃないか」経済動物だって、ちょっとやそっとじゃ処分しない飼い主もいる。障害馬術の馬だってジャンプに失敗しても二度目を飛ぶチャンスをもらえるんだよと言った八軒は「おれは経済動物以下か」と父に言うと帰ると告げた。
食べた食器を片づけ、母にごちそうさまを言って家を出た八軒だが、お土産を全部家に置いてきてしまった。それを見つけた母は、そういえば勇吾が学校で何やってるのか何も知らないわと思った。
成績が伸びないアキに自分の教え方が悪いんだと悩む八軒。兄のノートも汚い字で解読困難。相川、常盤らに父に言われたことの話をする。一度失敗したやつは挑戦する資格すらないと言われたみたいでと言う八軒に、多摩子は、お父さんの言うこともわかると言う。最初の失敗は八軒、二度目のチャレンジをするのはアキ。自分のプライドと完全に切り離してアキの勉強を見てやってよねと言われる。
自分ではなくアキに飛んでもらうのだったと気づいた八軒は謝ろうとアキのところへ。そこに母が来ていた。何で?と聞く八軒に母は、あなたの高校のこと何も知らないから、どんな生活してるのかなと思ってと言った。慣れない環境で頑張っているのね、友だちもいっぱいいて安心したと母。お土産のヨーグルトも美味しかったと言ったwww
雪になりそうで遅くまで作業をしている人もいた。校長先生も野菜を買いに来ていて、安くて新鮮な野菜を見た母は、欲しいけど帰らなきゃだし荷物になるしと悔しがる。「ならば、ここで召し上がっていってはいかがですか」その言葉に人も食べ物も続々集まり食事会に。美味しいを連発した母は大喜び。
お土産のたくあんと納豆を作った西川と別府を紹介する。とても美味しくてビックリしたという母に、別府は美味いって言ってもらうとモチベーションあがると言う。母も家のごはんも感想をもらえると頑張っちゃうと話す。
アキを大学に入れようという気持ちの中に父親への対抗心もあったかもと謝る八軒。許してくれるかと言うと、許すも何も実害を受けてないし毎日勉強みてくれるしとアキ。そして私も良かったと言う。八軒の深刻そうな様子に、頭わるすぎて嫌われたかと思ったとアキ。八軒は、「嫌わない、嫌わない、何があっても絶対」
何も知ろうとしなかったのかもしれない。見に来て良かったと母。私もお母さんと話すことができて良かったと校長先生。親御さんの顔を見ると安心しますと言った。母を送りながら連絡なしで来るなよと言う八軒に母は、八軒が父に言い返したからビックリしたのだと言う。八軒は言い返せたのは友だちもけなされた気がしたから。自分が変われたのはみんなのおかげ。そいつらの真剣にやってどうにもならなかったことも、ダメのひとくくりにしないでほしいと。
メールでウソをついたことを謝る母。ウソをついた気持ちも少しわかったと八軒。タクシーが来て乗り込む。
「でもさ、もうウソつかないでくれ。どんなことでも受け止められるから。前のおれと違うから」
わかったと母は言って帰って行った。雪が降り始めた。
★感想 意外とあっさりな最終回の感じも。父との関係はまだ時間がかかりそうですね。でも一歩前進という感じでしょうか。母もエゾノーの生活を知ったし、中学の同級生ともちゃんと話せたし、これからも素晴らしい仲間に囲ませて成長していくことでしょう。冬の物語も見てみたいです。