小野田坂道は千葉県の総北高校の1年生。毎週ママチャリで秋葉原に通うアニメが大好きな気弱な少年が仲間と出会い自転車競技部に入部。試練を乗り越え才能を開花させていく......原作、渡辺航の自転車ロードレース漫画の第2期。
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第1話~第10話 あらすじまとめ
★1期 (1~38話)はこちら→ 「
弱虫ペダル 全話あらすじまとめ」
弱虫ペダル GRANDE ROAD ~グランロード~
第11話 「サバイバル」
もうすぐ先頭に追いつく。倒れそうになる荒北を坂道と真波が支える。と、支えるなと叱られたが、よくついて来たと荒北は言った。ふたりともついて来た。不思議ちゃんだな。俺はひょっとして、とんでもないものを運んできたんじゃないかと荒北は思った。先頭が見えた。
広島野郎をひねってやったから少し遅くなったが、不思議ちゃんふたり運んで来たぜと荒北。坂道は荒北に礼を言う。福富は注文がきつすぎると言う荒北に、お前ならやれると思っていたからと言った。総北、箱学の他のメンバーも追いついて両校6人がそろった。
田所が先頭を代わる。6人揃って給水所へ。手嶋らの声援を受ける。ここから後半戦。命がけの戦いになる、ついてこい1年と田所。坂道たちは力強く返事をした。箱学も6人そろって、福富が総合優勝を取るぞと言った。その後ろには京伏。広島が追いつかなかったので二人のまま。石垣が広島は来ないのではと言うと、御堂筋は、いいんじゃないのと言った。
追いつかなかったということは、それまでのやつだということ。純粋に勝利を求めていないやつらだったということや。そんなのは例え追いついても戦力にはならないと御堂筋。石垣に心配しなくてもいいと言った。今日は最終日、レースは残り半分、本当の意味でのサバイバル。全員を運ぶ必要などない。チームは身を削りながら走る。ここから先は数なんてさほど問題じゃないよと笑った。今、一番生きのいいやつほど落ちて行くよ。
先頭を行く総北、箱学、そして続く京伏。この中から確実にインターハイの総合優勝者が出る。今までとは空気がまるで違うと感じる坂道。爆発しそうな緊張感だ。これがインターハイの最後のゴールが近いってことなのか。スプリントライン手前で箱学の新開が前に出た。エース福富を連れている。このままゴールを狙う気か。
田所と金城が追う。追いついて、逃げらんねえぜと田所が言うと、みたいだなと新開。いまさらスプリントを狙う気かと言うと額に入れるにはちょうどいいからなと新開は言った。一歩も譲らない気迫が後ろの坂道にも伝わってくる。この緊張感の中でついていけるだろうかと坂道は思った。張りつめた空気に潰されそうだ。
巻島が坂道の背中を叩いた。今は楽しめ、この緊張感を。ようやくここまで来たんしょ、最後のゴールを戦えるところまで。こんな状況に俺たちは6人全員でいるんだ、楽しいだろうと。3年間、俺たちはこれを夢見て来たんだと巻島は言った。
スプリントラインまで1km。そろそろ俺の仕事も終わりかと荒北は思った。新開に代わって先頭を走る。さっきまで広島とバトルしていたのにと言う田所に昨日たっぷり休んだから調子がいいんだと荒北は言った。このままエースを連れてゴールまでだって行ってやるよと飛ばす荒北。福富は荒北の走りに何か気づいていた。
スプリントなんかいらねえよと荒北は思った。なあ福ちゃん、上って来たぜ、インターハイのこの大舞台まで。観客、照らす日差し、ひとりで走って上って来た。わかったぜ、確かにインハイ、ラストステージの先頭は、半端なく気持ちいい。
荒北が失速。新開が前に出た。荒北に手を伸ばしたが届かず、そのまま後方に離れて行った。なあ、福ちゃん、俺は十分やったろ。あんな折れ曲がっていた俺が自転車始めて、毎日乗って3年間、走った、走りまくった。前だけを向いて。濃密な3年間だったよな。福ちゃん、俺はお前にだけは褒めてほしいんだ。
ああ、靖友(荒北)お前は最高の走りだった。福富は言った。最後のスプリントリザルトは新開が取った。あばよ、箱学、あとは頼んだぜ。荒北が落ちて行く。総北が京伏が、荒北を抜いて行く。荒北の姿に驚く坂道たち。箱学2番の人が落ちましたと繰り返す坂道に、今泉はあの人は精一杯チームのために仕事をして力尽きた。それだけだと言った。
たった一枚のジャージをどこよりも速くゴールに届けるために、他の5枚は必ず犠牲になる。それがロードレースというものだ。3年の先輩はそれがわかっているから振り向きもしないんだと今泉は言った。5人になった箱学。さらに加速する。
俺が今ここで走っていられるのも、お前のおかげだよ靖友と新開。初心者で口が悪くて、すぐ辞めると思っていたお前が、インターハイまで一緒に走るとはな、大したものだよ。お前の意志はこの俺が受け継ごうと東堂。あなたからいろいろなことを学びました(泉田)すごい人だったな(真波) そして福富は、お前なしではこのチームは成立しなかった。最高の走りだった。お前が支えたこのジャージは誰よりも速くゴールに到達する。決して振り返ることなどしない。
☆次回 「泉田の誇り」
★感想 あ~荒北さん、残念だけど、カッコよかったですね。箱学もいい仲間たちですよね。ところで御堂筋くんと石垣さんも頑張っていますね。これから次々脱落していくのかな、過酷だね。心配です。