趣味でヒーローを始めた男
サイタマは強くなりすぎた。
どんな相手でもワンパンチで決着がついてしまう。
圧倒的な力はつまらないと感じるサイタマを本気にさせる敵は現れるのか。
ONE PUNCH MAN
ワンパンマン
#01 最強の男
怪人が現れ街を破壊している。怪人に握りつぶされそうになった少女をワンパンマンが助ける。何者だと聞かれて「趣味でヒーローをやっている者だ」と答えた。怪人はワクチンマン。人間が環境汚染を繰り返すことによって生まれた。趣味などという適当な設定は気にくわないと怒り巨大化するがワンパンマンのパンチ一発で砕けた。
きっかけは三年前。就職活動中で今日も面接に落ちたサイタマはカニを食い過ぎて突然変体を起こした怪人カニランテと遭遇した。俺と同じで目が死んでいるからとカニランテは見逃してくれたが、見つけたら八つ裂きと言っていたアゴの割れたガキを見かけた。公園で寝ていたカニランテにマジックで乳首を書いたので命を狙われていたのだった。
可愛くないガキだったが思わずカニランテから守ってしまった。自分の姿をバカにしたやつはもれなく切り裂いてきたとカニランテ。サイタマは突き飛ばされて傷を負ったが、この少子化時代にガキを殺すなんて見過ごせんと立ち上がった。そして気づいた。
そう、俺は小さいときヒーローになりたかったんだ。サラリーマンじゃなくて悪役を一撃でぶっ飛ばすヒーローに。就活はやめだ、かかってこいと上着を脱いだサイタマ。劣勢だったがネクタイを使いカニランテを倒した。
それからサイタマはハゲるくらい死に物狂いで特訓した。無敵のパワーを手に入れて、なりたかったヒーローになれたはずだった。だが何かが違う。なぜこんなにも心が満たされないんだ。
スーパーでカニの爪を買うサイタマ。お金を払おうとしたらスーパーが崩壊。巨大な足跡があり天才と筋肉兄弟がいた。兄は開発した究極のステロイド「上腕二頭キング」を弟に飲ませた。世界最強を目指していた弟は巨大化した。俺の知力とお前の筋肉で地上のすべてを征服して王になれると兄は言った。街を破壊し数万人を死亡させ進む兄弟。
弟の肩にサイタマが乗っていて、最強の男になった感想は?と聞いた。叩き潰そうとしたら兄を潰してしまった。どうしてこうなった、俺はただ強さを求めていただけなのに。やっと最強の男になれたというのにと叫ぶ弟。お前のせいで兄さんが死んだと笑っているサイタマを投げた。サイタマは穴の中に。
俺は最強だ、だが虚しいと巨人の弟。「だよな」とサイタマが穴の中から飛んで出てきてパンチ。巨人を倒した。「圧倒的な力ってのは、つまらないもんだ」
世の中の悪は一向に消える気配はない。俺がヒーローを始める前と変化ないことだから俺は社会に何ら影響を与えていないということだ。それについては悲しくないが悩みを抱えている。日々、感情が薄れていく。恐怖も緊張も喜びも怒りも感じなくなってしまった。力と引き換えに大切な何かを失ってしまったのだろうか。
以前は戦いの中で様々な感情が渦巻いていた。恐怖、焦り、怒り。それが今ではワンパンで片付く。無傷で自宅に戻り手袋を洗う日々。怪人やモンスターと戦っていても魂のぶつかり合いなどはない。ただ俺はヒーローを趣味としている。自己満足できればそれでいいのだ。
怪人が襲って来て目が覚めた。家が破壊された。相手は強かった。我々は真の地球人だと言った。数が増え過ぎたから地上をいただくと地底人が現れた。地上人は邪魔なので絶滅してもらうことにしたと言い殴っても死なない地上人は初めてで驚いたとサイタマに言った。
それはこっちも同じだ。こんなに手ごたえのありそうな怪人は久しぶりだとサイタマ。強い地底人と戦っていると緊張感や鼓動の高鳴りを感じた。久しく忘れていた戦いの高揚感だ。そうだ思い出した、これだ。とそこに地底王が現れた。これこそが俺の求めていた......と思ったら目覚まし時計の音。夢だった。
外に地底人がいて地底王が地上人は死んでもらうと叫んでいた。サイタマが踏みつけると地底王は倒れた。さあ、やろうかと言うと地底人は「すいませんでした」と白旗を揚げて逃げてしまった。
俺は強くなりすぎた。
☆次回 「孤高のサイボーグ」
【感想】
楽しみにしていた作品です。原作はただサイタマの顔があまりにとぼけているので読みはじめました。アニメはちょっと想像と違ったけど、やはり面白いですね。いっぱいいて、どんだけ出てくるのがわからないヒーローたちが豪華声優陣なのにも驚き。スカッとするお話を期待します。