マイナーな神様、夜トは交通事故に遭いそうになったところを壱岐ひよりに助けられるが、それがきっかけで、ひよりは魂が抜けやすい体質になってしまい、夜トに治してくれと頼み行動を共にするようになる。
夜トに拾われて神器となった雪音と共に妖(あやかし)との戦いを繰り広げ絆を深めた3人であったが、最強武神の毘沙門は夜トの命を狙い続けていた。
あだちとか原作、夜トと毘沙門の過去が明らかになる第2期。
☆前のお話は→
第1話「諱、握りて」
★第1期はこちら→
ノラガミ1~12話(全話)あらすじ
ノラガミ ARAGOTO
第2話 「彼女の思い出」
薬を練るための樹液を採りに来た陸巴(くがは)に、また会ったねと野良が声をかける。夜トを見に行って来たよと陸巴。どうだったのと聞かれて使えそうだねと答えた。
夜トに話があると雪音。小福と大黒は心配そうに見つめる。雪音は夜トに言った。「俺、友だちができた」
雪音に友だちができた話を天神にする夜ト。良かったね、こんな主を持っても雪音君は真っ直ぐな子になるんだねと天神が言うと反面教師って役に立つんですねと以前は夜トの神使だった真喩(まゆ) 友だちはどこの神使かと聞かれたが聞いていなかった夜トは相変わらずヌケサクですねと言われた。
天神の下請けの仕事を片づける。一撃で妖を倒した雪音を夜トが褒めようとすると後でと駆け出した。ひよりが宿題はと聞いたが友だちのところに行くからそれも後でと雪音は嬉しそうに言った。
鈴巴(すずは)のところに花を植える手伝いに行く雪音。お礼に姉さま(毘沙門)のサインをもらってきてやるからと鈴巴。マジいらないと答えた雪音は、ほんとに夜トのこと知らないんだなと思った。苗も肥料も欲しいだけもらえると言う鈴巴にバイトして貯めた金を勝手に使い込まれたこともある、最悪だろと雪音。仲がいいんだなと鈴巴は笑った。
うちは神器がいっぱいいる大家族なんだと鈴巴。カッコイイ神器がわんさかいてそれを束ねる道しるべが祝の器(はふりのうつわ)の兆麻(かずま)と話す。最強武神の毘沙門天は自分たちの前ではとても優しくて本当の家族みたいに接してくれるんだと鈴巴。毘沙門さまのこと大好きなんだなと雪音が言うと当たり前だろと笑った鈴巴だが、俺はここ何年か姉さまに名前を呼ばれてないがなと寂しそうな顔をした。
いいもの見せてやると鈴巴が雪音を大きな桜の木のところに連れて行く。台風で折れて病気になったが面倒を見てやっと洞から根が出て来たと鈴巴。すごいなと言うと教えてくれる先生がいるんだと言った。桜を一緒に見ようと友だちと約束したんだと鈴巴。そいつ(ともこ)は生きているのに俺のことが見えたんだと言った。
ここのお花畑すごくきれい、お兄ちゃんが育ててるの? と少女。30年前、鈴巴は自分のことが見える、ともこと出会った。おばあちゃんの家が近いらしく夏休みに来るたびに花畑で遊んだが花のことは覚えていてきれいだと言ってくれたが鈴巴のことは毎年わすれていた。夏にしか来ないが一緒に桜が咲いたのを見たいと言うので桜の木に名前を刻んで約束した。だがそれが最後だった。
生きてるやつらは俺たちのことをすぐに忘れちまう。けどあいつがこの桜のことを覚えててくれれば俺はそれでいいんだと鈴巴は言った。
部屋に戻って来た夜トが胸が苦しいが何かあったかと雪音にたずねた。刺されるのはもうごめんだから貯め込むくらいなら話してくれと夜ト。ひよりは大人になったら俺たちのこと忘れるかと雪音は聞き、ひよりは俺たちのこと頑張ってくれる。俺は何を頑張ってもとっくに死んでいるから何にもなれないのにと泣いた。
ひよりの思い出にすらなれないなんてと泣く雪音に、ひよりといるのがきついか、勉強やめるかと夜ト。やめねえよ、俺にとってはこれが桜の木かもしれないのにと雪音は言った。毘沙門の神器の鈴巴に桜が咲いたら花見しようと誘われたと雪音は夜トに話した。
桜の木を見つめる鈴巴の前に先生(陸巴)が現れ、見事に根付いたから今年も無事に咲くなと言った。先生のご指導のおかげですと鈴巴が言うと、また今年もひとりで花を見るのかと陸巴。いつまで続ける気だ。とっくに忘れられてるってわかっているんだろうと鈴巴に言った。お前かれこれ何年も毘沙門さまに名さえ呼ばれてないんだって、絶望だな。名付け親にも忘れられ永遠に誰ともつながらない。お前はすべてが無意味だ。陸巴に言われ堕ちた鈴巴は面の妖に殺された。苦しくて目が覚めた毘沙門は神器の誰かが死んだと感じた。
ひよりと一緒に雪音は桜の木の下に行くが鈴巴は現れなかった。春になったら花見をしよう、約束を忘れなかったらと雪音が言うと、ひよりは忘れないよと言った。コソコソついて来ていた夜トはひよりに川に飛ばされた。大事な桜のはずなのに鈴巴は何をやってるんだと雪音は言った。
屋敷に飾ってあった花が萎れているのを見て死んだのはいつも花を飾っていた鈴巴かと考える毘沙門。よく鈴巴と一緒にいた神器に何か知らないかとたずねると毘沙門の体に障ることを恐れた神器たちは、姉さまが心配なさるようなことはございませんと笑顔で答えた。
紹巴(つぐは)の髪が短くなっていた。気にしている様子の紹巴に何かあったんじゃないかと毘沙門天がたずねると切るの失敗してへこんでいただけなので大丈夫ですと言ったが、それをハサミを持った藍巴(あいは)が見ていた。
毘沙門の薬が増えたことに気づく兆麻。このところふさぎがちで体調も芳しくない。寝ている毘沙門を見ると体にヤスミが。兆麻は神器全員を集め、毘沙門さまにヤスミが現れたので独断で禊を行うと告げた。神器の誰かに魔が差した。名乗り出る者はいなかったので全員を検査する。
陸巴が調べるが藍巴も含め全員異常なかった。気が済みましたかと言う陸巴にあなたがまだだと兆麻。陸巴が全裸になったが異常はなかった。じゃ誰が刺したんだと言う兆麻に道しるべが間違っていては困る、あまり自分を過信しないほうが良いのではと言った。何の騒ぎだと起きてきた毘沙門。その体にヤスミはなかった。
桜の木が時化ていると気づく夜ト。そこに現れた陸巴にやったのはお前かと聞くと人を疑うのはよくない、小さなひがみが命取りになると陸巴。誰だと聞くと、とある方のただの神器ですと笑った。お前の飼い主は誰だと再び聞くと、威勢がいいが無名のあなたは人の記憶にすら残らない、神器なしでは何もできない神ごときがと攻撃してきた。
躾のなってない神器だなと陸巴を倒す夜ト。社も持たないのにその強さ、此岸に強い縁でもお持ちかなと陸巴。此岸との絆は儚く脆いことはあなたが一番ご存じのはず。またお会いしましょう、それまで消えないでくださいよと言うと陸巴は去った。
俺は消えない、俺のことを忘れない人間がいる限り。
ずいぶん痛い目に会ったみたいねと言う野良に確かにあいつはおあつらえむきだと陸巴。準備は整った。神器たちの絆はすでにほころび空洞化している。少し背中を押せば堕ちる者ばかり。毘沙門天は本来荒ぶる武神だがあの方は名跡を汚している。夜ト神を使わせてもらう。毘沙門天には消えてもらうと言った。
☆次回 「イツワリノ絆」
【感想】
あら、初めての雪音の友だち、簡単に退場しちゃいましたね。かわいそう過ぎるな。いやしかし、陸巴はワルだなあ。紹巴の髪を切った藍巴もかなり危ない感じだし毘沙門はピンチですね。